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Cursorを3週間使った所感・Clineとの違いまとめ

2025/03/01に公開

はじめに

どんな人向けの記事?

  • CursorとClineの比較を知りたい方
開発環境
Ubuntu 24.04.1 LTS (Core i5-8400 + メインメモリ 16GB) # そろそろ買い替えたい

概要

3週間ほど前、ニケちゃんさんが公開していたCursorのリファラルコードを使わせていただき、1ヶ月間Cursorを無料で使用できることになった。※6名しか紹介できない仕様らしいので、早めに登録できて運が良かった。

本記事では、3週間程度Cursorを使ってみての所感とClineとの違いについてまとめる。ただし網羅的な比較というよりは、私が使ってみて特に記憶に残っている箇所だけに留めている。

また、できるだけ忖度なしで良いと感じたところ、今ひとつだと感じたところを記載する。

基本的なCursorの使い方については無数に紹介記事があるが、例えば下記の記事を参照されたい。

https://note.com/nike_cha_n/n/ndf25541beba2

https://note.com/nike_cha_n/n/nd0f7566019ae

Cursorで良いなと思ったところ

ちなみに、執筆時点でのCursorのバージョンは0.45.14。YOLOモードは暴走が怖いのでオフにして、Composer(agent)モードを使用している。

提案されたコマンドを編集してから実行できる

これはかなり便利だと感じた。なぜなら、このコマンドを打ったらエラーが出るとわかってるコマンドを打ってほしくないから。この例の他にも、pythonの仮想環境でuvを使いたいときなど、少し編集して実行できると嬉しい。

https://x.com/gosrum/status/1890969177063632989

Acceptする前に動作チェックができる

Clineでは、Acceptするまで動作検証ができなかったはず。CursorではAcceptする前に動作検証ができるので、その結果を見てからAcceptするかどうかを判断できるのが使いやすいと感じた。

Claude 3.7 Sonnetが使い放題?

これは正直ナーフされる可能性がかなり高いと感じているが、2025/3/1現在では高速リクエスト枠を使い切ったあとも、低速でClaude 3.7 Sonnetを使い続けられるらしい。この状態が続く限り、私個人のユースケースにおいては20ドルのサブスクを払う価値は十二分にあると感じる。

https://x.com/akira_papa_IT/status/1895649641116680363

Cursor Tab

Cline自体には補完機能がないので、比較するとしたらCopilotとの比較になってしまうが、Cursor Tabの方がなんとなく意図を汲み取って補完してくれていると感じた。ただこれはかなり主観的なものなのであまり参考にならないかも。

Cursorでいま一つだと感じたところ

UIが分かりづらい

これは完全に好みや慣れの問題もあると思うが、正直直感的に使えるUIとは感じなかった。
なんというか、Clineでは直感的に使えた機能がCursorではどうやれば実現できるのだろう?とか、そもそもその機能があるのだろうか?という感想を抱くことが多かった。まあこれはClineに慣れていたせいもある。

細かいが、Composerモードがデフォルトでnormalになっているのも、少し不便に感じた。途中でagentモードに切り替えることもできないので、あれ?なんでファイルの編集やコマンドの実行ができないんだ?となることが頻繁にあった。

コマンドログを貼り付けただけではsubmitできない

これも細かい話になるが、ターミナルの出力結果の一部を会話ウィンドウにコピペしてエンターという操作ができないのが不便に感じた。

どうもCursorではターミナルの出力が添付ファイル扱いになってしまうようで、本文がないとsubmitできない模様。まあ一言「デバッグして」、と書けばよいのだがそのひと手間が、エージェントとしての評価を少しだけ下げてしまう。

Ctrl+Shift+Vで貼り付ければ添付にならない(2025/3/2追記)

kitakituneさんから、Ctrl+Shift+Vで貼り付ければ添付にならないという情報をいただきました。情報ありがとうございます!

https://x.com/kitakitune_ai/status/1895952332623577414

Planモードがない

Clineでは、Plan/Actモードの切り替えがボタン一つでできる。

しかもこのPlanモードはめちゃくちゃ優秀だと感じていて、ファイルを編集しないことは当然として、計画時に実装上の疑問点を明確にするための質問を必要なだけしてくれる。

これによって、ソースコードの実装がある程度進んだ段階で想定と異なる結果になる、といったことが起こる確率が激減し、所望の開発が成功しやすくなる。

しかし、このモードがCursorにはない。おそらく、rulesファイルに何かしら記述することで似たようなことはできるはずだが、それは直感的なUIとは言い難いと感じる。

その他気になった点

CursorではAcceptする前に複数ファイルの編集を行う

これは時短という意味で嬉しい機能であるが、想定と違う実装を最後まで続けてしまうというデメリットにもなりうる。上記のPlanモードで認識合わせができることを前提とすれば、Approveする前に動作検証ができるため、基本的にはメリットの方が大きいだろう。

一方Clineでは、Auto Approveの設定をしていない場合、ファイルを1つ編集するたびに承認を求められる。認識の齟齬を回避する目的においてはこの確認は嬉しいが、コードの中身を理解できない場合や複数のファイルを編集しないと動作検証できない場合は、この承認作業にはあまり意味がなく煩わしいだけである。

Cursorではトークン数がわからない

Clineではこれらがひと目見てわかるUIになっているので、そろそろ次の会話に移るべきか否かの判断がしやすい。

Cursorではトークン数がわからないので、ついつい一つの会話が長くなる傾向がある。

本記事の比較まとめ表

本記事でのCursorとClineの比較をまとめた表を下記に示す。

項目 Cursor Cline
コマンドを編集してから実行できるか?
★Acceptする前に動作チェックができるか?
★Claude 3.7 Sonnetが使い放題? ○($20/月で使い放題?) △(従量課金)
Tab(補完機能) ○(Copilot)
UIのわかりやすさ
コマンドログのコピペ実行 △(Ctrl+Shift+V) ○(Ctrl+V)
★Planモードの有無
トークン数の情報が可視化されているか?

★:個人的に重要度が高いと感じる項目

そもそもCursorとClineは比較すべきものなのか?

そもそもCursorはエディタでClineはエディタの拡張機能に過ぎないため、本来は比較すべきものではないかもしれない。

ただアプリケーション開発という観点では、Cursorは少し玄人向けというか経験者向けに感じる。というのも、もともとコードが読めてある程度書ける人にとってみれば、Cursorはエディタを使って開発する人間をサポートするAIなのかなと感じる。

一方Clineはエディタにそこまでの価値を見出していなくても使える設計になっていて、どちらかというと差分が見やすいとか、文法エラーをエディタ側で自動で検出してくれるとかその程度しかエディタの必要性を感じない。

一時期Xでは論争が巻き起こっていたときもあったが、どちらが良いかは人によるし、Open/Close戦略も違えば価格設定も全然違うので、正直どちらを選ぶべきかという論争は不毛な争いでは?と感じていた(今季アニメの覇権は○○だ!いや☓☓だ!みたいな論争と似た空気)。

使いたいと思ったときに、使いたいものを使いたい分だけ使う。ツールに限らず生成AI全般に対して、そのぐらいの距離感で良いのでは?と私は思う。

まとめ

今回の記事では、Cursorを3週間使った所感とClineとの違いについてまとめました。

それで結局Cursorのサブスクを続けるべきか?という質問に対しては、Claude 3.7 Sonnetが使い放題なら契約を続けたい、使い放題でない場合は要検討というのが答えになります。

ただ、直近は上述したようにClaude Proの年間プランに課金してしまったので、当面はそれで開発を続けられるか検証する予定です。そのため、今後はClaude Desktop関連の記事が増えるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もぜひよろしくお願いします。

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