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気象庁のXMLデータを活用した災害情報の可視化ステップ | Resilire Tech Blog

2024/10/01に公開

はじめに

サプライチェーンリスク管理クラウドサービスレジリア(Resilire)zooです。プロダクトマネージャーをしています。最近、お家の中での水耕栽培にハマり出しました。初めての収穫をそろそろ迎えるのでとても楽しみにしています。
この記事では、レジリアが気象庁発表の防災情報を利用している様子をお届けします。

レジリアでの気象庁発表の防災情報表示

レジリアではサプライチェーンのリスク管理を行えるSaaSを提供しています。その中の1つの機能として、自然災害の影響を受けている可能性があるサプライチェーン上の拠点を可視化する機能があります。
以下の画像は開発環境のテストデータに基づく画面表示です。地震が発生した際に、その範囲に拠点があると、一目で把握できます。
地震以外に、大雨や停電の情報も同じように表示できます。

地震発生時の対象拠点表示

サプライチェーンに関わる会社もしくは拠点は数千に及ぶこともあり、災害が発生した際に即座に影響を把握できることが重要になります。

気象庁発表の防災情報の利用

レジリアでは、気象庁が提供している防災気象情報を利用しています。その情報と顧客が登録した拠点情報を重ね合わせることで、拠点への影響を把握できるようにしています。

気象庁の防災情報

様々な種類の防災情報がXMLの形式で提供されています。例えば、天気予報も提供されています。また、気象庁防災情報XMLフォーマット 技術資料のページにある気象庁防災情報XML一覧表に、提供されている情報の一覧があるので、興味がある方はご覧ください。

利用までの流れ

レジリアでは、検知できる自然災害の種類を増やしていきたいと考えており、随時新しい情報を取り込んでいます。ここでは、現在開発中の台風情報の取り込みを例に利用までの流れを紹介します。

  1. 顧客のニーズの把握
    情報の利用の前に顧客のニーズはきちんと把握します。
    台風が近づくと、従業員の安全確保のために稼働を計画的に停止する拠点や浸水により稼働を停止せざるをえない拠点があったり、大雨や暴風により物流が止まったりとサプライチェーンに影響があります。そのため、企業の調達部門では天気予報で台風の進路等を確認し、影響を受ける可能性がある拠点を割り出し、事前に対策を立てる、ということを行なっています。
    レジリア上で影響を受ける可能性がある拠点が表示されれば、顧客はより対策に時間を取ることができます。ニーズはありそうです。

  2. 取得できる情報の調査
    気象庁の防災情報で閲覧できる情報で、どのようなことができそうか検討します。そして、気象庁防災情報XML一覧表を確認し、実際に提供されているXMLデータで実現できることを確認します。
    台風に関連するものは、以下の5つがありました。

    • 全般台風情報(総合情報、上陸等情報)
    • 全般台風情報(位置、発生情報)、発達する熱帯低気圧に関する情報
    • 全般台風情報(位置詳細)
    • 台風解析・予報情報(延長予報)電文(新形式)
    • 台風の暴風域に入る確率

    技術資料のページの電文毎の解説資料でXMLの内容を確認します。その結果、"台風解析・予報情報(延長予報)電文(新形式)"を用いて台風の予報円の表示、"台風の暴風域に入る確率"を用いて台風の影響がありそうな地域の特定をできることが分かり、それらの情報を取り込むことにしました。

  3. 仕様の確認
    台風の予報円の表示に必要な情報が取得できることは分かりました。そして、その情報を用いて予報円等を表示したいわけですが、予報円等を計算する方法は、別に資料(配信資料に関する技術情報(気象編)第237号 )がありました。この資料を基に、表示のアルゴリズムを確認し、表示します。
    以下の画像は開発中のものですが、気象庁が発表している情報を用いて作成した台風10号の表示です。

開発中の台風の進路情報表示

おわりに

レジリアが気象庁の情報を利用していることや利用までの流れを紹介しました。

この記事では紹介しませんでしたが、台風の予報円はポリゴンを用いて表示しています。ポリゴンで予報円を作成できた時のエンジニアの楽しそうな笑顔が忘れられません。

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