Minecraft Win10 (BE/統合版) でチャンク境界/信号強度/明るさ表示、暗視のシェーダーを導入する
はじめに
Minecraft Bedrock Edition (統合版/以下BE) はRTX Ray Tracingに対応するため、描画エンジンを glsl/hlsl
から Render Dragon
という独自のものに切り替えました。
これに伴い旧来のシェーダーは一切使えなくなり、信号強度、チャンク境界の表示、暗視も含む、従来のシェーダーは使えなくなってしまいました。
Mojangは Render Dragon
でもシェーダーの開発をサポートすると表明していますが、2022/112023/2現在全く音沙汰がありません…
しかし、中国の方が描画エンジンのファイルを編集してシェーダーを開発するツール(MaterialBinTool)を制作してくださり、それを使ったシェーダーが公開されています。
これらのシェーダーをWin10版で入れる方法に辿り着くのが大変だったので残しておきます。
この記事では Useless Shader を主に紹介しますが、他のシェーダーも同様の方法で導入できます。
Useless Shader
とても"Useful"なシェーダーです。
信号強度、チャンク境界を表示できます。また、それらに暗視がついているバージョンもあります。
中国の方が開発してくださったもので、GitHubで公開されています。
- チャンク境界 (Chunk Border)
チャンク境界がブロックに表示される。(スクリーンショットの青い線) - 信号強度 (Signal Strength)
レッドストーンダストに信号強度が表示される。 - 明るさ表示 (Light Level)
明るさがブロックに表示される。
左の大きい数字がBlock Light
(松明など光源からの明るさ)、右の小さい数字がSky Light
(時間によって変わる空の明るさ)。
数字の色は(オーバーワールドで)モンスターが湧く明るさ(0)なら赤で、それ以上なら緑で表示される。 - 暗視 (Night Vision)
実際の明るさに関わらず明るく表示される。暗視ポーションよりも強力。
ファイルの準備
必要なソフト、ファイルをダウンロードします。
Useless Shader
2023/2更新
Releasesから最新のバージョン(2023/02/19時点では useless shaders for render dragon v0.3)の Assets
から、以下から1つ選んでダウンロードしてください。
-
RenderChunk.material.bin_default
チャンク境界 + レッドストーン信号強度 -
RenderChunk.material.bin_LIGHT_OVERLAY
チャンク境界 + レッドストーン信号強度 + 明るさ -
RenderChunk.material.bin_NIGHT_VISION
チャンク境界 + レッドストーン信号強度 + 暗視 -
RenderChunk.material.bin_NIGHT_VISION_LIGHT_OVERLAY
チャンク境界 + レッドストーン信号強度 + 明るさ + 暗視
ダウンロードしたら、どのファイルかによらず _
以降の末尾を消して、ファイル名を RenderChunk.material.bin
に変更してください。
IOBit Unlocker
中国(香港?)のIObit Information Technology社が無料で配布しているファイルのロックを解除するソフトです。
BE Win10 EditionはUWPアプリ(Microsoft Storeからインストールするソフト)なので、Windowsによって保護されていてファイルを編集するのは難しいです。
ファイル/フォルダの所有者や権限を変更したり、robocopyコマンドを使ったりしても、閲覧/削除はできても編集はできませんでした。
さらに、デュアルブートしたLinuxから編集しようとしてもフォルダが見えませんでした。
このソフトを使うことで無理矢理ロックを解除して編集できますが、安全性に疑念があるようです。使用は自己責任でお願いします。
使用する場合、次の公式サイトからダウンロードして、インストーラーの指示に従ってインストールしてください。
描画エンジンの編集
元ファイルのバックアップ
まず、描画エンジンの元ファイルをバックアップします。
(しなくても構いませんが、元に戻したい際、Minecraftを再インストールする必要があります)
C:\Program Files\WindowsApps\Microsoft.MinecraftUWP_[version]\data\renderer\materials\RenderChunk.material.bin
をドラッグしてIOBit Unlockerに追加します。
解除の右のドロップダウンリストから解除&コピーします。
「コピーしたオブジェクトの転送先フォルダを選択してください。」と表示されるので、適当な場所に保存してください。
元ファイルの削除
次に、元ファイルを削除します。
同様にファイルをIOBit Unlockerに追加し、解除の右のドロップダウンリストから解除&削除します。
一度IOBit Unlockerを終了して再度起動してください。
シェーダーの適用
最後に、Useless Shaderのファイルを元のファイルを置き換えるようにコピーします。
ダウンロードした RenderChunk.material.bin
をIOBit Unlockerに追加します。
解除の右のドロップダウンリストから解除&コピーします。
「コピーしたオブジェクトの転送先フォルダを選択してください。」と表示されるので、C:\Program Files\WindowsApps\Microsoft.MinecraftUWP_[version]\data\renderer\materials
を選択してください。
Minecraftの起動
以上でシェーダーの導入は完了です。
BEを通常通りの方法で起動してください。機能が反映されているはずです。
描画エンジンを直接編集しているので、シングル、マルチともに機能します。
他のシェーダー
同様の方法でRender Dragon向けに開発されたシェーダーもこの方法で入れることができます。(複数のシェーダーは基本的に同時に使用できません)
シェーダーによっては編集する .material.bin
ファイルが複数あることもあるので、すべて削除してから移動するよう注意してください。(IOBit Unlockerは複数ファイルを同時に選択して操作できます)
Musk Rose RD
日本のRinさんが開発されたシェーダーです。Render Dragon導入前からこの方の他のシェーダーを使用していましたがとても綺麗です。
同様にReleasesからダウンロードできます。
Musk_Rose_RD_Base.mcpackも適用する必要があるので注意してください。
参考
Elsa55さんの動画を参考に、というか全く同じ方法です。ありがとうございました。
英語ですが文章でわかりにくい部分があれば見てみてください。
また、上記の動画はさきほど紹介したシェーダーの説明で見つけました。それまで何してもダメだったのでありがたい限りです…
(Android/iOS向けの解説動画のリンクもあります)
最後に
何かわからない部分やエラーなどがあればできる限り対応しますのでコメントしてください。
Discussion
IOBit Unlockerを通さずにRenderChunk.material.binを削除、追加ってできますか?
おそらく方法は何かあると思いますが、私はIOBit Unlocker以外見つけられませんでした…