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Google Cloud Platformの利用料金を抑えるための確約利用割引について

2024/03/04に公開

初めに

最近、自社サービスでのGoogle Cloud Platform(GCP)の利用が増えてきたことにより、利用料金が増えてきました。

Google App EngineやCloud Run、Cloud Functionなどのサーバレスな環境を使うことによって使用量に応じた利用料が課金されるようにしていますが、一部のシステムにおいては前環境の移行だったり、利用したいアプリケーションのためGoogle Compute Engine(GCE)を使用したい場面があり実際そうしています。

プロダクション環境でGCEのインスタンスを24時間365日稼働させなければならない利用法だとその利用料は馬鹿にできない金額になる場合があります。

またサーバレスな環境においても、常に一定なワークロードを実行している場合もあり、その場合はGCEで稼働させるよりも割高になる場合があります。

そこで常に稼働していなければならないGCEインスタンスやサーバレスのサービスの利用料金を下げる方法を調べたところ、「確約利用割引」というものを見つけました。今回は確約利用割引について調査して分かったことを記載します。

確約利用割引とは

確約利用割引はCUD(Committed Use Discount)ともよばれ、一定の利用をGoogleにコミット(確約)することと引き換えに、通常よりも割引された料金でGCEリソースを利用できる割引プランのことです。

確約利用割引には主に2つの種類があります。

  1. リソースベースのコミットメント:一定のGCEリソースを1年間または3年間使用することの確約と引き換えに、最大57%の割引料金が適用されます。

  2. 費用ベースのコミットメント(Flexible CUD):こちらは「いくら金額を使うか」をコミットし、最大46%の割引を受けることができます。リージョンやマシンシリーズに縛られないメリットがあります。

リソースベースのコミットメント

GCPの「リソースベースのコミットメント」は、特定のGCEリソース(vCPU、メモリ、GPU、ディスクなど)を1年間または3年間使用することをGoogleに確約(コミット)することで、通常の料金よりも割引された料金でリソースを利用できるプランのことを指します。

このプランを利用すると、リージョン内に存在しているそのスペックを持ついずれかのVMに自動的に割引が適用されます。つまり、当初に割引対象として想定していたVMの設定を変更して、別のインスタンスタイプに変えたとしても、同じタイプのインスタンスが他に存在していれば、自動的にそちらに割引が適用されます。

特徴

  • マシンタイプで割引率が変わります: 1年間で37%割引、または3年間ではメモリ最適化マシンタイプは70%割引、その他は57%割引で利用を確約すること得られます。
  • 支払いは毎月: 前払いはなく、支払いは毎月行われます。
  • 割引の共有を利用することで割引を共有:通常はプロジェクト単位での購入ですが、割引の共有をすることによって請求アカウント単位で割引を共有することができます。

利用方法

  • 購入:vCPU、メモリ、GPU、ディスクなどに対してそれぞれ確約利用割引を購入できます。
    コミットメントの作成はコンソールやCLI、API経由で可能です。
  • 適用:購入すると、リージョン内に存在しているそのスペックを持ついずれかのVMに自動的に割引が適用されます。
    そのため、当初に割引対象として想定していたVMの設定を変更して、別のインスタンスタイプに変えたとしても、同じタイプのインスタンスが他に存在していれば、自動的にそちらに割引が適用されます。
  • 請求:購入したコミットメントに対しては、たとえ使用していなくても毎月請求があります。
    例えば、8コアのコミットメントを購入したとして、実際には4コア分しか使っていなくても、しっかり8コア分が請求されます。
    また、購入したコア数を超える分については、自動的に標準料金で請求されるようになります。
  • キャンセル:一度購入したコミットメントは取り消すことができません。

リソースベースのコミットメントが使えるサービス

  • Compute Engine

費用ベースのコミットメント(Flexible CUD)

GCP の「費用ベースのコミットメント」(Flexible CUD)は、予測可能かつシンプルな定額割引(1年間で28%割引、3年間で46%割引)で、プロダクトやサービスに最小限の使用量分の費用を支払うことのコミットメントと引き換えに、通常の料金よりも割引された料金でリソースを利用できるプランのことを指します。
同じ請求先アカウント内のプロジェクト間や、異なるサイズやテナンシーのVMに柔軟なCUDを適用し、コストを抑えながら変化するワークロード要件に対応できます。

特徴

  • 予測可能かつシンプルな定額割引:1年間で28%割引、3年間で46%割引が適用されます。
  • 複数のVMファミリーとリージョンに適用可能:リージョンやマシンシリーズに縛られず、複数のVMファミリーとリージョンに適用できます。
  • 同じ請求先アカウント内のプロジェクト間で適用可能:同じ請求先アカウント内のプロジェクト間や、異なるサイズやテナンシーのVMに柔軟なCUDを適用できます。

利用方法

  • 購入:Flexible CUDはGoogle CloudコンソールまたはAPI経由で購入できます。
  • 適用:購入から1時間後に発効され、対象となる使用量に対して自動的に割引が適用されます。
  • 請求:フレキシブルCUDを購入すると、使用量がこのコミットメント値を下回っても、コミットメント期間中はずっと同じコミットメント料を支払うことになります。コミットメント料金は月単位で請求されます。
  • キャンセル:一度購入したコミットメントは取り消すことができません。

費用ベースのコミットメントが使えるサービス

  • AlloyDB for PostgreSQL
  • Cloud Bigtable
  • Cloud Run
  • Cloud Spanner
  • Cloud SQL
  • Compute Engine
  • Google Cloud VMware Engine
  • Google Kubernetes Engine(Autopilot)
  • Memorystore

まとめ

以上がGCPの確約利用割引の説明となります。これらの情報を参考に、適切なコスト管理を行うことが重要です。皆さんのGCP利用料金の削減に少しでも役立てれば幸いです。

参考

https://cloud.google.com/docs/cuds?hl=ja

https://cloud.google.com/blog/ja/products/management-tools/introducing-committed-use-discount-recommendations/

https://cloud.google.com/blog/ja/products/compute/save-money-with-the-new-compute-engine-flexible-cuds/

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