J:COMとの戦い 〜勝手にグローバルIPアドレスになってしまう
自己紹介
- ソフトウェアエンジニア
- 大学非常勤講師(情報工学)
何があったのか?
7月に引っ越しをし、J:COMのネット回線を契約したところ、
グローバルIPアドレスが割り当てられてしまう
という問題が発生しました。
最終的な結論としては、解決していないのですが、その一部始終を公開いたします。
J:COMの回戦を使っている方は、知らぬ間にグローバルIPアドレスを割り当てられている可能性があります
そして、この問題に対して、J:COMの対応はとても酷いものでした。
コトの発端
契約して2週間ほどしたある日、家のPC間で通信が出来ないことに気がつきました。
pingを打っても反応せず。「ICMP弾いていたっけかな?」と思って確認したがそんなことはない。
まさかと思い、IPアドレスを確認すると、
WiFiで繋いでいるPC側が58.156.XXX.XXXというアドレスになっていた
有線で繋いでいる側は、192.168.40.Xです。そりゃ見えるはずも無い。
問い合わせ前に行ったこと
-
逆引いてみる
とりあえず58.156.XXX.XXXってなんだろう?と思い、逆引きしてみると、
58x156xXXXxXXX.ap58.ftth.ucom.ne.jp
という結果が。なるほど、しっかりUSENの「グローバル」アドレスですな。 -
ローカルが割り当てられるPCとグローバルが割り当てられるPCで何が違うのか?
家にあるデバイスを全て確認したところ、どうやら物理層の違い。
無線で繋いでいるデバイス: グローバルIPアドレス
有線で繋いでいるデバイス: ローカルIPアドレス
となっている。
なるほどー、そうか、無線側の設定がブリッジモードになっているのか。
設定直せば直りそうやん! -
ルータの設定を見てみる
http://192.168.40.1/#/login
で管理画面にアクセスできるとのことで、早速アクセス。
無い・・。そんな設定はどこにも、無い!!
ネットで機種を調べたところ、そもそもブリッジモードにする設定は出来ないとのこと。 -
グローバルIPアドレスを割り当てられたPCを有線で繋いでみる
有線で繋ぐと、案の定、ローカルIPアドレスが割り当てられる。
その後、無線で繋いでみると・・
ローカルIPアドレスで繋がれている!!!
根っこのルータでMACアドレスをキャッシュしているのですかねぇ?
どちらにしてもこれは初期不良ですな。
1回目の問い合わせ
・・・まぁ、問い合わせるしかないよな。
しかし電話でこの内容は伝わりづらいと思って、メールやフォームでの問い合わせを探す。
無い!!問い合わせフォームが無い!!!
FAQをぐるぐる回されるだけで、どこにも問い合わせフォームがありませんでした。
仕方ないので、電話で問い合わせてみます。
プルル・・プルル・・・
「はい。J:COMサポートセンターです。」
「ちょっと説明が伝わりづらいのですが、かくかくしかじかで・・」
伝わらない!というか、全く理解してくれない!!!
何度説明しても、「お客様の利用方法に問題がある。あれを見てくれ、これを見てくれ」という回答ばかりで、時間の無駄でした・・。
心がポッキリ折れて、電話を切ります。
2回目の問い合わせ
しかし、まさかこのままグローバルIPアドレスで利用するわけには行かず。
「担当が代われば、きっとわかってくれる人も居る!!」
と淡い期待を持って、再び電話をかけます。
プルル・・プルル・・・
「はい。J:COMサポートセンターです。」
「ちょっと説明が伝わりづらいのですが、かくかくしかじかで・・」
やっぱり伝わらない!というか、全く理解してくれない!!!
しかし私も2度目、ここで引き下がるわけには行きません。
相変わらず「お客様の利用方法に・・」の繰り返しなのを押し切り、「技術者に確認をお願いします!」を連呼。
「少々お待ちください」
お。来た。来たのか?
待たされること15分。
「お待たせいたしました」
待ってたよ〜!!
「ブラウザを開いてcmdと打ってください」
おい〜!!Macだって言ってんだろうが〜!!っつーか、ブラウザ開いてcmdってなんやねん!
「あ、いえ、Macなので・・というか、Windowsでipconfigを見たいということでしょうか?」
「はい。その画面を開いていただいて・・」
ダメだ。お話にならない・・。
「もう結構です・・。技術者には伝えていただきましたか?」
「はい、その動作が仕様とのことです。」
んなことあるかい、と思いつつも、疲れ果てて電話を切る。
J:COMショップへ
仕方ないので、昔使っていたAirMacを引っ張り出して、そこに繋いで利用していました。
が、遅い!
二重NATになっちゃってるだろうしなぁ。
そもそもグローバルアドレスを割り当てるのが仕様っておかしいよな。
そんなある日、商店街を歩いていると・・・
「お。J:COMショップがあるやん!」
そう、私の住んでいる街は住宅街なこともあり、商店街にJ:COMショップがありました。
「これだ!」
対人ならきっと分かってくれる!!と期待を持って予約して相談しに行きます。
何一つ、理解してくれませんでした
もう会話が通じない、通じない。笑ってしまうぐらいです。
最後に、
「技術的な問い合わせはこの番号にお願いします」
という紙を渡されました。
りんご太郎は新たな番号を手に入れた
ん?前にかけたのと違う番号!
これだ!!これしかない!!
3度目の問い合わせ
前と違う番号を手に入れましたので、これは期待が出来ます。
プルル・・プルル・・・
「はい。J:COMサポートセンターです。」
「ちょっと説明が伝わりづらいのですが、かくかくしかじかで・・」
「なるほど、それではいくつか確認していただきたい項目が・・」
お。
おお??
ちょっと対応が違うぞ。これは期待出来るのか?
そこから、やれWiFiの内容を確認しろとか、「確認くん」で見てみてくださいとか、散々やったわってことを確認させられますが、ここは我慢して対応します。
そんなことが30分繰り返され・・・。
「お客様の利用方法に問題が・・・」
結局、同じかーーーい!!
しかし、30分の電話代の分だけでも何か情報を得なくては。
「もう伝わらないので、技術者に訪問していただくことは可能でしょうか?」
「はい。可能ですが、7,000円かかります。」
どうする?りんご太郎。どうする?
明らかな初期不良で7,000円払うのか?
悩んだあげく、
「はい。お願いいたします。」
パチンコで負けたとでも考えることにして、技術者を家に呼んで見て貰うことにしました。
技術者、登場
ピンポーン
ついに、技術者が家に来ました。
見て貰えれば分かって貰えるはず!
長かった。。長かったよ・・。
(ここまで、なんだかんだで2ヶ月以上かかってます。)
「私、J:COMのXXXという者で・・」
「待ってました!もう電話では話が通じなくて・・」
そこで、起こっている状況をお見せしました。
- 無線だと58.156.XXX.XXXが割り当てられてしまう。
- 有線は192.168.XXX.XXXが割り当てられる
- 1度有線で繋ぐと、ローカルIPアドレスになる。
- グローバルになっている証拠として、
- 確認くんをお見せする
- AWSにEC2インスタンス作って、そこから接続時にpingが通ること、接続を切るとpingが通らなくなることをお見せする。
「あぁ、これはおかしいですね。」
通じたぞ!!ついに話が通じたぞ!!!俺の勝ちだ!!
「センターに電話するので、少々お待ちください。」
「えぇ、えぇ、喜んで!いくらでも待ちます!!」
しかしここから地獄が始まります
【登場人物】
- 訪問してくれた方、Aさん
- Aさんの上司、Bさん
Aさんは先述の通り、納得してくれています。
しかし、Bさんは電話越し。状況を信用していません。
「お客様の利用方法に・・・」
電話サポートと同じことが発生します。
「だーかーらー、Aさんが見ておかしいって言ってるじゃん!」
さすがに腹が立ってきました。
Aさんも一緒に説明してくれて、どうやらBさんも納得してくれたようです。
安堵したところ、
【追加の登場人物】
- Bさんの先に居るセンターの担当者、Cさん
が登場(電話で)
「お客様の利用方法に・・・」
またかよ!!何人にこれ説明必要なの?っていうか、どれだけ客を信用していないの??
しかし今の私は一人ではありません。Aさんが居ます。
「アレ試せ、これ試せ」が始まりましたが、Aさんの説明により、Cさんもどうにか説得。
初期不良である、と認定されました!!パチパチパチ
ルータ交換で直るのか分かりませんが、ルータ交換対応に。
勝った!俺は勝ったよ!!まだ解決してないけど
ここでAさんから
「本日、7,000円になります。」
・・・え?
まぁ、最初から聞いていたけど・・初期不良って分かっても金取るんだ・・・。
「納得は行かないですけど・・・分かりました。」
とあからさまに不満な態度を示すと、Bさんに再び連絡。
10分後、無料にしてもらえました。
Aさんの対応はとても良かったです。
ルータ交換対応
ついに待ちに待ったルータの交換対応
個人的な推測だと、ルータのファームの設定が無線をブリッジモードにしちゃってるんじゃないかなぁって思ってます。
ピンポーン
来客に逃げ出す猫を横目に、期待を持ってご担当者様を迎え入れます。
「私、J:COMのXXXという者で・・」
「待ってました!ルータの交換ですよね?」
「はい。」
ルータの交換はすぐに終わり、期待を込めて、繋いでみます。
グローバルIPアドレスのまま
何故だぁぁぁぁ!!!
MACアドレスでキャッシュされてるのかなぁ。
しかし今度は有線で繋いでもグローバルIPアドレスになってしまいます。
完全に心が折れました・・・
結論
- J:COMのルータに接続すると、グローバルIPアドレスが割り当てられてしまうことがある
- J:COMのサポートは、この問題の重要性を理解していないし、対応する気も無い。
- J:COMのサポートは、「問題発生は客の利用方法」の頭しかない。
- J:COMの技術サポートは、ハッキリ言って知識不足
以上の結果により、J:COMを解約することにしました。
解約金取られるんだろうなぁ。。
スピードは速いので、J:COMさん、とても気に入っていたのに残念です。
知らないでグローバルIPアドレスのまま数年も使い続けている人が多数存在すると思われます
おそらくアタックや侵入を受けた人も居るでしょう。
この記事がいつか、J:COMの目にとまり、改善されることを祈っています。
こうしている間にも、被害者が増えているのかと思うと、心が痛いです。
皆様もJ:COMと契約する時はお気をつけください。接続後のIPアドレスは確認した方が良いです。
でも考えようによっては、グローバルIPアドレス取り放題なの、便利だな・・・。
Discussion