スクラムに関して、公式のガイドブックを読んでみたお話
スケジュールの管理で、スクラムというものがあるらしい
スクラムはタスクを分割して、1週間ごとに予定を立てたりなおしたりするものと聞いた
要するに管理する間隔を1週間に固定して、シンプルに管理しようってお話らしい(これが間違った認識であることを、ここでのわたしはまだ知らないのであった)
と、この程度の認識でいたのだが、ちゃんと公式の資料を調べてみてまとめてみようと思った。そんな記事
そもそもスクラムとは
野村総合研究所の用語解説ページを抜粋すると、スクラムとは以下のようなものらしい
スクラムとは、世界で最も採用されているアジャイル開発プラクティスです。
「複雑な問題に対応する適応型のソリューションを通じて、人々、チーム、組織が価値を生み出すための軽量級フレームワークである。」と定義されています。
なるほど。複雑な問題に対応するための軽量級フレームワーク。軽量級って良い響きだ。管理するためのコストなんて少ない方がいい
なるべく最小限のコストで、スムーズな生産を行うこと。そこが肝要っぽい
逆に具体的な方法は決められていないので、枠組みだけの考え方ということらしい。なるほど
なので具体的な動きは各自で決めているということのようだ
そんな大元のガイドブックによると、スクラムの定義はこんな感じ
スクラムとは次の環境を促進するためにスクラムマスターを必要とするもので ある。
- プロダクトオーナーは、複雑な問題に対応するための作業をプロダクトバックログに並べる。
- スクラムチームは、スプリントで選択した作業を価値のインクリメントに変える。
- スクラムチームとステークホルダーは、結果を検査して、次のスプリントに向けて調整する。
- 繰り返す。
専門用語というか、横文字がたくさん出てきている。
- スクラムマスター
- プロダクトオーナー
- プロダクトバックログ
- スクラムチーム
- スプリント
- インクリメント
- ステークホルダー
困った。新しい概念を翻訳するという都合上、横文字が多くてわけわからん
ただ、これらの定義を整理していけば、おのずとスクラムの定義がわかるはず。なのでこれらの言葉の定義を整理していこうと思う
スクラムマスター
ガイドブックによると、スクラムマスターには以下の6つの要素を持つロールらしい(要約)
- スクラムマスターは、スクラムを確立させることの結果に責任を 持つ。
- スクラムマスターは、スクラムチームの有効性に責任を持つ。
- スクラムマスターは、真のリーダーである。
- スクラムマスターは、スクラムチームを支援する。
- スクラムマスターは、プロダクトオーナーを支援する。
- スクラムマスターは、さまざまな形で組織を支援する。
なんかやること多いな?
リーダーであり、メンバーサポートであり、窓口でもあり、アドバイザーでもあるらしい
おまけに責任までついてくる
スクラムの一連、全体の流れに対する長のような存在なので、やることが多いのだろう
スクラム全体を通して、時間計画的な把握もメンバー的な把握もできないとダメ。厳しい
プロダクトオーナー
- スクラムチームから生み出されるプロダクトの価値を最大化することの結果に責任を持つ
- 効果的なプロダクトバックログ管理にも責任を持つ
そのために、タスクを洗い出すことをするようだ。
ここでは”やりたいこと全部リスト化してみた”の段階らしい。なるほど
つまり"やっぱこれじゃなくてそれやりたい”ってなったらこの役職の責任だということ。重要
プロダクトバックログ
やりたいことリストのこと
スクラムチーム
スクラムを遂行する集合のこと
算数的に書くとこんな集合
(通常の場合、集合の要素数が10を超えないように
スプリント
- スクラムにおける心臓の鼓動であり、アイデアを価値に変えるもの
- 1か月以内の決まった⻑さとする。前のスプリントが終わり次第、新しいスプリントが始まる
スクラムを実行する1巡のループのこと。ガイドブックによると、1週間とは決められていないらしい。知らんかった
なるべく短い範囲で区切って複雑さを減らそうということで、1ヶ月より大きくはとらないらしい
インクリメント
具体的に作ったもの。成果物のこと
完成した分の進捗ポイント変数+=1
するイメージ。増えた進捗ポイントの数値(=完成したものの数)でスクラムの進捗を評価する
ステークホルダー
利害関係者のこと。別にスクラムの専門用語ではなく、よくある横文字がコンタミネーションしてコンフューズするフェノメノンです
ここまでで、定義のために使われている用語がわかった。これらを定義に当てはめて噛み砕いていこう
スクラムとは
スクラムは以下の流れで進めるために、リーダー(もとい管理者)を必要とするものである。
- 複雑な問題に対応するための作業を"全体のやることリスト"にまとめる
- 作業者たちが、リストから"このループでやることたち"を選び、計画する
- 実際にやることをやる。1つ完成するごとに
進捗ポイント+=1
- 作業者含む関係者たちは、結果を検査して、次のスプリントに向けて調整する。
- 2番に戻って繰り返す。
ちょっとわかるようになった。よし。
4番の検査作業で、どのくらいの作業量ができたかを可視化して、次のプランを立てやすくするというわけだ。なるほど
そして、このループ内での各イベント(2番から4番までのそれぞれ)をスクラムイベントと呼ぶ
各イベントについて読んでみた
スプリントプランニング
2番目の作業、”作業者たちが、リストから実際にやるタスクたちを選ぶ”のこと
過去のデータで、1ループあたりで増やせた進捗ポイントがどのくらいかを考慮して、どこまでの作業ができるかを決定する
実際にやるタスクをそれぞれ、1日以内に終わる作業に分割する
分割方法は作業者の裁量によるようだ
(やっていることはPDCAでいう、Plan)
デイリースクラム
3番目の作業中の毎日、同じ時間、同じ場所で開催する15分で終えるイベントのこと
前の段階で1日で終えられる量に分割して共有するから、できた/できないかを評価できるのであって、この部分だけ真似するといまいち要点のない会議になるのだろう。なるほど
(やっていることはPDCAでいう、Doの進捗共有)
スプリントレビュー
4番の”作業者含む関係者たちは、結果を検査して、次のスプリントに向けて調整する。”の前半戦
作業結果から、達成度合いを検査して、次の対応を決定する。
全体のやるべきことリストの調整も行う
(やっていることは PDCAでいう、Check)
スプリントレトロスペクティブ
4番の後半戦のこと
次のスプリントで品質と効果を高める方法を計画する
なんでうまくいかなかったか、原因を考える会のこと
次のループでの改善する方法を考えよう。そしてそれを次のループにいかせたらいいなってこと
(やっていることは PDCAでいう、Action)
そしてもって、次のループに進み進む。スプリントを重ねて作業ペースを把握していこうというのがスクラム。みたい
まとめ
- スクラムは軽量フレームワークである
- 前提として、進め方の詳細は自由に決めて良い。スクラムはあくまでもフレームである
- 最初に”全体のやるべきことリスト”を作る
- スプリントという短い単位に区切って計画、実行、評価する
- スプリントの区切り期間は1ヶ月以内の範囲で変えて良い
- “全体のやるべきことリスト”の一部をスプリントでの計画とする
- やるべきことが1つ終わるごとに”進捗ポイント”に
+1
する
- スプリントの終わりに、1スプリント内で完了できた”進捗ポイント”を参考にすることで、次のスプリントで完了できそうなタスク量を予想、計画の参考にする
おまけ: なんか思ったこと
PDCAで検索すると、検索予測に古い
とか時代遅れ
とか出てくるけど、結局のところスクラムでもPDCAを高速に回しているだけに見える
ハシゴとキャタツじゃないけど、本質は同じだと思った今日この頃
(もちろんこれは”なんか思ったこと”であり、意義あり!
してもよいのです)
結局、その本質がいつまでもうまくできないから形式を変えて、名前を変えて再チャレンジしようってね。知らんけど
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