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マルチプロダクトを目指すシリーズAスタートアップがプロダクトエンジニアを求める理由 | Resilire Tech Blog

2024/08/21に公開

はじめに

サプライチェーンリスク管理クラウドサービスResilire@teruhikyです。

Resilire(レジリア)はシリーズAのスタートアップ企業です。
まだまだプロダクトも組織も未熟な企業ですが、将来のマルチプロダクト構想を見据えて現在のフェーズからエンジニア採用と組織について大事にしているコンセプトとして、”プロダクトエンジニア”と”フルサイクルエンジニアリング”があります。

今回はなぜ弊社がプロダクトエンジニアを必要とするのか、そしてフルサイクルエンジニアリングな組織を併せて作っていきたいかについて説明したいと思います。

Resilire が求めるプロダクトエンジニアとはなにか

Product Engineer(プロダクトエンジニア)は、そもそもAtlassianのSherif Mansour氏の記事内でJean-Michel Lemieux氏によって言及されていたものです。
日本国内においてもプロダクトエンジニアについて言及する企業が増えてきたようには思いますがそこまで広くはまだ浸透していないのかなと思います。

Resilireでは社内エンジニアメンバーのコンピテンシーも踏まえてプロダクトエンジニアの特徴として以下の3つを挙げています。

  1. プロダクト目線、プロダクト成功への執着
  2. ビジネスを含む越境
  3. エンジニアとしての課題解決力

特徴1:プロダクト目線、プロダクト成功への執着

プロダクトエンジニアは、徹底したユーザー目線でユーザーの課題理解のためにドメイン知識の積極的なインプットを行います。

その上で、なぜユーザーが課題だと感じているのか、どうあることが望ましいのか、さらに抽象化して考えることでその課題を第一原理に分解して捉えます。
そして、なぜプロダクトが必要なのか、プロダクトが存在する意義を踏まえて、プロダクトの価値を明確にします。

特徴2:ビジネスを含む越境

プロダクトエンジニアは、ユーザー・プロダクトの課題を解決することを目的に動くため、プロダクト・機能の開発のみを目的とせず、その価値をユーザーにデリバリーすることをゴールとして全体感を持って動きます。

カスタマーサクセスやセールスなどビジネスメンバーの立場や視点を理解しながら、プロダクト・機能の導入や運用も含めて様々な観点で構想し、事業貢献に繋げます。
そのため、ビジネス・プロダクトを越境して考え、必要に応じてビジネスと開発で区別せずコミュニケーションを取ります。

特徴3:エンジニアとしての課題解決力

プロダクトエンジニアは、上記の2点で捉えたユーザー・プロダクトの課題とその解決にむけて、ソフトウェアエンジニアとしての技術力を活かして解決方法を考え最適なアプローチを提案・実現します。

プロダクト・ユーザーの課題解決のためには、個人の技術力に囚われずその解決のために必要であれば新しい技術の習得も行います。例えば技術選定においてもチームや個人の技術主体で考えるのでなく、あくまでもユーザー課題の解決を主体として技術選定をします。
またユーザーの課題解決のためであれば、バックエンドエンジニアでも必要に応じてフロントエンドやインフラに越境することを期待します。

Resilireの事業成功にプロダクトエンジニアが必要な理由

さて、ここまで説明してきたResilireにおける"プロダクトエンジニア"ですが、特に現在のスタートアップ期における採用コンセプトとして最重要視しています。なぜなら弊社がスタートアップ期を乗り越えて事業を成功させるために以下の状態を実現したいからです。

  • ユーザーを主語にすることで全員の目線を揃えたい
  • PMFに向けた試行錯誤のアジリティを最大化したい
  • 機動的にマルチプロダクトを連続で立ち上げたい

ユーザーを主語にすることで全員の目線を揃えたい

プロダクトエンジニアの最大の特徴は、プロダクト・ユーザー目線で物事を考えるため、ビジネスメンバーと"ユーザー"を共通の主語として会話ができるところだと思います。
共通の主語があることで、課題に対してなぜそれが課題なのか、なぜプロダクトで解決する必要があるのか、すでに十分に理解されていると思っていた課題(実際にはそうではない)を明確にするための議論により時間を費やすことができます。

仮に共通の主語が無い場合、ビジネスとプロダクト開発の間の目線や言葉、背景の違いを埋めるためには相当なコミュニケーションが必要になります。特にスタートアップのように人も時間も限られている中で、そのようなコミュニケーション上のオーバーヘッドの有無は大きな違いを生むと考えています。

PMFに向けた試行錯誤のアジリティを最大化したい

また、プロダクトの立ち上げ期は特にですが、ユーザー解像度が上がりきらない中でも仮説を立てながら前に進めることが多いかと思います。
プロダクトエンジニアの動き方ならプロダクト開発・事業展開の進展に合わせて自分たちでユーザー解像度を上げることができるため、速やかに仮説を修正してアジリティ高くプロダクトを成長させられると考えています。

さらにユーザー解像度を自分たちで高める動き方を通して、事業の方向性やプロダクト価値の実現のために、どういうアーキテクチャ・データモデルで整理することが柔軟性・拡張性に優れるかといったシステム上の表現に対する解像度も高くなる傾向にあると考えています。

機動的にマルチプロダクトを連続で立ち上げたい

Resilireは以下のように、サプライチェーンネットワークデータ(どことどこの企業・工場などの拠点が取引関係にあるのか)というデータをベースとして複数のプロダクトを展開することを構想しています。

Resilireのマルチプロダクト構想

現在はサプライチェーンリスク管理を主としてデータの上にマップ機能やアンケート機能を備えたプロダクトを提供していますが、今後もまた別の切り口でプロダクトを提供していくことでサプライチェーンの運用のための総合的なSaaSになることを考えています。

これは言い換えると複数のプロダクトを次々に水平展開しつつ、それぞれのプロダクトがPMFしていく必要があるということです。
プロダクトチームごとに毎回0→1の開発が求められることとほぼ同義と考えており、プロダクトエンジニアの動き方ができる人材の採用が中長期的にも重要になると考えています。

プロダクトエンジニア × フルサイクルエンジニアリング

弊社ではマルチプロダクト構想に加え、プロダクトエンジニアの動き方との親和性の高さを踏まえて、フルサイクルエンジニアリングなプロダクト開発体制を目指しています。

フルサイクルエンジニアリング

フルサイクルエンジニアリングとは、ソフトウェア開発における一連のライフサイクル(設計、開発、テスト、デプロイ、運用、サポート)のオーナーシップをエンジニアチームが持つ開発モデルです。
元々はNetflix社のPhilip Fisher-Ogden氏, Greg Burrell氏, Dianne Marsh氏による記事にて紹介されていた概念になります。

フルサイクルエンジニアリングでは、一連のプロダクト開発サイクル中での組織的分断を防ぐことによりコミュニケーションロスや遅延を最小化できます。

なぜフルサイクルエンジニアリングな組織が必要と考えているか

プロダクトエンジニアにとって、ユーザー・プロダクト価値の実現までの一連のサイクルが連続しているとコミュニケーションコストが下がり動きやすくなります。
その結果、ユーザーの課題解決のためにアジリティ高く機能開発・修正でき、よりPMF・品質にコミットした動きにつながりやすくなります。

そのため、マルチプロダクトのそれぞれでPMFへ持っていきたいResilireでは各プロダクトごとにプロダクト開発チームを構成することで、プロダクトエンジニアがフルサイクルエンジニアリングな環境でユーザー・プロダクト価値にコミットしやすい環境を整えることを目指しています。

反面、各プロダクトで求められる知識量・タスクは多くなりやすいという側面もあるので、プロダクトを適切に分割できるようにしたり、積極的な仕組みの自動化で負荷を軽減したりもセットで取り組んでいます。
こちらに関しては別の機会で、どのような構成で実現しているか、どういった仕組みで自動化しているのかについて説明できればと思います。

Resilire での採用方針と今後の展望

以上のような背景により、現状Resilireでは”プロダクトエンジニア”の採用を最重要視しております。

事業やプロダクトがスタートアップフェーズであることを踏まえてプロダクトエンジニアという職種・動き方がいま一番必要であると考えており、今後のマルチプロダクト開発体制においてもその必要性が継続すると思っております。

技術力については、事業の複雑性とエンタープライズ企業がターゲットであることからプロダクト側に求められる実装・セキュリティ水準が高めなのが現状です。
とはいえ、今後プロダクト・事業が成熟してきてユーザー・プロダクト課題にさらに高い技術力・専門性を持って応えることも必要になってくると考えております。

後半に言及したフルサイクルエンジニアリングという体制は、プロダクトエンジニアに限らず今後の各エンジニア職種の方々にとってもアジリティ高くプロダクト開発を進めるのに有用であると考えており、体制・実装の双方ともに今後さらにブラッシュアップしていければと思っております。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事では、まだまだPMF前でシリーズAのResilireにおけるエンジニア採用への思いを書かせていただきました。

本記事を通して、プロダクトエンジニアという職種・動き方がより認知されていくようになれば嬉しいです。

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