Gitコマンド覚えなくてOK!VSCode「Git Graph」で始める超かんたんGit入門 | 初心者向け基本操作・使い方ガイド
こんにちは!
「gitのコマンドって多すぎて、覚えるだけで疲れるんだよなあ…」と思ったことはありませんか?
よく「エンジニアならgitくらいは暗記して当然!」なんて空気がありますが、正直それで挫折する人も多いはずです。ぼくも昔は「git push ってどっちが先だっけ? pull だっけ?」と毎回ググっていました。
でも、安心してください。
実は コマンドを全部覚えなくても、マウスぽちぽちだけでgit操作はできる んです。
今回紹介するのは VSCode の拡張機能「Git Graph」。
GUIで直感的に操作できる ので、最初にこれを使うだけで「gitの苦手意識」がかなり減ります。
今日は 「コマンド暗記なしでgitを使えるようになる方法」 をまとめてみました。
というわけで、さっそく見ていきましょう。
環境
この記事で紹介するやり方は、以下の環境で試しています。
- エディタ:VSCode(Cursorでも中身はほぼ同じです)
- 拡張機能:Git Graph
VSCode に Git Graph を入れると、画面にこんな感じのグラフが出てきます。
ブランチやコミットの流れが一目でわかるので、いきなり便利さを実感できるはずです。
GitHubからローカルに持ってくる方法(git clone)
Gitを使い始めるときに最初にやることは「リポジトリを手元にコピーする」ことです。
これをコマンドでやると git clone ですが、Git Graphを使えばクリックだけでOKです。
- vscodeを起動
- Clone Git Repository... をクリック
- GitHubのURLを入力
これで自分のPCにリポジトリがコピーされます。以降の作業は、このコピーをいじっていくイメージです。
git管理していないプロジェクトをgit管理する方法 (git init)
新しく作ったプロジェクトを「Gitで管理したい」と思ったら、この操作です。
普通なら git init コマンドですが、ここもクリック一発で完了します。
- サイドメニューからgitタブを開く
- Initialize Repositoryをクリック
ローカルのプロジェクトをリモートGitHubにアップロードする方法 (git remote add + git push)
「手元にあるプロジェクトをGitHubにも置きたい」というときの操作です。
これがいわゆる git remote add + git push にあたります。
- サイドメニューからgitタブを開く
- Publish to GitHub をクリック
これで一気にリモートに反映されます。
変更履歴を保存する方法 (git add → git commit)
Gitの基本中の基本です。ファイルを更新したら「どんな変更をしたか」を保存するのがコミットです。
ファイルを更新後、
- サイドメニューからgitタブを開く
- Changesの横の「+」ボタンをクリック(省略可)
- コミットコメントを書く(AI生成ボタンで自動生成可)
- Commitボタンをクリック
「この時点でのスナップショットを残す」感覚で覚えるとわかりやすいです。
変更を取り消す方法
Gitでは「取り消す」といっても、どの段階を消したいのかで操作が変わります。
ざっくり分けると次の2種類です。
①まだコミットしていないファイルの変更を消す(=作業途中の変更をなかったことにする)
②すでに保存したコミットを消す(=履歴ごと巻き戻す)
①ファイルの変更を元に戻す (git checkout)
「さっき保存してないコードをいじったけど、やっぱり直前の状態に戻したい」というときはこちらです。
- サイドメニューからgitタブを開く
- 変更を取り消したいファイルの「↶」ボタンをクリック
②コミットごと取り消す (git reset)
「間違ってコミットまでしてしまったから、履歴ごと戻したい」というときはこちらです。
- GitGraphアイコンをクリック
- 戻りたいコミットを右クリック
- Reset current branch...をクリック
→ この場合は、指定したコミットまで履歴を巻き戻します。
ブランチを作成 (git branch)
新しい作業の流れを分けたいときに使います。
- GitGraphアイコンをクリック
- ブランチを作成したいコミットをクリック
- ブランチ名を入力
- 作成したブランチをダブルクリックで移動
ブランチをマージ (git merge)
別々の作業を合体させたいときに使います。
- GitGraphアイコンをクリック
- マージ先のブランチへ移動(ブランチをダブルクリック)
- マージ元のブランチを右クリック
- Merge into current branch...をクリック
ブランチをマージ&コンフリクトを解消
同じ箇所を複数人が変更すると「コンフリクト」が起きます。ここが初心者のつまずきポイントですが、エディタ上で解消できるので安心です。
- ブランチをマージ
- コンフリクトしたファイルをクリック
- Resolve in Merge Editorをクリック
- 採用したい方のチェックマークをクリック(両方採用したい場合は両方クリック)
- complete mergeをクリック
- Continueをクリック
余裕が出てきたら便利なマイナー機能
差分の逆をコミットする (git revert)
「やばい!さっきのコミットでバグを仕込んじゃった…」というときに便利です。
過去のコミットをなかったことにするのではなく、「逆向きの変更」をもう一度コミットして取り消します。
なので履歴はきれいに残ったままです。チーム開発では reset より安全に使えます。
開発途中の枝分かれを、後から一本のきれいな流れに整理する (git rebase)
ブランチをたくさん作って作業していると、履歴がジグザグに枝分かれして読みにくくなることがあります。
rebase を使うと、枝分かれした履歴を「あとから1本のきれいな流れ」に並べ替えることができます。
個人開発だと「見た目を整理したいとき」に役立ちます。
欲しいコミットだけをつまんで取り込む (git cherry-pick)
「別のブランチでいい感じの修正をしたけど、その部分だけ今のブランチにも欲しい」
そんなときに使うのが cherry-pick です。
全部をマージするのではなく、欲しいコミットだけを“つまみ食い”するイメージです。
こうした機能も、Git Graphなら右クリックと数回の選択で完了します。
あとがき
こちらのツイートに反響があったのをきっかけに記事にしました。
「意外と知らない人が多いんだな」と思ったので、少しでも苦手意識がなくなるきっかけになればうれしいです。
ここまでで clone → init → commit → push → branch → merge の基本操作はひと通りカバーできました。
つまり「最低限これだけ知っていれば、日常の開発でとりあえず困らない」状態になったはずです。
慣れてきたら、rebase や cherry-pick などの便利ワザにも挑戦してみてください。
GUIで感覚的に操作できるので、コマンドを暗記するよりずっと気楽に使いこなせると思います。
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