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IonicがOutSystemsに参画したことの所感をまとめてみた

2022/11/11に公開約3,400字

買収についてのリソースまとめ

私が知る限り、まず第一報はIonic Blogのこちらの記事でした。

https://ionic.io/blog/ionic-outsystems-the-future-of-enterprise-app-development

Ionic + Outsystems: The Future of Enterprise App Development

IonicとOutsystemsが手を組むことで、エンタープライズのアプリ開発を未来に進めるという内容です。 この中で重要なのは、TL;DRで

Ionic will remain independent, and you can expect a significant investment in our open source and R&D.

Ionicは今後も独立を保つので、オープンソースと研究開発に大きく投資していくことに期待してくださいと強調しています。続いてのリリースはこちら。

https://www.outsystems.com/news/outsystems-acquires-ionic/?sc_lang=en
(日本語版: https://www.outsystems.com/news/outsystems-acquires-ionic/

書いてることについて大きな差はないですが、ここでも「エンタープライズレベルのアプリケーション」という言葉の使いまわしがされてるのが印象的でした。あとはTwitterへの投稿になります。まずは、 @ionicframework
のこの一連の投稿。

https://twitter.com/Ionicframework/status/1589619854369509378

そして、IonicのCEOのMax Lynch氏の投稿。

https://twitter.com/maxlynch/status/1589644744908763137

ここらへんが信用できるリソースになるでしょう。

エンタープライズ向けの強化に期待

IonicにはIonic CreatorやIonic Studioというノーコード/ローコードツールがありました(※現在はサービス停止中)

https://www.youtube.com/watch?v=aSDpeJJkDbQ

ローコードとノーコードの組み合わせでアプリケーションを構築し、そのままiOS/Androidアプリとしてデプロイできる機構です。また、エンタープライズ向けの認証基盤やデータベース、決済基盤を使うことでアプリ機能をより拡張することもできました。こちらの基盤は現在でもエンタープライズ向けに提供されています。

これって、やってたこと、目指してたところってそのままローコードツールであるOutSystemsなんですよね。OutSystemについて知るためには、この「2分でわかるOutSystems」をみるのがいいとは思います。

https://www.youtube.com/watch?v=HjkNq5EvFXU&t=106s

そしてどちらも方針として一致しててすばらしいと思うのが、ローコードツールとしてのプラットフォームにユーザを依存させないことなんですよね。どちらもが基盤となっているのはWeb技術 + Cordova/Capacitorの組み合わせです。つまりは、ユーザは好きな時に自分がつくってるアプリをそのままローカルにダウンロードできます。2年ほど前にGoogleがノーコードツール「Google App Maker」の提供を中止した際、「別のプラットフォームに移行できません」(プラットフォーム依存で実行されていました)とアナウンスしたことはまだ記憶に新しいと思いますが、これらのローコードツールはそういうことなく、ユーザが自分のアプリを自分の手で管理するという選択肢もあります。

なので、プレスリリースをみた時まず感じたのはとても相性のいい2社が手を組んだという事実です。

そして、Ionic Teamがこの数年エンタープライズ向け分野に力をいれていました。

https://ionic.io/enterprise

OutSystemは老舗のエンタープライズ向けのツールで、日本でも伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、SB C&S、電通国際情報サービス(ISID)、BlueMemeの4社が販売代理店の他、OutSystem日本法人があるので、Ionic Teamのこれまでの取り組みが一気に躍進するのではないかなと思います。

IonicやCapacitorのOSSとしての独立性は継続

Ionic社のエンタープライズ向けプロダクト(商用商品)である認証基盤やデータベース、決済基盤、AppFlowやPortalsはOutSystemsのローコードユーザが使えるようにゆるやかに形を変えていくのかなと思っています。ただ

OutSystems has always been an inspiration for me personally because they cracked the code on building a powerful business in the app dev market, which is exactly what we set out to do at Ionic.
Ionic は OutSystems 内で独立した事業として運営を続けます。2 つのプラットフォームを統合する非常にエキサイティングな機会がたくさんありますが 、OutSystems チームは、Ionic が独立したビジネスとして繁栄し、成長し続けることを非常に明確に望んでいます。
https://ionic.io/blog/ionic-outsystems-the-future-of-enterprise-app-development

とあるので、OutSystemsからしか使えないような変更はまず起こらないと考えることができます。そうするとそもそも独立したビジネスするのが不可能なので。個人的には共通する基盤が統合することで、より使い勝手がよくなっていくとよりいいなとは思っています。

一方で、OSSとしてのIonic Framework、StencilJS、Capacitorは、現在のまま、そこに現在のIonic teamに追加して、OutSystemsも多くの投資を期待することができます。繰り返しになりますが、現在OutSystemsは内部でWeb技術 + Cordovaを使っているため、これらにIonicやCapacitorが追加されることを考えると、OutSystemsにとってもOSSの重要度がより大きくなります。

with the help and support of our incredible developer community, Ionic has surpassed everything I thought we could achieve
Ionicは、素晴らしい開発者コミュニティの協力と支援により、私が達成できると考えていたことをすべて超えることができました。
https://ionic.io/blog/ionic-outsystems-the-future-of-enterprise-app-development

Ionic社のCEOのMax Lynchもこう述べており、OSSとしてのオープン性・継続性はそのままで、より多くの開発者が参加できるようになるのではないかと思います。

まとめ

買収(M&A)はともすればネガティブにとらわれがちですが、Ionic社とOutSystems社の組み合わせはとてもよく、目指している世界もかなり似通ってるので、私個人としては、これからのIonicとOutSystemsの未来がとても楽しみです。OutSystems、使ってみないとな。

ざっくりした所感ですが、何かの参考になれば幸いです。

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