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RubyKaigi 2025 参加レポート

に公開

こんにちは。レンティオ株式会社でエンジニアをしている太田です。
4/17~4/19に松山で開催されたRubyKaigiに参加してきました!気になったところをまとめていきます。
なお、レンティオは今回のRubyKaigi 2025にシルバースポンサーとして参加しました。クーポンなどのノベルティも配布しており、手に取っていただいた方がいらっしゃればうれしいです。

1. はじめに

RubyKaigiへの参加は2018年以来でした。ユーザーカンファレンスではなく、言語そのものの開発者が集まるカンファレンスに参加できるというのはとても貴重な機会です。それが日本国内で、しかも多くのセッションを日本語で聴けるというのは本当にありがたく、また参加したいと前々から考えていました。

開催地の愛媛県松山市には初めて訪れました。道後温泉や松山城など、観光地としても魅力的な場所が多く、参加前から非常に楽しみにしていました。

これから、今回のRubyKaigiで印象に残ったセッションや交流を通じて得た気付きを紹介していきたいと思います。

2. 印象に残ったセッション

「Ruby Taught Me About Under the Hood」 - @ima1zumiさん

このセッションでは、ima1zumiさんが文字コードの概要や歴史を紹介しつつ、自身がどのように興味を持ち、なぜ深く掘り下げていったのかを語っていました。1つのテーマを突き詰めることが、エンジニアとしてのキャリアを広げる可能性を示してくれました。

Rubyエンジニアになる前のメインフレームでのUnicodeを使わない制約下での開発経験からコンピュータで文字を扱うことの難しさを知り、さらにirbで絵文字を入力したときの不具合修正をきっかけに文字コードへの興味を深めてコミッターになったという話はとても納得感がありました。

RubyのUnicode 15.1.0へのアップデートでは、特定の新形式の追加によりテストが失敗してそこから修正する事例も紹介されていました。現在進行中のUnicode 16.0.0へのアップデートについても触れられており、継続的な改善や苦労を知ることができました。

https://speakerdeck.com/ima1zumi/ruby-taught-me-about-under-the-hood

「Automatically generating types by running tests」 - @sinsoku_listyさん

このセッションでは、テストを実行することで型情報を自動生成しようというアプローチについて紹介されました。

既存のRubyコードに型を導入するには、最初に型を手で書かなければならないという課題があります。これに対して、型の注釈を人手で書くのではなく、テストから得たトレース情報をもとに型定義を導出するしくみが提案されていました。

テストコードはすでに多くのコードベースに存在しており、そこから型情報を得るというアプローチは非常に実用的かつ現実的で、今後の型サポートの可能性を広げるものであると感じました。またこのしくみの実現にTracePointが使われており、メソッド呼び出しなどのイベントをフックして処理を追加できる点におもしろさを感じ、個人的にも興味をもちました。

https://speakerdeck.com/sinsoku/automatically-generating-types-by-running-tests

「Ruby Committers and the World」

このセッションはRubyKaigi恒例のパネルディスカッション形式で行われました。Rubyコミッターがステージに登壇し、Rubyの現状や今後の方向性について議論していました。

議論の中では、コミッターそれぞれの個性や考え方を垣間見ることができました。特にStatic Barrierについては、「コミュニティを分断してしまう」「最終的に全体に導入しなければ意味ない」「部分導入でも意味ある」など活発な議論が繰り広げられていました。

Rubyの進化を支えるコミッターの生の声を聞くことができ、コミュニティの熱意や活力をあらためて感じる刺激的なセッションでした。

3. ネットワーキングと交流

アフターパーティーは初日に松山城の麓にある城山公園やすらぎ広場で開催されました。開放的な空間で松山の名物料理やクラフトビールを楽しみながら、多くのエンジニアと交流を深めることができました。

また、アフターパーティー以外にも各社が主催するドリンクアップや地域Rubyコミュニティの集まりに参加し、スピーカーや各社のエンジニアの方々と直接話をする機会を得ました。プロポーザルの提出や発表準備の苦労話を聞き、自分もいつかイベント登壇したいという意欲が湧きました。

4. 全体の感想と今後の展望

RubyKaigiを通じて、多くの刺激や気付きを得ることができました。優れた技術者たちの話を聞き、Rubyコミュニティやほかの技術カンファレンスへの参加意欲が一層高まりました。また、最前線の技術をキャッチアップし、自分自身が興味を持ったことを深く掘り下げていくことの重要性を再認識しました。

セッション中で何度も話題に上がっていたTracePointに特に関心を持ちました。メソッド呼び出しなどをキャッチして処理を挟めるというところにおもしろさを感じており、今後も深掘りしていきたいと思います。

今回のRubyKaigiはセッション内容やアフターイベントを含め、とても楽しく、学びの多い充実したイベントでした。来年は函館で開催とのことです。ぜひ来年も参加したいと思っています。

番外編

愛媛に来たのは初めてだったのでカンファレンス以外の時間は少しばかり観光しました。

ホテルに一番近いルートから登ったところ、うっそうとした樹木や未舗装の道が多く登り始めてすぐに『これは選ぶルートを間違えたかもしれない…』と後悔しましたが、それも含めて良い思い出になりました。天守からの眺めは絶景でした。

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地元名物もいただきましたが、個人的には鯛めし、鯛出汁のラーメンが最高でした。

https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38011850/

https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38014291/

採用情報

現在レンティオでは、Ruby on Railsエンジニアを中心とした採用を進めています。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ採用ページをご覧ください!
https://recruit.rentio.co.jp/engineer

https://www.rentio.jp/

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