個人開発のアプリを月額収入1000円・MAU300人・20ヵ国以上で使われるまで育てるためにやったこと
こんにちは!私は約1年前(2021年4月)に初めて個人開発したiOS・Androidアプリ「Warikani」をリリースしました。それ以来機能追加やデザイン改善を続けて、ゆっくりですがユーザ数も伸びて、執筆時点(2022年5月)ではタイトルのとおりMAU300人程度・20ヵ国以上で使われるようになりました[1]。
この記事では、 これまで行った施策で効果的だったこと・効果的ではなかったこと を挙げていこうと思います!
ちなみに、MAU300人が世間的に見たら弱小アプリなのは承知しています。ただ、「自分が作ったものが知らない人にも使われて、役に立っている!」 という手応えを味わうには十分な数字です。例えば見知らぬユーザからアプリストアでレビューがついたり、問い合わせや要望が来たりします。
そのため、アプリをリリースしたい・リリースしたけれど伸ばし方がわからない開発者には参考になる部分があるかと思います!
また、MAU300人で満足しているわけではなく今後も伸ばしたい思っているので、効果的な施策があったらぜひ知りたいです。笑
前提
- Warikaniは広告収入型の無料アプリです。課金が必要なアプリの場合は、基本の注意点は共通している一方で集客のハードルがかなり上がるのではないかと思います。
- この記事は「何を作るか」がテーマではないので「何を作るか」の話は詳しくしませんが、個人的には 「自分(または身近な人)の課題を解決できる」✕「既存で良いアプリがない」 の掛け合わせが見つかると最高だと思います。
- 「自分(または身近な人)の課題を解決できる」:まず自分が使いたいと思うアプリを愚直に作って、ベータ版でドッグフーディングをするのが良いと思います。UIUXの改善点を見つけやすいし、長期的に改善しようというモチベーションになります。
- 「既存で良いアプリがない」:同じジャンルのアプリがない真のブルーオーシャンを見つけるのは大変かもしれません。それでも、既存アプリだと微妙に不便だな、と思う課題を解決できると良いと思います。Warikaniに関しても、似たような会計アプリはたくさんありますがグループでの旅行向けだったり、デザインがあまり洗練されていなかったりするものが多い印象でした。「ふたりで・長期的に・様々な通貨で」快適に使えるアプリが見つからなかったので作りました。
それでは、本題に入ります。
効果的だったこと
国際化対応
Warikaniは日本語と英語で提供していて、世界中の20通貨に対応しているため、様々な国で使用可能です。多言語対応することでアプリを使える人数が格段に増えるので、日本に特化した内容のアプリでなければやるのをおすすめします!
英語対応する際に英語に自信がなければ、多少コストがかかっても翻訳やチェックを人に頼むと良いかもしれません。根拠があるわけではないですが、ほとんどの場合、中途半端に対応しても効果が薄そうです(私たちにとって日本語が怪しいサービスはそれだけで信用しづらいと思うので、それと同じです)。
一方で英語対応さえしておけば、英語圏以外のヨーロッパのユーザも使ってくれるなとユーザの内訳を見ていて感じます。
ASO対策
ASOとはApp Store Optimizationの略で、アプリ版SEOのようなものです。具体的には、ストアでアプリを発見しやすくすることでインストール数を伸ばす施策を指します。
ネットで「ASO」と検索すると色々な記事が出てくるので参考にしてみてください。
例:
- 【決定版】ASO対策・ASO施策(アプリストア最適化、SEO、ASOマーケティング、アプリダウンロード対策)で、KPI達成のためにやるべき施策9選<実践編>
- What is App Store Optimization: Ultimate Guide to ASO in 2022
個人的に役に立ったポイントとしては、
-
アプリのタイトルは非常に大事
- リリース時は「Warikani」だったタイトルを途中で「Warikani - ふたり専用の割り勘・家計簿アプリ」に変更しました
-
アプリのスクリーンショットはかなり印象を左右するのでこだわったほうが良い
- 最初はただのスクリーンショットでしたが、途中で知人のデザイナーに良い感じにしてもらいました
-
ストアレビューには返信すべし
- ストア上の評価に直結するかは別として、継続的にメンテされている感が出ます
といった点でした。
上記の改善を実践した結果、具体的な数字は覚えていないですがインストール数が急に伸びました!
ちなみに、多言語で展開する場合は当然ASO対策も多言語で行う必要があるので要注意です。
Analyticsの活用
AnalyticsにはMixpanelを使っています。
初めはFirebase Analyticsを使っていましたが、使いこなせず乗り換えました。使いやすくて必要な数値が取得できれば何のツールでも良いと思いますが、Mixpanelはダッシュボードの操作が直感的で個人的にはオススメです。
Analyticsツールを使う理由は、MAUやユーザの属性の内訳を確認できて楽しいのもありますが、一番の理由はUX改善の手がかりになることです。
例えば、アプリを使い始めたユーザがオンボーディングの各ステップでどれくらい離脱しているかを見ることで、「このステップは面倒くさいのかも・分かりづらいのかも」などと想像して改善できます。
友人・知人への周知
アプリをリリースしたら、少し照れくさくてもFacebookなどSNSに投稿したり、友人に話したりしましょう。
私の場合はウェブマーケティングを仕事とする友達が使ってくれたので、ASOなどに関して有益なフィードバックをもらえて大変助かりました。そこまで運が良くなくても、知り合いから率直な感想や改善案を聞けるのは参考になると思います。もちろん、最終的にフィードバックを取り込むかどうかはあなた次第です。
(ただし、リリースしてすぐにSNSに投稿する必要はなく、不具合などを一通り直して「これなら自信を持って勧められる!」という状態になってからが良いと思います。投稿した時点のアプリが微妙だとあまり使ってもらえないかもしれないからです。)
自分も一般ユーザと全く同じように使う
上で触れたように、Warikaniは広告から収益を得るアプリです。各画面にはバナー広告が表示され、時折全画面のinterstitial広告も表示されます。
当初、自分が使うときには広告が表示されないように制御することも検討しました。ただ、結局それはせずに自分も一般ユーザと全く同じように使っています。これには2つメリットがあると思います。
-
広告が過剰でないか、自分で体験して確認できる
- 自分が使いたくないほど広告が多いなら、他のユーザもイライラしているかも
-
自分が不快な気持ちになるカテゴリの広告がないか確認できる
- Google Admobではセンシティブなカテゴリの広告(賭博、整形、性的なコンテンツなど)をブロックすることができるので、必要に応じてブロックしています
ちなみに、私の端末はテスト用端末として登録してあるので、私がサクラとしてバナー広告を踏んでも収益は入りません。
効果的ではなかったこと
ある程度アプリを使ってくれたユーザに向けて、ストア内でレビューや評価をお願いするモーダルを実装しました。リリースしてから数ヶ月経ちましたが、モーダルを経由してレビューを書いてくれたユーザはいませんw
たしかにアプリを使っている途中でこういったモーダルが表示されると自分も消したくなるので、気持ちは分かります。また、もしかしたら表示するタイミングが悪いのかもしれないので、試行錯誤の余地がありそうです。
以上、個人開発者としてインストール数を伸ばすために試してきたことを挙げてみました。少しでも参考になったらぜひ ♡ やコメントお願いします!
-
「MAU300人程度・20ヵ国以上」はMixpanelから取得した数値です。 ↩︎
Discussion