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BizサイドとPrdサイドが「同じ解像度で同じ顧客」を見るためにこの1年で取り組んだこと

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Advent Calendar 2025 12/01 BizサイドとPrdサイドが
「同じ解像度で同じ顧客」を見るためにこの1年で取り組んだこと
本記事はREADYFOR Advent Calendar 2025 1日目の記事です。

はじめに

こんにちは!READYFORでエンジニアリングマネージャーをやっておりますtoyocです。
今年もあと1ヶ月で終わりという今日をみなさまいかがお過ごしでしょうか?
自分はこの記事を12/1の朝から書き始めていますが、果たして日付が変わるまでに書き終えられるかスリリングな気持ちで過ごしております。

さて、今回は事業側と開発側で分かれていて、なんとなく連携は取れているけど、もっとお互い理解した上で上手く動けないかなぁ、とか考えている方のヒントになるといいなぁ、という記事です!
具体的にはこの1年、私たちREAYDFORのプロダクト&エンジニアリング部で行ってきたワークショップやハッカソンなどの取り組みをご紹介したいと思います。

背景

READYFORではプロダクトとしてクラウドファンディングプラットフォームをファンドレイジング(FR)事業の一環として運営しております。(https://cf.readyfor.jp/about)
その中では、プロダクトを通してサービスを提供するエンジニア・PdMや、顧客と直接コミュニケーションをとって伴走・サポートを行うキュレーターやサポートチームが適宜連携しながら日々働いています。(以降、前者をPrdサイド、後者をBizサイドと大雑把にわけます)
Prdサイド・Bizサイドそれぞれ事業の目標に向けて動いているのですが、チームごとに指標と優先度を持って動いており、必ずしも足並みを揃えられるわけではありません。
事業が目指す目標に向けて足並みをそろえるために、Prdサイドでは「同じ解像度で同じ顧客を見る」ことを目指して事業理解とBizサイドとの関係構築を促す施策を進めることになりました。

取り組み①: (Bizサイド部長 × Prdメンバー)振り返り&ワークショップ

目的

普段目の前の施策に注目して業務に取り組むことが多いですが、Bizサイドの現場や部長陣の考える抽象的な未来の方向性に目を向けてもらい、視野を広げようという意図の企画で、3月ごろに1Day合宿として実施しました。

当日の流れ

ざっくり流れとしては下記の通りです。

  1. 今期やったこと振り返り
  2. Bizサイド部長(FR事業VP)から事業の方針や現場の状況、Prdサイドとどう連携していきたいかについてトークセッション
  3. 2の話を受けて、Prdサイド部長が考えている未来のプロダクトの方向性について共有するトークセッション
  4. 3の話を受けて、どうすればその方向に進めるのか、そのために必要な施策や能力について妄想・ディスカッションするグループワーク

成果

アンケートでは、

  • 普段の業務から離れて会社の未来について考えることでモチベーションが上がった
  • Bizサイド部長との質疑応答は毎月あってもいいくらい勉強になると思いました

などポジティブなフィードバックをいただけたのでやった成果はあったかなと思っています。
〜〜〜
余談ですが、妄想・ディスカッションをする際に 1-2-4-All というフレームワークでグループワークを行いました。4人組を作って、その中で個々人のアイデアを集めて発展させることができるもので、全員でアイデアを出し合う場で有用かもしれません。
参考:
https://www.liberatingstructures.com/1-1-2-4-all/
https://qiita.com/kakashi_h5/items/5162335a602255b2a08d
〜〜〜

取り組み②: (Bizメンバー × Prdメンバー)ワークショップ

目的

この合宿の前段として、Prdサイド副部長からBizメンバー向けの勉強会が開かれ、前回の合宿と合わせてBiz-Prd間の相互理解が進んだ状態でした。ここからさらにBiz/Prdのメンバー間で密なコミュニケーションをとってお互いの心理的安全性を高め、事業の方向性についての認知と目線を揃えよう、というのが今回の合宿の目的でした。

当日の流れ

前回から3ヶ月後の6月、同じく1Day合宿をBiz/Prd両サイドのメンバー合同で行いました。
ざっくり流れとしては下記の通りです。

  1. 自己紹介&Biz-Prd間の連携について振り返り
  2. 事業についてBiz-Prd間連携できそうなテーマについてのグループワーク
  3. Bizサイド部長, Prdサイド部長/副部長のパネルディスカッション

成果

アンケートでは

  • 普段はできないディスカッションができて、非常に楽しかったです!企画ありがとうございます!
  • 相互理解が進んでとてもよい機会となりました。
  • エンジニアやマーケの方が今思考していることや、考え方みたいなものをディスカッションを通して直接的に知ることができたのは本当に良い体験であり、定期的に行いたいと思いました!
  • いつもプロダクトのメンバーだけでやって視野が狭かったので、とても良いと思った。

と言ったフィードバックをいただけて目的は達成できたのではないかと思っております。
グループワークでは進行上の都合で、オフィスの壁にペタペタ付箋を貼る形式と各々のPCからFigJam上に書き込む形式が混在したのですが、FigJam上に壁に貼られた付箋の写真を適宜貼り付けて振り返り易くしながら進めました。
グループワークで書き込んだFigJam

取り組み③: (Bizメンバー × Prdメンバー)ハッカソン

そして先月11月に、2日間にわたってBiz/Prd両サイドのメンバー合同でいくつかのチームに分かれ、業務改善をテーマにハッカソンを実施しました。

目的

目的として、下記3つを置きました。

  • Biz/Prdで協業してプロダクト作りを体験し、相互理解を深め、「同じ解像度で同じ顧客を見る」状態に近づける
  • Prdサイドは自分の業務と事業の接続や、Bizサイドの業務内容を理解・実感する
  • Bizサイドはプロダクト開発についての理解を深め、さらなる協業・提案への精度を高める

準備

今までとは違ってワークにしっかり時間を取るために、説明のガイダンスを行った上で、事前に取り組むお題を決めてもらいました。
その際にいくつかの制約を設けました。

  • 最大1日半程度の開発期間でリリースできるもの
    • →期間内にBizサイドも成果を実感できるように
  • 業務改善に寄与するもの
    • →業務内容の理解・実感を目的の一つとしているので
  • KPIが悪化する懸念がない
    • →もし悪化のリスクがある場合、ハッカソン参加者以外の意思決定を要する可能性がある
    • →逆にKPIに依存しない施策は後回しにされがちなので、普段の優先度を度外視して考えてほしい

結果的に全ての条件を満たさないお題もありましたが、どのチームも今回の趣旨に沿ったものに決まりました。

当日の流れ

ハッカソンだと開発しているエンジニア以外手が空いてしまうことがままあるのですが、Bizサイドメンバーには朝にチームメンバーとスケジュール調整してもらった上で普段通りの業務をしてもらい、適宜エンジニアからコミュニケーションをとってもらうような形にしました。
具体的には下記のようなタイムテーブルでした。
ハッカソンのタイムテーブル

成果

成果としては、22件の施策がデモレベルまで完成し、そのうち10件はハッカソン期間中にリリースされました。ハッカソン後のアンケートをGeminiさんに要約してもらったので抜粋します。

  • BizサイドとPrdサイドが協業し、プロダクト作りの体験を通じて相互理解が深まったことが高く評価されました。
  • 「普段できないこと」を改善し、利用者のフィードバックを直接受けながら開発できたことが、Prdメンバーにとって大きな喜びとなりました。
  • Bizサイドからは、「密にコミュニケーションをしながら、要望を反映いただけるような機会は経験したことがない」「純粋にとても楽しかった」といった声が寄せられています。
  • カスタマーサポートやオペレーションの「長年の悩み」や「かゆいところに手が届く」改善が実現し、業務が革命的に変わるという期待が示されました。
  • オペレーションにかかる時間・コストの削減や、問い合わせ件数の削減といった定量的・定性的な成果が期待されています。

取り組んだ施策が期間中に全てリリースできたわけではありませんが、ハッカソン後にリリースまで持って行こうとする動きが自主的に起こっていたり、定期開催を希望する声も上がっていたりと、今後にも繋げられそうな取り組みとなりました。

まとめ

この一年間、PrdサイドとBizサイドが「同じ解像度で同じ顧客を見る」ために行った取り組みを紹介しました。事業の方向性のような抽象的な観点の目線合わせから始まり、最後はハッカソンを通してどのように顧客やプロダクトに向き合っているかの具体的な業務内容も含めた相互理解を得ることができました。「同じ解像度で同じ顧客を見る」状態になれたと断言はできないですが、ぐっと近づけることはできたのではないかと感じています。
ところで、READYFORはフルリモートの勤務体系になっていまして、エンジニアも北は東北、南は沖縄まで幅広い地域で働いています。基本的にオンラインコミュニケーションが前提となっている中で、自分たちのプロダクトがどんな価値を提供していて、どんな負を解消できているのか(あるいはできていないのか)ということをついつい見落としてしまいます。今回のようなBizサイドとオフラインで密接に関わる時間をとることで、「同じ解像度で同じ顧客を見る」以外にも自分たちの仕事のモチベーションを思い出したり、充実感を得ることができるのはとても大きな収穫だったと感じました。

さいごに

なんとか日付が変わるまでに書き終えましたが、筆を取ってから12時間以上かかってしまいました。。
やはり前もって準備することは大事ですね。明後日12/3も投稿予定なので、明日からまた頑張ろうと思います!

明日は、READYFOR Advent Calendar 2025 2日目、 @Pod0_carp_us さんによる記事です。お楽しみに!

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