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【参加レポート】DIST.48 「アクセシビリティ はじめの一歩」に参加してきました

に公開

RUN.EDGE株式会社の猪野浩子です。
4/25に中野セントラルパークで行われたDIST.48 「アクセシビリティ はじめの一歩」に参加してきました。

https://dist.connpass.com/event/349827/

RUN.EDGEでは、これまで『Webアプリケーションアクセシビリティ』を輪読する会が行われる事がありました。
ただ、実際に浸透していくというところまでは、いま一歩と感じていたので、DISTは初めてですが思い切って参加してみました。
各セッションについてレポートと感想を書き残します(写真はありません)

イベント運営の方の参加レポートは下記リンクで、スライドも載せられていますのでこちらもご参照ください。

https://www.ceroan.co.jp/cho-men/post/dist48-event-report

各セッションのレポートと感想

HTMLからはじめるアクセシビリティ

株式会社トルク CTO・デザインエンジニア 堀江 哲郎(HORIE Tetsuro)さんのセッションです。

Semantic HTMLとは、などのベースの話から、各タグを正しく使った場合とそうでない場合のVoice Overの動作の違いをキャプチャで比較しながら説明されていました。

正しく使った場合にはランドマークやスキップリンクを使ってすばやく目的の場所に移動できたり、読み上げのテキストに正しい情報を含めることができます。

今回はmainタグ、buttonタグ、labelタグ、fieldset + legendタグなどについてのお話がありました。

buttonタグを使わずにボタンを同等の機能として実装しようとすると大変な話や、タグがどれだけVoice Over上での要素の説明に関わっているのかなどのお話が印象的でした。正しい場合とそうでない場合の違いもとてもわかりやすくて素晴らしいセッションでした。

視覚障害当事者のウェブアクセシビリティの困り事あるある

フリーランス D&Iコンサルタント・弱視 西川 隆之(NISHIKAWA Takayuki)さん
大学生・弱視 布川 詩子(NUNOKAWA Utako)さん
福祉相談員・全盲 黒澤 美花(KUROSAWA Mika)さん
のパネルディスカッション形式(+西川さんのLT)のセッションでした。

西川さんのスライドから始まりましたが、視覚障害者は30万人程度、うち全盲3割、弱視7割とのことで、弱視の方はさまざまな見え方があるとか、視覚障害者は人数が少ないから問題が顕在化しづらいという話がありました。
当事者からのメッセージとしては、

  • スクリーンリーダーの対応・代替テキスト
  • 文字サイズ・コントラスト
  • シンプルで直感的なデザイン
  • 大きくタッチしやすいボタン

などを対応してほしいとのことです。

パネルディスカッションがかなり面白かったです。セキュリティの都合でスクリーンリーダーが入れられない話や、Webテストで補助ツールを使わせてもらえなかった話などを聞いて配慮が行き届いていない現状を知れました。

CAPTCHA認証ができない話、履修登録の表のたくさんの情報を把握するのが難しい話などもありました。
今まで使えていたWebサイトがリニューアルでで使いづらくなった話は開発者側からするととても耳が痛い話だと思いました。

最後にメッセージとして、視覚障害者の方は努力と勘でなんとかWebサイトを使っているが、晴眼者の手を借りなければならないこともあり、「一人で完結させてほしい」という言葉はとても響きました。
Webをアクセシブルにしていく重要さを直接知ることができるとてもいい機会でした。

アクセシビリティの社内浸透

フリー株式会社 デザインリサーチャー、アクセシビリティスペシャリスト 伊原 力也(IHARA Rikiya)さんのセッションでした。
『Webアプリケーションアクセシビリティ』の著者の一人の方です。

最初はアクセシビリティに取り組んでいる企業の割合などの話がありました。
サービス導入側では、導入するときアクセシビリティ対応を考慮するのが「必ず考慮する」で17.6%のようです。

開発側の課題は、「対応方法がわからない、担当者がいない、知見を持った人がいない」というのがネックという話でした。
社内外の取り組みに対する意識を変えるため、社内でやってみる、社内向けにまとめるというところから、社外向けに発信するという風にステップアップするやり方の紹介がありました。

やり方がわかる、できる人を作るために、下記のようなステップでやるとよいようです。

  1. 学んでみた
  • 本を読む、輪読してみる
  • 他社のガイドラインを輪読する
  1. 調べてまとめてみた
  • アクセシビリティに関するアンケートを実施して発信するなど
  1. 自分のところ直してみた
  • 改善するさまを発信する
  1. 仕事で一部やってみた
  • 小さい単位から
  • 例:outline: 0をやめてみた
  1. 仕事に組み込んでみた
  • アクセシビリティ導入サービス、推進プロジェクト、企業サイトでの発信
  1. 仕事でまるっとやってみた
  • 視覚障害者の人でも使えるリニューアルをする、アクセシビリティ案件の入札に参加する

この話はとても今の自分のアクセシビリティに関する取り組みについて考えさせるところがあり、伊原さんの提案してくださったステップでアクセシビリティを浸透・推進していこうと思いました。
この記事も、「社内向けにまとめる + 社外向けにまとめる」の一環として書いています。

まとめ

DISTは初参加でしたが、とてもためになるセッションばかりで、参加してとても良かったです。
アクセシビリティについて、少しずつ取り組みを広げていけるとよいと思いました。
登壇者の方、運営・スタッフの方、とてもよい会をありがとうございました!

RUN.EDGE株式会社

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