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Cursor活用で開発生産性を最大化するTips

2025/02/27に公開2
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このドキュメントを書こうと思った理由

弊社はAIに関する新規事業開発を行っており、作る側もAIを使わない作業を極力なくそうと思っているのですが、AIの進化がやばすぎて人間側が振り回されている現状が何件もあったのでこのドキュメントを書くに至りました。

もし周りの方で困っている方いれば随時更新予定ですのでシェアしてあげてください。
*関係ない仕事の相談などもお待ちしております。

https://x.com/rikinemumu

Cursorとは?

Cursorは、AIを活用した次世代のコードエディタで、VS Codeをベースに構築されており、AIによるコード補完・デバッグ・リファクタリング支援などの機能を備えた開発ツールです。

Cursorの最大のメリットは、プロジェクトフォルダ内のファイルやログを自動でインデックス化し、AIが適切に参照してくれることです。
これにより、開いていないファイルでもAIが内容を把握し、より適切なコード補完や修正を提案できます。

その他基本的な使用方法からTipsまで紹介していこうかと思います。

Cursor活用で開発生産性を最大化するTips

(Cursor AI: An In Depth Review in 2025) Cursor AIコードエディタの画面例。VS Codeに似たUIにチャットパネルなどAI機能が統合されている (Cursor AI: An In Depth Review in 2025)。

CursorのAIモード紹介:Chat・Composer・Agent・Bugfinder

Cursorは、AIを活用した次世代コードエディタで、4つの主要なAI支援モードを提供しています。
これらを活用することで、コーディング、デバッグ、リファクタリングがより効率的に行えます。


1. Chat(チャットモード)

🔹 概要
Chatモードは、AIと対話しながらコードの説明・修正・最適化を行う機能です。エディタ上で質問すると、AIが即座に回答・提案を返します。

🔹 主な用途

  • コードの説明を依頼 → 「この関数の動作を教えて」
  • エラー解析・修正 → 「このエラーの原因は?」
  • コード生成 → 「Reactでログインフォームを書いて」
  • パフォーマンス改善 → 「このコードを最適化して」

🔹 使い方

  1. Ctrl + L / Cmd + L でChatを開く
  2. AIに質問・指示を入力
  3. AIが回答やコード提案を返す

💡 ヒント:

  • ファイル名を @ファイル名 で指定すると、そのファイルを基にした回答が得られる
  • 単一ファイル内のちょっとした修正や説明を聞くのに最適

2. Composer(コンポーザーモード)

🔹 概要
Composerは、プロジェクト全体を考慮してコードを修正・生成できる機能です。単一ファイルではなく、大規模なリファクタリングや新機能の追加に適しています。

🔹 主な用途

  • コードリファクタリング → 「この関数をシンプルに」
  • 複数ファイルの変更 → 「新しいAPIエンドポイントを追加」
  • 大規模なコード生成 → 「CRUD機能を追加」
  • 他の言語への変換 → 「このPythonコードをTypeScriptに変換」

🔹 使い方

  1. Ctrl + I / Cmd + I でComposerを開く
  2. 修正・生成したいファイルを選択
  3. AIに指示を入力
  4. プレビューで変更を確認し、適用するか選択

💡 ヒント:

  • プロジェクト全体を考慮した変更が可能
  • 変更前のプレビューを確認できるため、安全に適用できる

3. Composer Yoloモード

🔹 概要
Yoloモードは、Composerの強力な自動修正機能です。通常のComposerはプレビューを表示しますが、Yoloモードでは即座にコードを変更します。

🔹 使い方

  1. Ctrl + I でComposerを開く
  2. 指示を入力し、Enable Yolo Mode をオンにする
  3. AIが即座にコードを変更

💡 注意: プレビューなしで適用されるため、慎重に使用すること!
👉 短時間で素早く修正を適用したい場面で活用可能


4. Composer Agentモード(ComposerYOLOの上位モード)

🔹 概要
Agentモードは、AIを「仮想エージェント」としてプロジェクト全体をサポートさせる機能です。コードの説明やリファクタリングに加え、タスクの管理やプロジェクトの改善提案も行えます。

🔹 主な用途

  • コードの意図や設計についての質問 → 「この関数の目的は?」
  • タスクベースの開発支援 → 「このプロジェクトにOAuth認証を追加して」
  • コード全体の改善提案 → 「このプロジェクトの改善点を教えて」
  • 継続的な開発サポート → AIが開発の流れを理解し、適切なアドバイスを提供

🔹 使い方

  1. Ctrl + Shift + A / Cmd + Shift + A でAgentモードを開く
  2. タスクを入力し、AIエージェントに作業を依頼
  3. AIがコードの変更や説明を行い、開発を支援

💡 ヒント:

  • プロジェクト全体を俯瞰しながら開発を進めるのに最適
  • 長期的な開発タスクをAIと一緒に進めることが可能

5. Bugfinder(バグファインダーモード)

🔹 概要
Bugfinderは、AIがコード内のバグを検出し、修正提案を行うモードです。手動でバグを見つける手間を削減し、迅速なデバッグが可能になります。

🔹 主な用途

  • コードのバグ検出 → 「このコードにバグはある?」
  • エラーの修正提案 → AIがコードを分析し、バグの修正方法を提示
  • バグの影響範囲を特定 → 「このバグは他のファイルに影響するか?」

🔹 使い方

  1. Ctrl + Shift + B / Cmd + Shift + B でBugfinderを開く
  2. AIがコードを分析し、バグを検出
  3. 修正案を確認し、適用する

💡 ヒント:

  • 手動でデバッグするよりも迅速にバグを発見・修正可能
  • エラーログの解析にも役立つ

1. Docs(ドキュメント機能)

🔹 概要
Docsは、プロジェクト内のコードを自動で解析し、ドキュメントとして表示する機能です。ファイル間の依存関係や関数の説明を整理してくれるため、大規模なコードベースでもスムーズに理解できます。

🔹 主な機能

  • コードの自動ドキュメント生成 → 各関数・クラスの概要を自動で記述
  • ファイル構造の可視化 → プロジェクト内の関係性をツリー表示
  • コード内の関連情報をリンク → 関連する関数・ファイルを簡単に参照

🔹 使い方

  1. Ctrl + Shift + D / Cmd + Shift + D でDocsを開く
  2. ドキュメントが自動生成される
  3. 必要に応じて編集・追記可能

💡 ヒント:

  • 新しいメンバーがプロジェクトを理解するのに最適!
  • 関数・クラスの説明が不足している場合、Docsを使うと自動で補完可能!

**AI Rules と Project Rules **


Cursorには 「AI Rules」「Project Rules」 という2つのルール設定機能があり、それぞれ役割が異なります。

項目 AI Rules Project Rules
目的 AIの動作をカスタマイズし、コード補完・リファクタ時に規約を適用 プロジェクト全体の開発ルールを管理し、AI以外の開発フローにも影響
適用範囲 コード補完・リファクタリング・AI生成コード コードレビュー・Lint設定・ブランチ管理など
影響する機能 Chat / Composer / AI補完 / 自動リファクタ Git Hooks / CI/CD / Linter / エディタの設定
記述場所 .cursorrules cursor.project.json
主な用途 命名規則 / コードスタイル / AIの補完カスタマイズ ブランチルール / Linter設定 / コーディング規約の適用
ルールの強制 AI補完・リファクタ時に自動適用 開発フロー全体でチェックされる

1. AI Rules(AIルール)

🔹 概要
AI Rulesは、AIのコード補完・リファクタリングをカスタマイズするためのルールです。
AIが自動で適用するルールを定義でき、開発チームのコーディング規約をAIに学習させられます。

📌 できること

命名規則の統一(例: functionscamelCase, variablessnake_case
コードスタイルの統一(例: インデントはスペース、行の最大長100文字)
コメントルールの強制(例: すべての関数に docstring を必須化)
プロジェクトに特化した補完ルール(例: React なら useEffect の書き方を統一)

📌 設定方法

.cursorrules に以下のように記述

{
  "naming_conventions": {
    "functions": "camelCase",
    "variables": "snake_case"
  },
  "docstrings": {
    "require_for_all_functions": true
  },
  "code_style": {
    "max_line_length": 100,
    "indentation": "spaces"
  }
}

AIが補完・リファクタ時に自動適用!


2. Project Rules(プロジェクトルール)

🔹 概要
Project Rulesは、プロジェクト全体の開発フローを管理するためのルールです。
Linter設定やブランチルールなど、AI補完以外の開発ルールを定義できます。

📌 できること

Linterの適用(ESLint, Prettier などの設定)
Git Hooks の制御(コミットメッセージのチェック、特定ブランチへのプッシュ制限)
コードレビューのルール定義(例: PR には必ず2人の承認が必要)
プロジェクトの設定管理(例: TypeScriptの strict mode を強制)

📌 設定方法

cursor.project.json に以下のように記述

{
  "project": {
    "name": "MyProject",
    "version": "1.0.0"
  },
  "linting": {
    "enabled": true,
    "rules": "eslint-config-airbnb"
  },
  "git_hooks": {
    "pre_commit": "lint-staged",
    "commit_msg": "commitlint"
  }
}

開発フロー全体でルールが適用される!


ルールテンプレート
https://github.com/PatrickJS/awesome-cursorrules

AIコミットメッセージとは?


CursorのAIコミットメッセージは、コードの変更内容を自動で要約し、適切なコミットメッセージを生成する機能です。これにより、開発者は手動でコミットメッセージを考える手間を省き、一貫性のあるメッセージを維持できます。


🔹 主な機能

変更内容を自動解析 → AIがコードの差分(diff)を確認し、適切な要約を生成
フォーマットに従ったメッセージ作成 → チームのルール(例: Conventional Commits)に沿ったメッセージを出力可能
ワンクリックで適用 → 修正内容をレビューし、即座にコミットできる


🔹 使い方

  1. Gitで変更を加える(ファイル編集後 git add .
  2. コミット時にAIメッセージを生成
    • git commit 画面で「Generate AI Commit Message」ボタンを押す
    • もしくは、Ctrl + Shift + C(Macは Cmd + Shift + C)を押す
  3. 生成されたメッセージを確認し、適用する

💡 ヒント: .cursorrules を使って、メッセージのフォーマット(例: feat: xxx, fix: xxx)を統一できる。

👉 詳しくは公式ドキュメント:Cursor AI Commit Message

自動PR(プルリクエスト)**

Cursor には AI を活用して PR(Pull Request)の説明を自動生成する機能 があります。
これを活用すれば、変更内容を適切に要約し、統一されたフォーマットで PR を作成 できます。


📌 方法①: コマンドから AI 生成

  1. Git で変更をコミットgit commit -m "変更内容"
  2. GitHub または GitLab で PR を作成
  3. PR の説明欄で「Generate AI PR Description」ボタンをクリック
  4. AI が PR の内容を自動で要約
  5. 内容を確認し、必要に応じて編集して PR を作成

📌 方法②: Chat モードを使う

Cursor の Chat 機能を活用して PR を作成できます。

  1. Ctrl + L / Cmd + LChat モードを開く
  2. **「この変更の PR を作成して」**と指示
  3. AI が 変更の要約、影響範囲、動作確認ポイントなどを含んだ PR テンプレートを生成
  4. 必要に応じて修正し、PR にコピペ

💡 ヒント:
ファイル名を @ファイル名 で指定すると、AI がそのファイルを基に PR を作成する。


📌 方法③: Composer モードを活用

複数のファイルをまたいだ変更がある場合、Composer モードで PR を生成できます。

  1. Ctrl + I / Cmd + IComposer を開く
  2. **「この変更の PR を作成して」**と入力
  3. AI が すべての変更を考慮して PR を生成
  4. 必要に応じて調整し、PR に貼り付け

🔹 2. 生成される PR の例

PR タイトル:

feat: ユーザー認証 API の追加

PR 説明:

## 概要
- 新しく `auth` エンドポイントを作成し、JWT を用いたユーザー認証機能を追加しました。
- ユーザーのログイン、ログアウト、トークンの更新を実装。

## 変更点
- `routes/auth.js` に新しい API エンドポイントを追加
- `middleware/authMiddleware.js` で JWT の検証を実装
- `tests/auth.test.js` にユニットテストを追加

## 動作確認
- `POST /auth/login` に正しいユーザー情報を送信し、トークンを取得
- `GET /auth/me` で認証済みユーザー情報が取得できることを確認
- `npm test` を実行し、すべてのテストがパスすることを確認

## 影響範囲
- 既存の認証ロジックに影響なし
- ユーザー情報の管理に `authMiddleware` を適用

MCP(Model Context Protocol)サーバーとは?

MCP(Model Context Protocol)サーバーは、CursorがAIモデルとやり取りするためのバックエンドサーバーです。
これにより、Cursorはプロジェクトのコンテキストを適切にAIに送信し、コード補完や修正の精度を向上させることができます。

MCPは単なるAI APIのリクエスト管理を超え、データベース接続情報・実行ログ・APIレスポンスなどもAIに提供可能で、
より高度なコード補完やデバッグ支援を実現します。


🔹 MCPの主な役割

AIモデルとの通信管理 → AIへのリクエストとレスポンスを最適化
コンテキスト管理 → コード・設定・実行ログ・DBクエリなどをAIに提供
カスタムAIモデルの接続 → OpenAIやAnthropic(Claude)などのモデルを柔軟に切り替え可能
リアルタイムな開発支援 → DBのスキーマ情報やAPIレスポンスをAIに学習させ、適切な補完を実現


🔹 MCPの仕組み

📌 1. Cursorがコードやプロジェクト情報を解析

  • 開いているファイル・関数・変数を認識
  • プロジェクト全体のディレクトリ構造を把握

📌 2. MCPサーバーへリクエスト送信

  • AIモデルに送信するために適切なコンテキスト(コード・設定・DB情報)を整理
  • 例:「この関数の user_idusers テーブルの id と関連している」

📌 3. AIモデルがレスポンスを生成

  • コード補完・バグ修正・リファクタリングを提案
  • DBのスキーマを考慮したSQL補完も可能

📌 4. Cursorがユーザーに結果を表示

  • 補完候補・修正提案をエディタに反映

💡 ポイント:

  • 開いていないファイルも参照できる(プロジェクト全体を理解)
  • DBやログ情報も活用できる(SQLクエリ補完やエラーログ解析)
  • 独自AIモデルと接続可能(オンプレ環境や企業専用モデルにも対応)

🔹 MCPの具体的な使い方

1. データベース(DB)接続情報を活用

MCPを使うと、プロジェクトの DBスキーマ情報をAIに共有できる ため、
適切なSQLクエリの補完やデバッグ を行えます。

📌 例1: SQLクエリの補完

SELECT * FROM users WHERE email = ?

💡 AIがDBスキーマを理解しているため、users テーブルのカラムを自動補完!

📌 例2: 間違ったSQLの修正

SELECT * FROM users WHERE user_email = ?
-- AI: `user_email` は `email` に修正するべき

💡 AIがスキーマと照合し、正しいカラム名を提案!


2. APIレスポンスを学習し、適切な補完を実施

MCPは APIのリクエスト・レスポンス情報も管理 できます。
これにより、Cursorは APIの戻り値を考慮した補完が可能 になります。

📌 例: APIレスポンスに基づいた補完

const res = await fetch("/api/user");
const data = await res.json();
console.log(data.)

💡 通常のエディタならdata.の後に補完が出ないが、MCPがAPIレスポンスを学習していれば data.namedata.email などを適切に補完!


3. 実行ログをAIに提供し、デバッグを支援

MCPはエラーログやアプリの実行履歴をAIに渡せるため、
バグの特定やエラーメッセージの解析がスムーズ になります。

📌 例: エラーログから問題の原因を特定

Error: Cannot read property 'id' of undefined
  at getUser (/app/utils.js:23)

💡 MCPがエラーログを解析し、getUser 関数の user 変数が undefined になっていることをAIが特定。修正案を提案!


最後に

色々書きましたがまた新しいインターフェースツールや革新的モデルが出るとこの記事も古くなってしまうかもしれませんができるだけ最新の情報を維持できるようにするのでいいねしてもらえたら嬉しいです。

何か誤った情報などPRあればこちらのアカウントにご連絡ください🙇
https://x.com/rikinemumu


参考文献: Cursor公式サイトおよびブログ (Cursor - The AI Code Editor) (Cursor AI: An In Depth Review in 2025) (Cursor AI: An In Depth Review in 2025)、開発者のレビュー記事 (Cursor AI: An In Depth Review in 2025) (Cursor AI: An In Depth Review in 2025)、ユーザーフォーラムの知見 (My learnings after using Cursor AI with it's new Composer feature after 40 hours of coding : r/webdev) (Cursor feature summary for colleagues (with annotated screenshots) - Discussion - Cursor - Community Forum)などを総合してまとめました。

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Discussion

メガネチョップメガネチョップ
  1. Docs(ドキュメント機能)
    🔹 概要
    Docsは、プロジェクト内のコードを自動で解析し、ドキュメントとして表示する機能です。ファイル間の依存関係や関数の説明を整理してくれるため、大規模なコードベースでもスムーズに理解できます。

このような使い方ができるソースが見当たらないのですが、どのように実行したのでしょうか?

sugarcodesugarcode

自分も初耳で、試したら、デバグモードになります。。。この機能欲しいです。

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