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WindowsでMCPホスト

に公開

はじめに

LLM の進歩は素晴らしいですね。2025/11/12 には、GPT-5.1、11/18 には Gemini 3.0、11/24 には、Claude Opus 4.5 が続けてリリースされました。この3つはそれぞれ得意、不得意もあるのでしょうが、ほぼ横一線というのが結果をみた感想です。

2025年は「AI エージェント元年」と呼ばれていて、自律的にタスクを計画・実行する「AI エージェント」の基盤技術として LLM が活用され、外部ツールや他の機能と連携することで、業務の自動化や最適化がさらに進んでいます。と Gemini が教えてくれました。

とはいえ、私の会社の Windows PC には、AI エージェントの気配が全くなく、そろそろヤバいかなということで、MCPホストとして使えるAIツールの皆さんにAIエージェントっぽいところを見せていただきましょうという記事です。

弊社の開発チームのみなさんが、データカタログ Mashu の MCP サーバーをリリースしたタイミングでもあり、そのテストと検証を兼ねてという裏事情もあります。

やってみた

比較対象

Gemini に相談して、以下をラインナップ。Claude Desktop 以外は開発ツール色が濃ゆい。
5種類とも全て無料でも使用できます(のでお試しください(Mashu もね))。

  • Claude Desktop
  • Gemini CLI
  • VSCode
  • Cursor
  • Google Antigravity

「Microsoft Copilot は?」というお客様の声もお聞きしますが、ご本人の Microsoft Copilot さんに聞いてみたところ、「Copilot は、チャットベースのインターフェースで動作しており、外部の MCP サーバーやプロセスを直接起動・接続することはサポートしていません。」とのことなので、対象外ということで、エントリーしませんでした。

インストール

今回の環境は、Surface Go 3 というどちらかというと非力な Windows PC で、設定>システム>バージョン情報 に表示されている情報は、以下のとおり

  • ストレージ: 119 GB
  • グラフィックスカード: Intel UHD Graphics 615 128 MB
  • 実装 RAM: 8.0 GB
  • プロセッサ: Intel(R) Core(TM) i3-10100Y CPU @ 1.30GHz (1.61 GHz)

同じく、Windows の仕様は、以下のとおり

  • エディション: Windows 11 Pro
  • バージョン: 25H2

Claude Desktop

Claude Desktop は、こちらのページからダウンロードできます。
インストーラ形式の Claude Setup.exe がダウンロードできますので、普通に入れてください。

Gemini CLI

Gemini CLI は、こちらのページを見ながらインストールします。
前提条件として、Node.js のバージョン 20 以降が必要です。Node.js のインストールは、こちらのページを参照してください。

最初のページのとおりですが、Node.js がインストールされている環境では、以下のようにインストールしてください。

npm install -g @google/gemini-cli

VSCode

Visual Studio Code は、こちらのページからダウンロードできます。
選択した種類のインストーラなどの資材をダウンロードしたら、インストールしてください。ダウンロードした後に表示されるページにドキュメントもあります。

Cursor

Cursor は、こちらのページ(右上のボタン)からダウンロードできます。
インストーラ形式の CursorSetup-x64-x.x.x.exe がダウンロードできますので、普通に入れてください。ドキュメントはこちらです。

Google Antigravity

Google Antigravity は、こちらのページ からダウンロードできます。
インストーラ形式の Antigravity.exe がダウンロードできますので、普通に入れてください。ドキュメントはこちらです。

MCPサーバの設定

今回、使用する MCP サーバーは、弊社のデータカタログ SaaS の Mashu の MCP サーバーで、データカタログからベクトルとキーワードのハイブリッド検索を実行して、各 AI ツールが MCP ホストとなり、ユーザーからのリクエストがデータに関するものであれば、対象を絞り込むことができます。Mashu の MCP サーバーはローカルにインストールする標準入出力タイプです。

Mashu は、こちらのページから、また、MCP サーバー機能については、こちらのページに記載がありますが、お気軽にお問い合わせください。

ここでは、ダウンロードした Mashu の MCP サーバーの保存先は、C:\Demo\ai\mashu-mcp.exe とします。

Claude Desktop

Claude にサインインしたら、以下のメニューから 設定... を選びます。

開発者 タブから 設定を編集 を選びます。

エクスプローラーが claude_desktop_config.json を選択した状態になりますので、このファイルを以下のように編集します。 には、ご自分のものを設定します。

claude_desktop_config.json
{
  "mcpServers": {
    "mashu-ai-search": {
      "command": "C:\\Demo\\ai\\mashu-mcp.exe",
      "args": [
        "-org-id",
        "■■■■-■■-■■-■■-■■■■",
        "-username",
        "■■■■",
        "-password",
        "■■■■"
      ]
    }
  }
}

Gemini CLI

起動する前に、以下のような settings.json を用意します。場所は、Gemini CLI を動かすプロジェクトフォルダ直下の .gemini/settings.json または、ユーザーのホームディレクトリ直下の .gemini/settings.json になります。(Claude Desktop のものと同じ内容です。)

.gemini/settings.json
{
  "mcpServers": {
    "mashu-ai-search": {
      "command": "C:\\Demo\\ai\\mashu-mcp.exe",
      "args": [
        "-org-id",
        "■■■■-■■-■■-■■-■■■■",
        "-username",
        "■■■■",
        "-password",
        "■■■■"
      ]
    }
  }
}

ターミナルで Gemini を起動します。Node.js のバージョンが新しいと punycode警告が出力されますが、無視しても大丈夫です。起動したら /mcp コマンドで確認します。

このように Ready になれば OK です。

VSCode

VSCode は、設定の中から探すこともできるようなのですが、Gemini CLI と同様、先に mcp.json ファイルを用意して設定できます。場所は、VSCode が開くワークスペースかフォルダ直下の .vscode/mcp.json または、ユーザーのホームディレクトリ直下の .vscode/mcp.json になります。書式は、こちらのページを参照ください。

.vscode/mcp.json
{
	"servers": {
		"mashu-ai-search": {
			"type": "stdio",
			"command": "C:\\Demo\\ai\\mashu-mcp.exe",
			"args": [
				"-org-id",
				"■■■■-■■-■■-■■-■■■■",
				"-username",
				"■■■■",
				"-password",
				"■■■■"
			]
		}
	},
	"inputs": []
}

この状態で VSCode を起動して、チャットの ツールの構成... ボタンを押した際に表示されていれば OK です。

Cursor

Cursor も設定の中から探せますが、結局、ファイルに書いてね!になるので、他のツールと同様に mcp.json ファイルを用意して設定します。場所も他のツールと同様、プロジェクトルートかホームディレクトリ直下の .cursor/mcp.json になります。

.cursor/mcp.json
{
  "mcpServers": {
    "mashu-ai-search": {
      "command": "C:\\Demo\\ai\\mashu-mcp.exe",
      "args": [
        "-org-id",
        "■■■■-■■-■■-■■-■■■■",
        "-username",
        "■■■■",
        "-password",
        "■■■■"
      ]
    }
  }
}

この状態で Cursor を起動して、設定画面を開きます。

Tools & MCP タブで、mashu-ai-search を見つけて、OffOn にします。

Google Antigravity

Antigravity もファイルを先に作ることもできますが、Antigravity に対象のファイルを作ってもらう流れでいきます。まず、Antigravity を起動して、Agent パネルの右上の ... から MCP Server を選びます。

MCP Store パネルの右上の Manage MCP Servers を押して、エディタパネルを Manage MCP servers にして、View raw config を押します。

以下のように mcp_config.json の編集画面になります。

ここに以下のように設定します。

mcp_config.json
{
  "mcpServers": {
    "mashu-ai-search": {
      "command": "C:\\Demo\\ai\\mashu-mcp.exe",
      "args": [
        "-org-id",
        "■■■■-■■-■■-■■-■■■■",
        "-username",
        "■■■■",
        "-password",
        "■■■■"
      ],
      "env": {},
      "disabled": false
    }
  }
}

画面が戻ったら、Refresh します。

MCPサーバの実行

評価環境は、少し古い本ですが、「業務知識と情報システム」という書籍に記載されている製造業をモデルに、ほぼ全ての業務を網羅しています。記載されているファイルとその項目の情報をできるだけ原典に忠実に(=私の主観の入らないように) PostgreSQL 上のテーブルとして登録しました。テーブル数は 191 テーブルになりました。

原典で、これらのファイルから出力することになっている帳票を作るために何をすれば良いのか?を AI エージェントに考えてもらうというのがテストシナリオです。チャットの指示は、以下の流れで行いますが、AI エージェントが自分で次の指示まで行う場合は、暖かく見守ります。また、うまくできない場合は、指示を微修正しました。

  1. 営業計画実績対比表を作成したいので、使えそうなテーブルを探してください
  2. 営業会議の資料としたいので、各種マスターデータと結合したいです。必要となるマスターデータも探してください
  3. SQLも作成してください。

紙芝居だとわかりにくいので、動画を掲載します。MCP サーバーの動作に許可が必要な場合は、リハーサル時点で許可したので、1度で良いものは許可を求めるステップが省略されています。

Claude Desktop

Sonnet 4.5 なので、最新・最強ではありませんが、流石、Computer Use や MCP をはじめただけあって、かなり、スムーズに問題を解決できました。

https://youtu.be/CXMLzxeE0UA

Gemini CLI

Gemini CLI では、Gemini 3.0 も使えるのですが、無料ユーザーは待機列に並ばないといけなかったので、今回は、Gemini 2.5 です。

設定があるのかもしれませんが、セッション毎に MCP サーバーの使用許可を求められます。また、Mashu の AI 検索では検索条件にヒットしたもののうち何件を返すか?を Limit で指定できるのですが、Gemini CLI は、Limit=1 にして、たくさん来ないようにしてるのか、俺の期待しているものを返せという感じの探し方が特徴的でした。その分、検索回数と検索時間が他のものより多くなりました。

https://youtu.be/xeUvKLZv1r8

VSCode

VSCode の場合は、Github Copilot を使うため、Github の認証を求められます。

設定のところでもご覧いただいたように、他のツールも設定されていて、すぐにインターネットに出かけようとするので、「Mashu で」というキーワードを投入しました。それでも違うツールを使おうとする場合もありました。

https://youtu.be/B-k_vWXvDR4

Cursor

Cursor は、無料ユーザーの場合は、使えるモデルが限られているので、Auto を選択しました。

Github Copilot とは異なり、流石、開発ツールというべきか、プロジェクトフォルダー中のファイルを探したくて仕方ない感じなので、こちらも「Mashu で」というキーワードを投入しています。また、検索結果としてデフォルトの5件が返ってくると、不要なものを排除せず、できるだけ活かそうとしているように見えました。その分、最終結果がぼやけてしまうので、SQL は要求しませんでした。

https://youtu.be/yCy0BdCqjic

Google Antigravity

こちらは、太っ腹に Gemini 3.0 Pro です。

Antigravity は、LLM が考えた軌跡をファイルに残してくれるので、かなり実用的というか実践的なツールになっています。
また、Gemini 3.0 Pro だからかもしれませんが、よく考えていて、特に、従業員マスタとして、どのテーブルを使うべきか、考えられる様々な名前で何度も検索をして見落としの無いようにしているのが印象的でした。

https://youtu.be/ucWUB5BK0Wg

おわりに

なかなか素晴らしい結果でした。しかも 2025年は「AI エージェント元年」ということなので、来年以降も LLM の推論が早く、深くなればなるほど優秀なエージェントになることは確実なので、すぐにでも実業務に導入すべきタイミングと言えるでしょう。

プログラマー以外の人の業務にも AI エージェントが浸透していくには、ツールも変わっていく必要もあるのかもしれませんが、2018年ごろに DX というワードが使われ始め、全てのホワイトカラーの仕事はデジタルとデータを活用する業務に代わると言われていた頃、ホンマかいな?と思っていましたが、こういうツールを使うのが当たり前という姿になっていくとすれば、そのとおりだなと思います。

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