👌

AIによる音楽制作

2025/02/27に公開1


はじめに

近年、AI(人工知能)は多くの業界で革新的な進展を遂げており、音楽業界もその例外ではありません。AIは、作曲や編曲を支援するだけでなく、音楽制作のプロセスを改善する役割も果たしています。その中でも注目すべきツールの一つが、GoogleのMagentaというライブラリです。このライブラリは、AIを使って音楽を作成するための深層学習モデルを提供しています。

この記事では、Magentaとその中のMusicVAEというモデルを使って、シンプルなメロディを作成する方法を紹介します。それでは、始めましょう!


MagentaとMusicVAE: AIによる音楽制作

Magentaは、Googleが開発したオープンソースのライブラリで、音楽制作や芸術的な創作におけるAIの活用を研究するためのツールです。このライブラリは、音楽を生成するために深層学習モデルを使用しています。その中で注目されているのが、MusicVAEというモデルです。このモデルは、短いメロディを生成する能力を持ち、リクエストに応じて音楽を作り出します。

Magentaは、ミュージシャンやクリエイターが音楽を試作する際に新しい可能性を開き、これまでにない音楽を作り出す手助けをしています。あなたも、Pythonの数行でメロディを作成し、AIによって生成された音楽を楽しむことができます。


MagentaとTensorFlowのインストール

まず初めに、MagentaTensorFlowをインストールする必要があります。Pythonがインストールされていることを確認し、以下のコマンドでインストールします。

pip install magenta
pip install tensorflow

インストールが完了したら、Magentaを使って音楽を作成する準備が整います。


MusicVAEを使ってメロディを生成する

ここでは、実際にMusicVAEを使って簡単なメロディを生成し、そのメロディをMIDIファイルとして保存する方法を紹介します。

import magenta
from magenta.models.music_vae import TrainedModel
from magenta.models.music_vae import configs
from magenta.music import sequence_proto_to_midi_file
import tensorflow.compat.v1 as tf
import os

# TensorFlowのeager executionを無効にする(Magentaで必要)
tf.disable_eager_execution()

# MusicVAEの設定を選択
config_name = 'cat-mel_2bar_big'
config = configs.CONFIG_MAP[config_name]
checkpoint_dir = os.path.expanduser('~/magenta-models/music_vae/cat-mel_2bar_big')
model = TrainedModel(config, batch_size=1, checkpoint_dir_or_path=checkpoint_dir)

# 新しいメロディを生成
z = model.sample(n=1, length=80)  # 80ステップのメロディを生成
sequence = model.decode(z, length=80)  # 解読してメロディを作成

# メロディをMIDIファイルとして保存
midi_file_path = 'generated_music.mid'
sequence_proto_to_midi_file(sequence[0], midi_file_path)

print(f"音楽を作成し、次の場所に保存しました: {midi_file_path}")

コードの解説

  1. MusicVAEモデルの読み込みと設定:

    • このコードは、Magentaから提供されている事前トレーニング済みモデルを読み込んでいます。ここでは、cat-mel_2bar_bigという設定を使用しています。このモデルは2小節の短いメロディを生成するために設計されています。
  2. メロディの生成とデコード:

    • model.sample(n=1, length=80)を使用して、AIに80ステップのメロディを生成させます。
    • model.decode(z, length=80)は、生成されたデータを音楽として解読し、実際に聞くことができるメロディに変換します。
  3. MIDIファイルへの保存:

    • 最後に、生成されたメロディをMIDI形式で保存します。MIDIファイルは、sequence_proto_to_midi_fileを使って保存され、他の音楽ソフトウェアで開くことができます。

コードを実行して結果を聞いてみよう

このコードを実行すると、generated_music.midという名前のMIDIファイルが作成されます。MIDIファイルは、次の音楽ソフトウェアで開いて、AIが生成した音楽を聞くことができます。

  • VLCメディアプレイヤー: MIDIファイルを直接開いて再生します。
  • GarageBandやAbleton Live: MIDIファイルをインポートして編集したり、他の楽器と組み合わせて音楽を完成させたりできます。

拡張と改善の可能性

  • メロディの長さやスタイルを調整: length=80の値を変更することで、生成されるメロディの長さを変更できます。また、他のMagentaモデルを使用して、異なる音楽スタイルを試すことも可能です。
  • 音楽制作ソフトウェアとの連携: AIで生成された音楽は、FL StudioLogic Proなどのソフトウェアでさらに編集したり、エフェクトを追加したりすることができます。

まとめ

  • Magentaは、AIを使って音楽を生成する強力なツールです。
  • MusicVAEは、Magenta内で短いメロディを生成するためのモデルです。
  • AIによって作られたメロディは、MIDIファイルとして保存され、他の音楽ソフトウェアで編集や再生が可能です。

最後に

AIによる音楽制作は、音楽業界に新しい風を吹き込んでおり、Magentaはその素晴らしいツールの一つです。AIが生成した音楽を使って、音楽制作の新たな可能性を開拓してみませんか?ぜひ、自分自身でメロディを作ってみて、どんな音楽が生まれるか試してみてください。


この記事が役立ったら、コメントを残してください!あなたのAI音楽制作の体験をシェアしてくれるのを楽しみにしています。


Discussion

ぬ

python,magenta,tensorflowのバージョンを教えていただきたいです