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フーリエ変換と仲間たち

2025/02/21に公開

可換群

非可換の理論はあまり知らないので、可換の場合について書きます

A を可換 (位相) 群とします。位相は「いい感じにつながっている」くらいの意味なので、ここでは無視します。可換群の例としては、まず

  • \mathbb{R} (実数)
  • \mathbb{Z} (整数)

があります。これらは、足し算ができて a + b = b + a (可換性) なので可換群です。他にも

  • \mathbb{Z} / n = \{ 0, 1, \dots, n - 1 \} (n で割った余り)

n で割った余りをとりながらの足し算ができて、その足し算は可換になります。また

  • S^1 (円周)

も 1 周すると元に戻るような足し算を考えると可換群になります

可換群はこれで全て?

n 次元ベクトル空間 \mathbb{R}^n なども可換群ですが、適当な制限を付ければ、上で挙げた 4 つの群の直積で書けます。もちろん \mathbb{R}^n = \overbrace{\mathbb{R} \times \dots \times \mathbb{R}}^n です

可換 Lie 群 GG / G_0 が有限生成が条件です
https://pablopie.xyz/2023/03/10/classification-of-abelian-lie-groups.html

双対群

可換群は相方 (双対群) を持ちます。可換群 A の相方を \widehat{A} と書きます。双対群の定義はしませんが、上の 4 つは

\begin{aligned} \mathbb{R} &\longleftrightarrow \mathbb{R} \\ \mathbb{Z} &\longleftrightarrow S^1 \\ \mathbb{Z} / n &\longleftrightarrow \mathbb{Z} / n \end{aligned}

のような関係にあります。\longleftrightarrow は互いに双対であることを意味しています

\widehat{A \times B} = \widehat{A} \times \widehat{B} です

本題のフーリエ変換

一言で言えば、フーリエ変換とは A 上の関数と \widehat{A} 上の関数の 1 対 1 対応です

フーリエ変換を使うと、A 上の関数に対する操作は、\widehat{A} 上の関数に対するある操作と対応するはずですが、この時に面白い性質が見つかることが多いです

\begin{aligned} \text{微分} &\longleftrightarrow \text{座標関数の掛け算} \\ \text{点ごとの積} &\longleftrightarrow \text{畳み込み積} \end{aligned}

1 つ目は微分方程式を解くのに使えますし、2 つ目は高速フーリエ変換 (FFT) につながります

次は原始根の話と繋げようと思います、、

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