Tableauと私 DATA Saberに挑戦しています
はじめに
データサイエンティストを目指す私が、今回TableauのDATA Saberに挑戦することになりました。この挑戦に至るまでの道のりと、現在の想いについて綴らせていただきます。
10年前の転職活動とTableauとの出会い
10年前、私はCOBOL技術者として働いていました。当時、キャリアの転換点を迎え、転職を真剣に考えていた時期がありました。その転職活動の中で、ある方からTableauという画期的なBIツールの存在を教えていただいたのです。
しかし、当時の私にとってTableauは遠い存在でした。COBOL一筋で歩んできた私には、データビジュアライゼーションという概念すら馴染みがありませんでした。会社ではもちろん、Tableauを導入しておらず、Tableau Publicの存在も知らず(当時はまだ無かったかもしれません)、学習する環境もありませんでした。そのため、その真の価値を理解することができませんでした。
転職断念と新たな学びへの転換
結局、諸事情により転職は諦めることになりました。しかし、この経験が私に大きな気づきをもたらしました。技術者として生き残るためには、新たなスキルを身につけ続けなければならないということです。
そこで私が選んだテーマが、データ分析とAIでした。これからの時代に必要となる知識として、この分野に注力することを決めたのです。振り返ってみると、この判断は間違っていなかったと確信しています。
Tableauとの再会
その後、データ利活用を社内で推進している部署への異動希望が叶いました。
しかし、レガシーシステムの開発中心の会社のなかで、データ利活用の文化を醸成することの難しさを感じることとなりました。
データ利活用やAI活用を切り口に活動を行っていましたが、それでも、Tableauとのご縁はしばらく訪れませんでした。
データ分析の学習を続ける中で、様々なツールや手法を学びましたが、Tableauに触れる機会はありませんでした。
転機が訪れたのは昨年度のことです。お客様先でTableauの導入が決まったのです。これが、私とTableauとの運命的な再会となりました。
データ分析経験がもたらしたTableauへの理解
この再会で驚いたのは、これまでデータ分析を学んできた経験があったからこそ、Tableauの真の魅力を感じられるようになっていたことです。単なるグラフ作成ツールではなく、データから洞察を導き出すための強力なプラットフォームであることが理解できました。
データの前処理から可視化、そして分析結果の共有まで、一貫したワークフローを提供するTableauの設計思想に感動を覚えました。
悪戦苦闘の日々とDATA Saber挑戦の決意
しかし、理解と実践は別物でした。慣れないツールに悪戦苦闘する毎日が続きました。思うようにダッシュボードが作れない、計算フィールドでエラーが出る、パフォーマンスが上がらない...数々の壁にぶつかりました。
この状況を打破するために、私はDATA Saberを目指すことを決意しました。
これまでの経験から、短期間で集中的に負荷をかけて学習することで、その後の作業が格段に楽になることを知っています。一時的に苦しくても、体系的に学ぶことで確実にスキルアップできると確信しています。
DATA Saberプログラムについて
DATA Saberプログラムは、単なる技術習得を超えた包括的なデータ人材育成プログラムです。DATA Saberとは、「データにまつわる包括的な知識と技術力、ならびにデータドリブン文化を広める力の双方を高いレベルで兼ね備える」人材を指します。
このプログラムの最大の特徴は、「問われるのは技術力のみならず、自身が得たものを世界と人に還元し変化させていく、実行力と周囲を巻き込む文化醸成の力である」という点です。また、「君たちをDATA Saberと認めるのはシステムではなく、人である。君たちと同じ試練を突破し、世界を変革する道を歩んでいる「人」が認定する、コミュニティによるコミュニティのための認定制度である」という特別な仕組みになっています。
プログラムの構成と期間
DATA Saberになるための試練は90日間の集中プログラムです。この期間は「Apprentice(見習い)」として、「Knight of DATA Saber」と呼ばれる師匠とともに学習を進めます。
試練の内容
プログラムは大きく以下の要素で構成されています:
技術試練(Ordeal 1, 3, 5, 7, 8, 9)
- Tableauの技術的スキルを問う課題
- 満点を取るまで何度でも挑戦可能
文化醸成試練(Ordeal 2, 4, 6, 10)
- データドリブン文化を広めるための思考力や実践力を問う課題
- 他のApprenticeとのディスカッションが推奨される
コミュニティ試練
- Tableau Public での作品公開
- ユーザー会での発表やイベント開催
- ブログ執筆など、様々なコミュニティ活動を通じてポイントを獲得
Apprenticeの心得 6カ条
プログラムでは以下の心得が示されています:
- すべての人に感謝と畏敬の念を持つ
- すべての瞬間から学ぶ
- 常に問いかけられている意義を考える
- 適度に頼り、適度に自立する
- 必ず卒業するつもりで挑む
- 受け取ったものを返す
特に印象的なのは、「必ず卒業するつもりで挑むこと。これまでに試練を超えたすべての人がこの試練を日々の生活の合間を縫って超えている。時間は作るものであり、時間がないは言い訳にならない」という厳しくも愛情深いメッセージです。
コミュニティの力
このプログラムでは、「一つだけ言えることは君たちは一人ではないということだ」と強調されています。同期のApprentice同士が切磋琢磨し、支え合いながら成長していく仕組みが整っています。
挑戦への想い
DATA Saberへの挑戦は、単なる資格取得が目的ではありません。記事にあった「3ヶ月の旅路は、君たちがこれまで経験したことのないような困難な試練を要求することになる」という言葉に、正直身が引き締まる思いです。
しかし、それ以上に心を打たれたのは、「データドリブン文化醸成を目指し、共に試練に励む仲間がいる。君たちは一人ではない。どんなに辛い時も、どうかそれを忘れないで欲しい」というメッセージでした。
これまでCOBOL技術者として培った論理的思考力、10年間のデータ分析学習で積み重ねた知識、そして新たに身につけるTableauのスキル。これらすべてを融合させ、組織にデータドリブン文化を浸透させる力を身につけたい。そんな想いで、この困難な90日間の試練に挑むことを決意しました。
特に心に響いたのは、「必ず卒業するつもりで挑むこと。時間は作るものであり、時間がないは言い訳にならない」という厳しい言葉です。これまでの経験から、短期間で集中的に負荷をかけて学習することの効果を知っています。90日という限られた時間の中で、技術力と文化醸成力の両方を高いレベルで身につける。簡単ではありませんが、必ずやり遂げる強い意志を持って取り組みます。
現在、日本中で3,000人以上のDATA Saberが、データ可視化スキルを証明し、キャリアアップを実現しています。さらに、コミュニティは、2030年10,000人を目指し、その活動を終了させるとのことです。
2030年まで残り5年、私もその一員となり、さらにDATA Saberとして「受け取ったものを返す」精神で、組織変革のリーダーシップを発揮できる専門家を目指しています。
COBOL技術者として培った論理的思考力と、これまで学んできたデータ分析の知識、そしてこれから身につけるTableauのスキル。これらを融合させることで、唯一無二の価値を提供できるデータアナリストになりたいと考えています。
おわりに
10年前は遠い存在だったTableauが、今では私の成長にとって欠かせないツールとなりました。DATA Saber認定に向けて、これから集中的に学習を進めていきます。
困難な道のりになることは覚悟していますが、これまでの経験を活かし、必ず目標を達成してみせます。データサイエンティストとしての新たなステージに向けて、頑張っていきます!
この挑戦の過程や学んだことについては、今後もブログで共有していく予定です。同じようにTableauを学んでいる方々との情報交換もできれば嬉しいです。
参考:
DATA Saberを目指す君たちへ〜Apprenticeの心得
DATA Saber〜Data Intelligenceを広める旅へ
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