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Latex 現象と解決

Sho KunoSho Kuno

現象

LaTeXコンパイル時に以下のエラーが発生した:

  • 文献引用で Citation undefined の警告が多数表示された。
  • main.bblmain.aux が見つからないエラーが出た。
  • 正しいPDFが生成されなかった。

問題

中間ファイル(.aux, .bbl, .blg, .log など)が不整合を起こし、コンパイルプロセスが正しく進行しなかった。


原因

  • LaTeXは中間ファイルを利用して文献データやクロスリファレンスを管理するが、古い状態や不完全な中間ファイルが残っていると、データが正しく反映されない。
  • 特に、.bbl ファイルが生成されないことで文献が出力されなくなった。

解決策

  1. 中間ファイルをすべて削除する:
    rm *.aux *.bbl *.blg *.log
    
  2. LaTeXを正しい順序で再コンパイル:
    pdflatex main.tex
    bibtex main
    pdflatex main.tex
    pdflatex main.tex
    
  3. これにより中間ファイルがリセットされ、正常な文献データと参照が反映されるようになった。

Sho KunoSho Kuno

現象

  • ElsarticleクラスでAPAスタイルの引用を使おうとした際にエラーが発生。
  • 文献の引用が正しく動作せず、警告やエラーが表示された。

問題

Elsarticleクラスはデフォルトでnatbibを使用する設定になっているが、apaciteパッケージと競合しやすい。このため、APAスタイルを利用しようとするとエラーや警告が発生する。

原因

  • Elsarticleクラスはデフォルトでnatbibをロードするため、apaciteとの互換性が保たれない。
  • natbibを無効化せずにapaciteを利用すると競合が発生し、文献の引用が正しく動作しなくなる。

解決策

以下の方法で競合を回避し、APAスタイルの引用を使用可能にする:

  1. nonatbibオプションを指定してelsarticleクラスを読み込む。
  2. apaciteパッケージを利用してAPAスタイルを設定する。

最小動作例

\documentclass[nonatbib]{elsarticle}

\begin{filecontents}[overwrite]{mybib.bib}
@article{abc:3001,
  author  = {Anne Author and Brenda Buthor and Carla Cuthor},
  title   = {Thoughts},
  journal = {Circularity Today},
  year    = {3001},
  volume  = {1},
  number  = {2},
  pages   = {3--4},
}
\end{filecontents}

\usepackage{apacite}
\bibliographystyle{apacite}

\begin{document}

本文からの引用: \cite{abc:3001}

\bibliography{mybib}

\end{document}
Sho KunoSho Kuno

国際ジャーナル投稿時のReference管理ベストプラクティス

国際ジャーナルに論文を投稿する際、Reference(参考文献)の適切な管理は重要である。特に、投稿時のフォーマットやBibTeXの扱いについては、以下のベストプラクティスを押さえておくと良い。

1. Reference管理の基本方針

  • BibTeXを使用: LaTeX原稿では通常、BibTeX形式で参考文献を管理し、.bib ファイルを作成する。
  • 投稿時はthebibliography環境を使用: 一部のジャーナルでは .bbl ファイルのアップロードが不要な場合があり、その際は thebibliography 環境に直接Referenceを記述する。
  • 一貫性を保つ: ジャーナルのフォーマットガイドライン(APA, IEEE, ACM, Elsevierなど)に従う。

2. BibTeXを使用する場合のワークフロー

  1. .bib ファイルを作成し、すべての参考文献を管理する。
  2. LaTeXファイル内で以下のようにBibTeXを適用する。
    \bibliographystyle{指定されたスタイル}
    \bibliography{references}  % references.bib を使用
    
  3. pdflatexbibtexpdflatex ×2 の順でコンパイルし、.bbl ファイルを生成する。

3. 投稿前のReference変換(bblフリーズ)

  • .bbl ファイルを開き、 thebibliography 環境の内容をコピーする。
  • .tex ファイル内の \bibliography{} を削除し、 thebibliography 環境を手動で記述する。
  • \bibitem には、論文上で表示する文字列を [] で囲んで明示する(著者名と年)。
  • 例:
    \begin{thebibliography}{99}
    \bibitem[Smith(2020)]{Ref1}
      Smith, J., "論文タイトル," ジャーナル名, 巻(号), ページ, 年.
    \bibitem[Doe & Brown(2019)]{Ref2}
      Doe, J., & Brown, M., "論文タイトル," 会議名, ページ, 年.
    \end{thebibliography}
    

4. Referenceの最終チェック

  • フォーマットがジャーナルのスタイルに合っているか確認(カンマ・ピリオドの位置や略記方法など)。
  • DOIやURLを含めるか確認(求められる場合のみ)。
  • 著者名の表記統一(イニシャルやフルネームの扱い)。
  • 適切な文献数か確認(参考文献の上限がある場合がある)。

5. 参考文献の推敲と管理

  • Mendeley, Zotero, EndNoteなどのReference管理ツールを活用
  • BibTeXエントリの形式を統一(特に著者名のカンマの扱いやタイトルの大文字小文字)。
  • 不完全な文献情報を修正(出版年やジャーナル名の省略を避ける)。

6. トラブルシューティング

  • エラーが出る場合: BibTeX エラーを確認し、不完全なエントリを修正。
  • 長すぎるDOI/URLが折り返されない: breakurl パッケージや - **長すぎるDOI/URLが折り返されない**: breakurlパッケージや\url{}` を適用。
  • フォーマット違反: ジャーナルのガイドラインと一致しているか確認。

7. まとめ

国際ジャーナル投稿時には、 bblフリーズ を活用し、 thebibliography 環境に直接記述する方法が推奨されることが多い。適切なReference管理とフォーマットチェックを行い、投稿規定に沿った形式で仕上げることが重要である。

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