Live2Dの代替？Inochi2DでAI生成キャラをアバター化してみた
はじめに
VTuberやAITuberのアバターを作りたいと思ったとき、まず思い浮かぶのはLive2Dではないでしょうか。しかしLive2Dは商用利用に制限があったり、無料版には機能制限があったりと、まぁ正直問題はないけど少し不安に思うところがあると思います
そこで今回は、オープンソースのInochi2Dを使って、AI生成イラストからアバターを作る方法を紹介します。
Inochi2Dとは
Inochi2Dは、Live2Dのようなレイヤーベースの2Dアニメーションを実現するオープンソースプロジェクトです。
Live2Dとの違い
| 項目 | Live2D | Inochi2D |
|---|---|---|
| 価格 | 有料（無料版あり） | 完全無料 |
| ライセンス | プロプライエタリ | BSD-2-Clause |
| 商用利用 | 制限あり | 制限なし |
| ソースコード | 非公開 | 公開 |
Inochi2Dでできること
Inochi2Dでは以下のような機能が利用できます。
- メッシュ変形: パーツをメッシュ化して自然な動きを実現
- ボーン・物理演算: 髪や服などに物理演算を適用して揺れを表現
- 表情差分: 目や口のパーツを切り替えて表情を変化
- パラメータ制御: 各パーツの動きをパラメータで制御し、トラッキングソフトと連携
また、パーツ分けの考え方はLive2Dとほぼ同じです。Live2Dの経験がある方はスムーズに移行できますし、Live2D向けのパーツ分けチュートリアルもそのまま参考にできます。
実践：AI画像からアバターを作る
以下の流れでアバターを作成しました。
- nano-bananaでキャラクターイラストを生成
- Kritaでパーツ分け
- Inochi2D Creatorでアバター化
1. nano-bananaでキャラ生成
まずはnano-bananaを使ってキャラクターイラストを生成します。
こんな感じのプロフィールで生成
### 📋 基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| **名前** | シルフィア・ムーンウィスパー |
| **愛称** | シィちゃん、シルフィ |
| **配信者名** | 月囁きのシルフィア |
| **年齢** | 237歳（エルフ年齢）/ 人間換算20代前半 |
| **出身** | 異世界「エターナルフォレスト」 |
| **種族** | 森エルフ |
| **転生時期** | 現代に来て半年 |
| **身長** | 165cm |
| **特徴** | 長い銀髪、エメラルドグリーンの瞳、とがった耳 |
---
### 🎭 性格・キャラクター
#### 基本性格
- **好奇心旺盛** - 現代の全てが新鮮で興味深い
- **天然ボケ** - 現代知識の欠如から生まれる天然発言
- **負けず嫌い** - 狩人としてのプライドが高い
- **純粋** - 素直で裏表がない
- **仲間思い** - 視聴者を大切な仲間として扱う
#### 特徴的な行動
- 興奮すると耳がぴくぴく動く
- 集中すると無意識にエルフ語が出る
- 自然に関することには異常に詳しい
- 機械トラブルを精霊のせいにする
- 深夜配信で「月が綺麗だから」と理由をつける
2. Kritaでパーツ分け
Kritaとは
Kritaはオープンソースで開発されている無料のペイントソフトです。Windows、macOS、Linuxに対応しており、プロ向けの高機能なツールが揃っています。
生成したイラストをKritaで開き、パーツごとにレイヤー分けしていきます。
この際に隠れてる部分を指定してnano-bananaに生成させるのもかなり有効です。
（かなりというかほぼその作業）
3. Inochi Creatorでの組み立て
パーツ分けが完了したら、Inochi Creatorでアバターを組み立てていきます。
パーツの読み込み
Inochi CreatorはPhotoshopのPSDファイルだけでなく、Kritaのネイティブ形式であるKRAファイルのレイヤー読み込みにも対応しています。そのため、無料のKritaでパーツ分けしてそのまま読み込めます。
左右に向ける際などは事前に左右に向いた画像をnano bananaで作成して
それに合わせるとかもかなりおすすめです。
4. 動かしてみる
かなり軽い感じでパラメータの設定も自分でできるので
自由度の高さもかなり高いです。
最初はパラメータやメッシュにクセを感じますが慣れればかなり楽になります。
Inochi2Dのメリット
実際に使ってみて感じたInochi2Dのメリットをまとめます。
完全無料・オープンソース
Live2Dとは異なり、Inochi2Dは完全に無料で使えます。商用利用の制限もないため、収益化を考えているVTuber活動にも安心して使えます。
WebAssembly対応（Inox2D）
Inox2Dを使えば、ブラウザ上でInochi2Dモデルを表示できます。これにより、Webベースのアプリケーションやゲームにも組み込みやすくなっています。
まとめ
今回はInochi2Dを使って、AI生成イラストからアバターを作る方法を紹介しました。
- nano-banana: AI画像生成（無料）
- Krita: パーツ分け（無料・オープンソース）
- Inochi2D: アバター化（無料・オープンソース）
参考リンク
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