【.NET】.NET 6.0をインストールしてみた
はじめに
C#やVB.netを使用して開発していたことはありますが、開発環境としてVisual StudioというIDEを基本的に使用していました。
Visual Studioはとても優秀なIDEであるため開発をスムーズ進めることはできたのですが、優秀すぎ and C#、VB.netしか使わなかったため様々な誤解もしていました。
- 他の言語もVisual Studioのような専用の開発環境が必要である
- .NET系の開発はVisual Studioが絶対必要である
- Visual Studioに備わっているデバッグ方法(ブレークポイント)が当たり前のデバッグ
長年.NETだけ触れていたため、他の言語で開発をすることになった際かなり戸惑いました。
少し前のVisual Studioだとメディアを購入してディスクドライブからインストールしていたのでそういったものが普通だと思っていました。
今回インストールしてみるのは「.NET 6.0」とはどういったものなのかも含めて記載してみようと思います。
簡単な紹介
.NETとはマイクロソフトが開発したアプリケーションの実行&開発環境のことです。人や現場によって.NETという言葉で示すものは様々あり、「C#やVB.netのように言語自体」「マイクロソフトが提供する開発に関する全てのもの」「Windows用のアプリケーションに関するもの」など。
.NET Framework
マイクロソフトが2002年に提供したWindows上でのみ動作する実行&開発環境が.NET Frameworkになります。
バージョンが1.0から始まり、メジャーなバージョンとしては4.8が最終アップデートです。
基本的にWindowsのOSにはこの.NET Frameworkはインストールされており、OSのバージョンによって既にインストールされているバージョンや推奨バージョンなどが変わってきます。
上記で記載したようにWindows上でしか開発できず、Windows上でしか動作しないためアプリケーションを動かすマシンのOSがWindowsでなければいけないなど制約はありましたが様々な処理を汎用的に動かすことがでます。
.NET Core
こちらもマイクロソフトが提供する実行&開発環境ですが、クロスプラットフォームとして提供されており、Windows・Linux・macOSなど複数のOS上で動作するようになっています。
LinuxやmacOSでC#、VB.netの言語を使用して開発ができるようになりました。
.NET 5~
.NET Coreの系列の延長上にあり、.NET Coreの大型アップデートの結果「.NET + ナンバリング」の形式になったともいわれています。
.NET Frameworkは以降のアップデートはないのでOSのサポート期限次第で「.NET + ナンバリング」に移行する必要が出てくるので、早めに慣れておく必要があると思います。
.NET 6の環境構築
現時点(2022年2月)で最新の.NET 6の最新バージョン(6.0.1)で環境構築を行おうと思います。
前提条件
今回使用する環境としては以下を使用します。
- Windows10
- VisualStudioCode
- コンソール(ここではVisualStudioCodeのコンソールを使用)
LinuxやmacOSはまた別の機会に。
SDKのインストール
インストール先:
①使用機器に合わせてインストーラーを選択します。
②ダウンロードできたことを確認します。
③インストーラーを起動します。
④インストールが実施されます。
⑤インストールが完了したことを確認します。
プロジェクトを作成
コーディングを行うディレクトリは指定がないので適当なディレクトリを使用して下さい。
この記事では「C:\dev\app」にプロジェクトを作成します。
①VisualStudioCodeで「C:\dev\app」を開きます。
②「Ctrl + Shift + @」でコンソールを起動します。
③インストールした.NETのバージョンを確認します。
このコマンドを実行します。
dotnet --version
コマンドの実行結果が表示されます。
SDKをインストールしたことにより「dotnet」コマンドが使用できるようになったことも確認できました。
④プロジェクトの作成
このコマンドを実行します。
dotnet new console
今回はコンソールアプリを作成してみます。
他にもいろんな種類のプロジェクトは以下を参照
その他引数
コマンド実行後、appのディレクトリ内にファイルが生成されたのが分かります。
⑤Program.csを確認
作成された「Program.cs」を確認すると以下の内容が記載されています。
// See https://aka.ms/new-console-template for more information
Console.WriteLine("Hello, World!");
⑥プログラムの実行
このコマンドを実行します。
dotnet run
コマンド実行後、コンソールには「Hello, World!」が表示され、
appディレクトリ内には新しいファイルが生成されています。
コマンドを実行することでSDKがプログラムをビルドし、実行できる形にしてくれた結果が生成されたファイルになります。
C:\dev\app\bin\Debug\net6.0に「app.exe」が生成されていますが、Windows上であれば直接実行することができます。
現時点では「Hello, World!」を表示して終わるプログラムなので一瞬コマンドプロンプトが現れるだけかと思います。
コンソールから「app.exe」を実行したい場合は以下のコマンドを実行します。
.\bin\Debug\net6.0\app
最初に実行した結果と同じになります。
⑦プログラムを編集する
一行追加した形に編集します
// See https://aka.ms/new-console-template for more information
Console.WriteLine("Hello, World!");
Console.ReadLine();
この状態で再度以下のコマンドを実行します。
dotnet run
編集前とは違い、Enterを押下しなければプログラムが終わらないようになりました。
この状態であればexeを直接実行しても一瞬でコマンドプロンプトが終了しなくなります。
.NETの開発準備
VisualStudioCodeで開発を行うのであればExtensionで機能を追加することをお勧めします。
C#で検索すると様々なプラグインが表示されます。
Microsoftが提供しているプラグインを入れておけば開発の補助をしてくれます。
プラグインの設定後、「Program.cs」でどのような効果があるか確認します。
プラグインの効果例
「Program.cs」の最終行に
Console.
を記載してください。
「PROBLEMS」というタブをクリックするとエラーが表示されます。
これはソースコードが不正の状態であり、エラーの詳細情報が表示されます。
もっと膨大なソースコードの場合、どの行でエラーが発生しているかすぐにわかるため、
とても便利な機能になります。
また、Console. の右端にテキストカーソルを当てた状態で「Ctrl + スペース」を押下すると
以下のように予測変換を出してくれます。
このConsole. の後に続く記載方法の候補を出してくれることでコーディングのスピードも上がります。
まとめ
簡単にですが最新の.NET 6を使用して開発環境を整える手順を記載しました。
私の場合、VisualStudioという高性能なツールを当たり前のように使用していたこともあり、VisualStudioがないと開発できないと思っていました。
※特に.NET系の言語に関しては
今プログラミングの勉強している方で、「自分の取り巻いている環境や使用しているツールがなければ何も出来ない」と考えている方は少し視点を変えてみるのも良いかもしれません。
コストをかけなければ成立しない環境などは間違いなく存在しますが、一切挑戦しない理由にはならないと思います。
何事も調べながら試すことが最初の1歩になるので今後も様々な分野を知って試してを繰り返せたらと思いました。
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