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AI画像匿名化ツール Peacek(ピーセック)
はじめに
近年、X や Instagram などの SNS は、誰もが日常的に自己表現を行う場となっています。しかし、何気ない投稿に写り込んだ顔や背景情報から、個人が特定されるリスクは見過ごせません。私たちは、「投稿を控える」のではなく、「誰もが安心して投稿できる」環境をつくりたいと考えました。その想いから開発したのが、AI画像匿名化ツールPeacek(ピーセック) です。
Peacek は、不自然なモザイクやスタンプではなく、写真の雰囲気を壊さずに、匿名化させることができます。ユーザーのプライバシーを守りながら、自由な発信を支援する──そんな新しい SNS 利用の形を提案します。
ユーザー像と課題
想定ユーザー
- 一般SNSユーザー
InstagramやTikTokで日常をシェアするのが習慣。顔出しには抵抗があるが、写真は投稿したい。 - 学生・若年層クリエイター
創作活動や趣味をSNSで発信。顔出しせずに自己表現したい。 - 子育て世代
子どもの写真をSNSに投稿したいが、顔出しは避けたい。
課題
- 「いいね」欲求による投稿の習慣化
SNSでの承認欲求や交流のために、リスクを理解しながらも投稿してしまう。
⇒ピースポーズで自然に隠せるなど、匿名化が“映え”と両立できれば導入しやすい。 - 子どものプライバシーに対する認識不足
「小さいから大丈夫」「フォロワーしか見てない」という油断。
⇒自動で子どもの顔を検出・匿名化できる機能は、親の安心材料になる。 - SNSの仕様による拡散リスク
投稿後に誰かがスクショして拡散、意図しない文脈で使われることも。
特定されると誹謗中傷やストーカー被害につながるケースも。
⇒投稿前に匿名化する習慣をつけることで、リスクを根本から減らせる。
ソリューションと特徴
- 顔を隠す際に、スタンプではなく被写体本人に花束やポストカードを持たせる加工 を行い、匿名化と“映え”を両立
- プロンプト不要・即時加工で、誰でも手軽に使える匿名化体験を実現
- Google Cloud の Vertex AI(Imagen) を活用し、Cloud Run / Cloud Storage / Vertex AI のシンプルな構成で動作するためクラウド利用料が低コスト
Peacek は、不自然なモザイクやスタンプではなく、写真の雰囲気を壊さずに、匿名化させることができます。ユーザーのプライバシーを守りながら、自由な発信を支援する──そんな新しい SNS 利用の形を提案します。
デモ動画
機能
ユーザーインターフェース

技術構成
本アプリケーションは、ユーザーがアップロードした写真を Vertex AI (Imagen) によって自動的に加工し、結果を返す仕組みです。構成要素は Cloud Run / Cloud Storage / Vertex AI のみで、シンプルかつ拡張性のあるアーキテクチャとなっています。

ハッカソン要件を満たす、Google Cloud製品の利用
- Cloud Run
- Cloud Storage
- Vertex AI (imagen-3.0-generate-001, imagegeneration@006)
処理の流れ
- ユーザーが写真をアップロード
- Cloud Run が画像を Cloud Storage に保存
- Cloud Run から Vertex AI (Imagen) に加工を依頼
- Vertex AI が Cloud Storage から画像を取得し加工
- 加工後の画像を Cloud Run に返却
- ユーザーに加工済みの画像を表示
おわりに:安全なSNSライフをAIとともに。
現在、PeacekはWebアプリケーションとして公開しています。 ただ、私たちが守りたいのは、SNSに投稿される写真そのものです。 スマートフォンで撮った写真を、その場で匿名化してすぐ投稿できる。 そんな使い方がもっと自然にできるよう、今後はモバイル対応も検討しています。 写真による自己表現がより自由で、より安心なものになるように——Peacekはその一歩を支えます。
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