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IT未経験の新卒1年目がServiceNow 〜CSA・CAD・CIS-ITSMを取得した学習戦略と実務活用〜【ServiceNow】

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はじめに

この記事では、ServiceNowの認定資格である
「CSA(Certified System Administrator)」
「CAD(Certified Application Developer)」
「CIS-ITSM(Certified Implementation Specialist - IT Service Management)」
上記の3つのServiceNowの資格をIT未経験の筆者が入社から1年という短期間で取得した経験を共有します。
資格取得の動機、各資格の概要、効率的な学習方法、そして資格取得が実務にもたらした変化について簡単に説明します。
これから資格取得を目指す方や、短期間でIT専門性を高めたい方の参考になれば幸いです。
特に未経験の方に勇気を与えられたら嬉しいです。

簡単な自己紹介とServiceNowとの出会い

現在都内のIT企業で働いてて3年目になります。
この記事は2年前の新卒1年目の当時の話を振り返り記載しております。
筆者自身は文系の大学で経済学を専攻していて、入社するまでIT知識はありませんでした。
入社後3か月間の基礎的なIT研修を終え、最初に配属された業務は「ServiceNow」という企業の業務効率を向上させるプラットフォームの導入案件でした。

未経験からIT業界に飛び込んだこともあり、いち早く戦力として貢献したいという思いが強く、そのために何ができるか常日頃考えていました。
「先輩社員と比較すると、新卒の弱みは経験不足が大きい。しかし知識を体系的に学べる資格勉強を行えば、経験の少なさをカバーできるのではないか。」と思いました。
そこで、入社1年目の目標として「ServiceNowの資格取得」の目標を掲げました。

ServiceNow資格の概要と価値

ServiceNowの認定資格は、大きく分けて管理者向け、開発者向け、実装スペシャリスト向けの3種類があります。今回私が取得した3つの資格は以下になります。

CSA(Certified System Administrator)
ServiceNow資格の基礎として最初に取得すべき資格。
プラットフォームの基本機能と管理方法を証明します。
管理者向けの資格にあたります。

CAD(Certified Application Developer)
CSAの上位資格で、開発スキルを証明する資格。
カスタムアプリケーション開発やスクリプティングの知識が問われます。
開発者向けの資格にあたります。

CIS-ITSM(Certified Implementation Specialist - IT Service Management)
ITSM領域の専門的な実装知識を証明する資格。
インシデント、問題、変更管理やサービスポータルについての知識などが問われます。
実装スペシャリストの資格にあたります。

私が行っていた学習時間と戦略

各資格の取得にかけた平均学習期間:

  • CSA:約2ヶ月(難易度は低いが最初に学ぶため時間がかかりました。)
  • CAD:約1.5ヶ月
  • CIS-ITSM:約2ヶ月

学習時間の確保のために行った工夫:

  • 朝の学習:出社前の時間を早起きをして学習時間として固定
  • 隙間時間活用:通勤時間や昼休みにドキュメントや模擬試験の対策
  • 週末集中学習:土日どちらかを集中して学習

各資格の難易度比較

CSA
基礎的な内容が多いが範囲が広い。ServiceNowの概念に慣れていない状態では難しく感じた。

CAD
実際の試験ではコードを書くことはないが、このコードはどういった処理を行うかなどが問われるためJavaScriptの基礎知識が少し必要。
また、APIの使い方やスクリプトの実行タイミング、それぞれの機能の役割や実行領域の理解が重要。また、CSAの内容を理解していることが前提となる。

CIS-ITSM
ITIL知識とServiceNowでの実装方法の両方が問われる。実務経験がないと理解しづらい概念もあるが、ITSMの基本を押さえれば、それをどうやってServiceNowで行うか知識と紐づけをすることで対応が可能。

資格取得への道のり

CSA:入社して6ヶ月目(10月)

ServiceNow公式の無料学習プラットフォーム【Now Learning】で体系的に学習しました。
最初の学習という事もあり、ServiceNow特有の概念理解に苦労しましたが、公式サイトのPersonal Developer Instance(PDI)で実際に操作しながら学習しました。

CAD:入社して8ヶ月目(12月)

JavaScriptやServiceNow APIの使い方や、UI policy,Client script,Business ruleなどを重点的に学習し、開発に必要な知識を学びました。
同時並行でJavascriptの勉強もしていたので、理解は比較的スムーズに出来たかと思います。

CIS-ITSM:入社して11ヶ月目(3月)

ITILフレームワークの理解とServiceNowでのITSMプロセス実装方法を学び、実際のビジネスシナリオに基づいたベストプラクティスの適用方法を習得。
ちょうど応用情報技術者試験の対策として、ITSMの分野の勉強を行っていたので、そこで得た知識と紐づけながらServiceNowでどう実装していくかを意識しながら学習を行いました。

効果的な学習リソース

  • Now Learning: ServiceNowの公式学習プラットフォーム
  • ServiceNow Docs: 機能の詳細な説明や設定オプションを網羅した公式ドキュメント
  • ServiceNow Developer Site: 開発者向けのコードサンプルやチュートリアル
  • Udemy: 試験対策に向けた模擬試験演習
    ※セールが頻繁に行われ、かなり値段が安くなるためセール時に講座を購入した方が良いです。

資格取得が実務にもたらした変化

CSA取得後:
基礎的な知識や全体像の把握ができるようになった。

CAD取得後:
UI Policy,Client Script,Business ruleの役割の違いや実行箇所や順序などを理解し実装できるようになった。
ServiceNow APIを利用したスクリプトの実装(Javascript使用)ができるようになった。

CIS-ITSM取得後:
ITSMをServiceNowを通してどのように実装していくか、機能をどう使用するのかの理解が出来るようになった。

これから資格取得を目指す方へのアドバイス

効果的な学習計画

基本的には以下の流れで合格できると思います。

  1. Now Learningで学習したことを実際に手を動かしながら概要をつかむ。
  2. 試験の出題範囲を確認したうえでUdemyで提供されている模擬試験をこなし実際にどのように試験で知識を問われるか、理解できていない知識はどこかあぶり出す。
  3. 理解が怪しい所に関しては、Now Learningを復習したり、web上で別の分かりやすい情報を見つける。
  4. Udemyで提供されている模擬試験で合格圏内に入るまで繰り返し解きなおす。

おわりに:1年間の成長を振り返って

資格勉強を行ったことで体系的な知識を得ることができ、理解できる範囲が格段に増えたため、実際の業務で知識がかなり役立ちました。
また、IT未経験から資格の取得を1年で3つも達成できたのが自信にもつながりましたし、率直に嬉しかったです。

さらに、ServiceNowのパートナー企業においては、認定資格保持者の人数が「パートナーレベル」に直結し、レベルをあげるには一定数の認定資格保持者が必要です。
そのため自社に対しても良い影響を及ぼせたと思っています。

「若手だからできることは限られる」という固定観念を捨て、「専門性があれば年次に関係なく価値を提供できる」という信念を持って、これからも成長を続けていきたいと思います。

この記事が「資格取得に挑戦したい」「短期間で専門性を身につけたい」と考えている方々の参考になれば幸いです。
ご一読いただきありがとうございました。皆さんの挑戦を心から応援しています!

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