会社携帯をMVNOに替えてみた (選定編)
この記事を書いた背景
現在、弊社では携帯電話回線のコスト削減のためMVNOへの乗り換えを行っています。
背景として、携帯をよく使う人にもそうではない人にもほぼ同じフルスペックの契約プランを提供しており、非常に大きなコストがかかっていたためです。これらを最適化(使う人ごとに相応しいコストで運用)することで、他の付加価値サービスに予算を回せるため、目下対応中です。
MVNOとは
MVNOはMobile Virtual Network Operatorの略で、日本語では仮想移動体通信事業者と訳されます。NTTドコモなどの移動体通信事業者から通信回線を借り受け、サービスを提供している事業者をMVNOと呼びます。多くのMVNOは、移動体通信事業者から借り受けた通信回線を用いて、格安SIMと呼ばれる安価なサービスを提供しています。これは通信容量を抑えたり、サービスの内容をシンプルにしたりすることで、移動体通信事業者が提供する一般的なプランよりも価格を抑えたサービスです。
(出典:NTTコミュニケーションズ ICT Business Online)
会社の回線として、MVNOって大丈夫なの?
音声通話に限れば、純正キャリアと遜色ないといえるかと思います。
MVNOでも音声通信は純正キャリア網を利用するため品質に差は生まれません。
データ通信に関してはMVNOが決まった量の帯域をキャリアから借用していることから、それ以上の通信が行われるとパフォーマンスの低下(お昼に繋がりにくい)がありうる。
個人的には、音声メインでデータ通信をさほど重要視しないというニーズに合ってさえいれば、MVNOでも十分考慮に値すると考えています。
弊社のユースケース
社内調査を行い、大体こんな傾向があることがわかりました。
- 全体で見るとデータ通信のニーズはあまり大きくない
- 全くないわけでなく、それなりの容量を必要としている方も一部いる。
- 10分を超える通話を頻繁にされる方も少ない。
- 通信キャリアは分散させたい
- 1つのキャリアで障害が起きた時の冗長性を確保するもの
その他欲しい要素
リモートワーク下でも管理が楽であることが一番重要かと考えています。
主に下記の要素になります。
- リモートワーク下でも調達(新規・契約変更)が容易
- 使用状況などをWebから取得できる
使う人ごとに相応しいコストに最適化するためには、利用状況を見つつ最適なプランに修正できる余地があることが必要だと考えています。それを満たせるMVNOを重視します。
MVNO候補
法人契約が可能なMVNOのうち、下記の3社が候補に上がりました。
メリットデメリットは弊社特有のものですので悪しからずご了承ください。
1. 日本通信SIM (合理的プラン)
- メリット
- 小容量からでもギガバイト単価が安い (最初の1GB¥290,以降1GBごと¥220)
- デメリット
- docomoのみ
- オプションが若干高め。 (かけ放題¥1,700など)
2. BIGLOBE biz.
- メリット
- 2キャリア(docomo,au)が利用可能
- 小容量でも比較的手頃な価格帯 (¥1,000/3GB)
- デフォルト容量の選択肢が豊富 (0GB〜30GBまで7種類)
- デメリット
- 大容量プランのギガバイト単価が3社で一番高め (¥7,250/30GB→¥242/GB)
3. mineo
- メリット
- 3キャリア(docomo,au,softbank)が利用可能
- パケットシェアが利用可能
- 大容量プランだとGB単価が日本通信SIMと並ぶ (docomoの場合¥6,600/30GB→¥220/GB)
- デフォルト容量の選択肢は6種類 (0.5GB〜30GBまで)
- デメリット
- 小容量プランのギガバイト単価は3社で一番高め (docomoの場合¥1,600/3GB)
なお、管理の楽さに関してはどれもWeb上からある程度確認や手続きが可能そうなので、評価としては横並びでした。
選定結果
最終的にmineoにしました。
確かに1回線単価は高いのですが、会社全体でパケットシェアできることによりさらなる最適化の余地がありそうだと考えたからです。仮に容量が足りなくなっても誰かの回線容量をGB単価が一番安い30GBに変えることで安価に全体容量を増やせるのでは、と判断しました。
他にも3キャリア全てが選択肢に入っていることも好印象になりました。(現状は3キャリア全てに分散する予定はないのですが選択肢としてあった方が安心)
おわりに
8月9日現在、利用状況調査を終えて回線手配の真っ最中になります。
全体的なコストはまだ試算段階ですが、移行前の半分ぐらいには減らせるものとみています。
減らせた分は他の付加価値に回そうと画策中です。
もちろんユースケースによっては純正キャリアが外せないという事も往々にしてあるので、MVNO移行は万人向けの最適解ではないです。あくまで一例としてご覧いただければ幸いです。
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