「エンジニア組織を強くする開発生産性の教科書」を読んでみました
はじめに
「エンジニア組織を強くする開発生産性の教科書」を読んでみたので、
簡単に内容と感想をまとめてみました。
この本を読んだ経緯としては、勧めてくれた方がいたのと、
過去に担当していた現場で、リーダーの方から「開発生産性をあげよう!」という事をメンバーに投げかけていたことを思い出し、当時自分は何となく程度でしか、開発生産性について理解しておらず、
改めて学びたいと思い、本書を読んでみました。
第1章 開発生産性とは何か
感想:
開発生産性の定義や必要性をわかりやすくまとめてあったのが印象的でした。
また、個人、チーム、組織といった異なるレベルでの生産性の考え方が示され、どの視点からも改善が可能であるという点が実務に役立ちそうだと感じました。
第2章 開発生産性向上のためのステップを知る
感想:
開発生産性に対する理解は特に重要だと感じました。
メンバーの理解が足らない中で、上司やリーダーの方から指示されるだけでは、浸透は難しいと感じました。
具体的な進め方、効果などがメンバーが把握していないと、通常の業務との板挟みで、開発生産性向上に繋がらない、というのが、自身の体験談です。
また、改善活動を始めるための具体的なステップが示されており、特に現状の可視化と課題の優先順位付けの重要性が印象的でした。
第3章 生産性向上の取り組みを阻害する要因とその対策
感想
生産性向上の障害となる要因を個人、チーム、組織の各レベルで具体的に分析しており、実務で直面する課題に対するヒントが多く得られました。
特に、心理的安全性の欠如やリソース不足といった問題に対する対策が明確で、これらの問題にどう取り組むべきかを理解できました。
章の最後に「皆さんが思っている以上に、組織全体の取り組みとして推進することが必要になります。」とあり、正しくその通りだと感じました。
第4章 パフォーマンスを測るための指標
感想
Four Keys などの指標を用いた具体的な生産性の測定方法が非常に実用的だと感じました。
今所属しているチームでは、メンバーのおかげで、生産性をかなり向上することができました。
数値で見える化することで改善の成果を把握でき、チーム全体で生産性向上の取り組みを共有しやすくなる点が特に参考になりました。
また、指標選びにおいては、チームの文化や目標に合ったものを選ぶ柔軟性が必要であると感じました。
私自身は、今日までに開発生産性を計測する現場に所属したことはないのですが、
実際に測るのは少し大変そうとは思うものの、「エンジニア組織を強くする」という点において、重要だと感じました。
第5章 - 第9章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組む
多様な企業やプロジェクトの事例を通じて、実際にどのようなアプローチで生産性向上が実現されたのかを学べました。
また、成功事例だけでなく、失敗から学んだ教訓も紹介されており、理論と実践の両方がバランスよく組み込まれた内容だと感じました。
第10章 Appendix
感想
付録に収録された具体的なツールやテンプレート、そして海外事例の紹介が非常に実践的で、読み物としてだけでなく手元に置いて使える資料となっています。
特に、LLM(大規模言語モデル)が開発生産性に与える影響についての解説は興味深く、今後の技術トレンドを見据える上でも有益でした。
実際に LLM ( ChatGTP や GitHub Copilot など) は、現在の現場では使用することを推奨していて、私自身も活用しています。
使用することにより、使用する前より開発生産性も上がっている、と実感できるので、
LLM の重要さは高いと感じております。
最後に
「エンジニア組織を強くする開発生産性の教科書」という名の通りの本だと思いました。
開発生産性とはどういうことか、開発生産性の重要性、向上させるための取り組み、パフォーマンスを図るための指標など、非常に勉強になりました。
個人的には開発現場のリーダーや開発組織をまとめる方はもちろんとして、私のような一エンジニアでもお勧めできる本だと思いました。
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