Slackのリスト機能で「後で」を綺麗に保つタスク管理活用術
はじめに
弊社のコミュニケーションツールは、Slackに統一されている。普段の業務の会話について、部署内、部署間コミュニケーション問わず、なんでもSlackに流す。awsの通知も。Lambdaや自作アプリなどのincoming webhook通知も。Googleのドキュメントの変更通知も。confluenceの変更通知も。全ての情報がSlackに集まる。
今まではやることを"後で"に追加しかSlackの機能がなかった。
後でを綺麗に保つことは難しく、大体常にこんな感じ。
通常時がこれくらい。多いときで50件くらいとなってしまう。これだと、ほんとに今日中にやるべきものと、覚えておきたいだけのもの、時が来たらやることなど、いろんなものが"後で"となっており、大事なものが見えなくなっていた。
最近、Slackにリスト機能が追加された。
Webの記事やSlack公式は、タスク管理にも少し触れているが、基本はプロジェクト管理に重きを置いた説明がなされている。
この機能を見て、以前タスク管理オタクだった私は思いだした。個人のGTDのタスク管理、これできるようになったのでは??
この記事では、GTDの概念、Slackの"後で"とリストをベースとしたタスク管理活用術を紹介する。
ターゲット
- 個人のタスク管理に興味がある人
- Slackでのタスク管理に興味がある人
- Slackの"後で"が溢れている人
この記事で伝えたいこと
- GTDの基本概念
- SlackでGTDを実現するための方法
- 個人のタスク管理を、Slackの"後で"といくつかのリストで運用する実例紹介
GTDとは
GTDとは、頭の中で覚えないで、全てを外出しする整理術のこと。実行にだけ頭をフル活用。それ以外はツールと習慣に任せる。
GTDのフローは以下の通り。
- 収集
- 頭の中の気になることを書き出す。
- 書き出し先は1つのツールにできるだけ絞る
- 処理
- 次のフローチャートに従い、気になることを処理する。
- 整理
- 次のフローチャートに従い、いずれかのカテゴリーへ分配する
- レビュー
- 各カテゴリーの中身を定期的に棚卸しする。
- 実行
- 次に取るべき行動のリストに集中する
次に示すのは処理と整理のフローチャートを抜粋。
つまり、日頃から収集で書き出し、作業をフローチャートに沿って整理、TODOだけに集中、定期的にレビューというサイクルを回し続けることで、頭の中でTODOを記憶することをやめて実行だけに集中し、アウトプットを最大化、忘れることを防止するというのがGTDだ。
GTDを実行することを目的とした、紙のシステム手帳や、Webツールはたくさんあったが、どれもそこそこ値段がする。macのOmnifocusが代表だと思うが、Macのソフトにして当時8000円くらいしていたが当時は頑張って使いこなそうとしていたが、当時のwindows / excelの作業環境にマッチせず断念した苦い思い出がある。
ただ、タスクはinboxに貯めてあとで整理するとか、タスクをカテゴリーに分けるとか、定期的にレビューすべしなど根幹のような考え方は今でも使っていた。
そんなときに、Slack公式からリストの発表があったため、今回の記事のような使い方に思い至った。
Slackのリストを使ったタスク管理概要
それでは本題のSlackのリストを使ったタスク管理を説明する。
ポイントは以下の3点。
- "後で"をinbox、兼、次に取るべき行動リスト(TODOリスト)とする
- "後で"を処理・整理してからリストへ振り分け
- 残った"後で"をじっくりやる
個人的にはすでにinboxの"後で"へやることを貯めて実行していたため、そのまま"後で"にTODOを残す運用が嬉しいので上記としているが、別にTODO用にリストを作り、inboxと分ける運用でもいいと思う。
また本運用はモバイルのSlackアプリや、デスクトップのSlackアプリで実行できるため、どこでも整理ができる点もメリット。
Slackの操作
リストを作成
モバイルもデスクトップもすでに両方対応済み。
デスクトップは左メニューから追加。
モバイルは分かりにくいが、検索バーを選択するとリストが表示される。
詳細はこちら。
リストへ追加
モバイルもデスクトップもすでに両方対応済み。デスクトップアプリではこんな感じで、チャットを選択すると右の方にリストへ追加が出てくる。
ビューを追加
日付を入力したタスクを当日で絞るのに利用するため、ビューを以下の要領で作成しておこう。(後述するが、未来やるが含まれているリスト、連絡待ちのリストの2つのみでOK、任意)
詳細はこちら。
運用例
Slackだけで行うGTDタスク管理の運用例をこちらで紹介する。
イメージは以下の通り。
事前準備
作成するリストは3種類。
- 資料
- 連絡待ち(ビューも追加)
- いつかやる・多分やる・未来やる(ビューも追加)
フィールドの追加等は不要。リストを作るだけ。
収集
- SlackのDMやプライベートチャンネルで頭にあるやるべきことを洗い出し、"後で"に追加
- Slackのチャットで依頼を受けたものを"後で"に追加
- 覚えておきたいものを"後で"に追加
処理・整理
"後で"に溜まったものをフローチャートに従い、処理・整理する。
このとき、"後で"から最終的にいなくなるタスクについては、"後で"のチェックを外しておくこと。
カテゴリーへ分配する際は、"後で"だけ見て、リストへ追加していく。モバイルで可能であれば、電車の行き帰りでも可能。
次に取るべき行動が1つではないものについては、まずは手法調査や関係者集めて会話が必要になるケースだと思うので、弊社開発部の場合は、別途Jiraで作業をチケット管理しているため、Jiraでチケット起票となる。
いまやろう!については、2分の目安となっているが、5分くらいでもいいのでさっさとやる。検討が必要だったり、20分くらい作業が必要であれば、"後で"に残す。
レビュー
以下を定期的に棚卸し。"後で"は基本毎日、その他も必要に応じて実施。
- 後で
- どんどん依頼されたものが増えているはずなので、日々処理・整理のフローを回す
- 連絡待ち
- 連絡がきていれば完了、新たなタスクになる可能性もあるため、別途"後で"へ追加し対応
- 連絡がきていなければフォロー
- いつかやる・多分やる・未来やる
- 手が空いていたら、いつかやる・多分やるを実施
- 未来やるについては、やる日付がきたら実施
連絡待ちと未来やるの期日を判別するために、ビューを利用する。先ほど追加したビューを選択すれば、タスクに日付けが入っていれば当日やるべきことだけ見える状態になる。
実行
ここまで準備が整っていたら、"後で"のみをみて実行する。他のことは頭から除外しても、Slackのリストが管理してくれているので、忘れ物がないかを心配する必要はなく、作業に集中できる。
最後に
手法の話をGTDのタスク管理の本に合わせて書いてみたが、ようするに以下を守るだけで、"後で"を綺麗に保つことができる。
- リストをいくつか作る
- "後で"は直近で自分がやることだけにする
- 他は作ったリストに全て突っ込む
Slackは常に見るもの。余計なノイズは極力排除して、本当に見たいものだけにしたい。
後日談
1ヶ月くらい運用してみたが、忙しい時は綺麗に保てなくなるけど、後で落ち着いた時にタスクの逃し先があるだけ整理しやすいので、やっぱりSlackのリストは神機能だなと思いました。
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