🎉
「ニュッと大きく」の地獄 ─ LPアニメーションを言葉で伝えられない人のための辞書
「スクロールしたら、コンテンツがふわっと表示される感じにしたいんです」
「このボタン、マウスを乗せたらニュッと大きくできませんか?」
Web制作、特にランディングページ(LP)の現場で、こんな 感覚的な表現 でアニメーションを説明したことはありませんか?
これらの言い回しは、雰囲気や方向性を共有するうえでは便利です。
しかし、AIに生成を依頼したり、エンジニアに実装を渡したりする際には、終わりの見えない “認識すり合わせの往復” が始まってしまいます。
なぜ「感覚で伝える」と地獄になるのか
「ふわっと」は、フェードインかもしれません。
でも、「スライドしながら」かもしれません。
あるいは、「スケールアップを伴うふわっと」かもしれません。
つまり “1つの言葉に、複数の動きの可能性が含まれている” のです。
その結果、
- 認識のズレ
- 修正依頼の往復
- 「なんか違うんだよな…」の無限ループ
- 時間とメンタルの消耗
が発生します。
これは あなたが悪いのではなく、言葉の解像度が低いだけ です。
この記事は、まず押さえておきたい基本アニメーションをまとめた “辞書” です。
よくあるLPアニメーションと正式名称・指示文
以下は、現場でよく出る “感覚語彙” を 正式名称 と
AI / エンジニア / ChatGPT へ依頼するとき そのままコピペで使える指示文 に翻訳したものです。
| よく言われる表現 | 正式名称/実装キーワード | AIに依頼するときの指示例(コピペOK) | 概要 | 
|---|---|---|---|
| スクロールすると ふわっと出る | Scroll Reveal / Fade-in + Slide-up | 「要素が画面内に入ったら opacity: 0 → 1/y: 20px → 0/ duration 0.6s で表示」 | 最も一般的なスクロール表示演出 | 
| 画像が パラパラ動く / 奥行きある感じ | Parallax Scrolling | 「背景と前景に異なるスクロール速度を設定し、奥行き感を演出してください」 | 視差効果でリッチな印象 | 
| ボタンが ニュッと大きくなる | Scale-up on Hover / Grow Animation | 「hover時に transform: scale(1.05)/ transition 0.3s ease」 | ホバーのフィードバックと強調 | 
| ロゴが スーッと描かれる | SVG Stroke Animation / Path Animation | 「SVGパスのstroke-dasharray / stroke-dashoffset を利用して描画アニメーションを付与」 | ブランド演出に有効 | 
| 数字が ふわっと増える | Count-up Animation / Number Counter | 「数値を0から指定値まで duration 1.2s でインクリメント表示」 | 実績・信頼の訴求に活用 | 
| テキストが 一文字ずつ現れる | Typing Effect / Text Animation | 「文字列を1文字単位で逐次表示するアニメーションを追加」 | メッセージ性の強調 | 
| ページ遷移が おしゃれに切り替わる | Page Transition Animation | 「ページ遷移時に fade / slide などのトランジションを噛ませてスムーズなUXに」 | サイト全体の統一感 | 
AIへの依頼文テンプレ(コピペOK)
対象要素: (例:ヒーローセクションの見出し)
アニメーションの名称: (例:Scroll Reveal / Fade-in + Slide-up)
初期状態: opacity 0 / y: 20px
表示状態: opacity 1 / y: 0
duration: 0.6s
トリガー: 要素が画面内に入ったら開始
技術スタック: React / Tailwind / Framer Motion
→ 具体 → 一発で伝わる
アニメーションを選べないときは?
「何を使えば正解かわからない」という場合は、
LPの目的 / トンマナ / 読みやすさ を伝えてAIに提案させればOKです。
あなたはUI/UXデザイナーです。
「自然 / 上品 / 余白多め」のブランドに合うアニメーションを3つ提案してください。
過剰に動かず、読みやすさを損なわないことを最優先してください。
まとめ
- 「ふわっと」「ニュッと」 は複数の動きを含むため、手戻りが発生しやすい
- 正式名称で指示するだけで AIも人も迷わなくなる
- この記事の表は そのままコピペして依頼に使える
今日から、感覚語ではなく “名前” でアニメーションを伝えてみてください。
それだけで、制作の進行がぐっと楽になります。

Discussion