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Raycast日本コミュニティのベータ版イベントをスポンサー付きで30名超で開催するためにやったこと

2024/09/03に公開

Raycast日本コミュニティのベータ版イベントでスポンサー付きで、30名超で開催するためにやったこと

はじめまして!広告業界でフルスタックエンジニアをしている矢野です!
Raycastは、2022年の夏頃にLINEのUIT INSIDEというpodcastでRaycastを知ってからずっと大好きなプロダクトです。
僕は前職で年1で開催される60名規模の社内ライブイベントを企画運営した経験がありますが、技術イベントの企画運営の経験はありませんでした。
技術イベントは大小問わず何度か参加したことがあり若干LT発表をしたこともあります。
本稿ではRaycast日本コミュニティという技術コミュニティを立ち上げて最初のイベントを成功させるまでに考えたことやプロセスを紹介いたします。
ここでの成功とは事前に設定した目的を達成することです。
集客目標の20~30名を超える33名を集客し、初心者や中級者に対してWorkshopを通じてRaycastを布教することができました。
しかもビジネス職の参加者が翌日Proサブスクリプションに登録してくださりました。
Raycast日本コミュニティをなぜ立ち上げたのか、何を目指しているのかなどコミュニティの詳細やベータ版のイベントのレポートについては別記事で紹介します。

1. イントロダクション

2024/08/22(木)、Raycast Meetup Japan #0というイベントをdocomo R&D OPEN LAB ODAIBAで開催しました。
この記事では、コミュニティを立ち上げたことのない主要メンバーでイベントを成功させるまでにやったことを全て記載していきます。
コミュニティを立ち上げる人や運営をされている人にもヒントや気づきを与えられたらと幸いです。

1.1 背景

Raycast日本コミュニティをなぜ立ち上げたのか?

僕は、2022年夏下記のPodcastでRaycastに出会いました。
ランチャーアプリ Raycast はフロントエンドエンジニアこそ使いたい | LINE UIT INSIDE
そこからずっと大ファンで気づけばRaycast ExtensionsのOSS Contributorになったり、息を吸うように社内布教に情熱を注ぐようになっていました。

Raycast Community Japanは、2024/07/05(金)、Macbee Planet社内のtimesの呟きから始まリました。

2023年の冬くらいからRaycastはY Combinator同期がオフラインのmeetupを実施する話を受けてRaycast社員がRaycastでもやりたいな〜という発言をしておりました。
また世界でいくつかRaycastユーザー同士が数人で集まってmeetupをやる現象が見られるようなっていました。
この呟きをする直前に、Raycastが公式のmeetupを本社を構えるLondonでやるというアナウンスがありました。

僕は今立ち上げるべきなのだという衝動に駆られました。
そこで2024年のこのタイミングで日本コミュニティを立ち上げればとRaycast好きな人たちと共にとても面白い景色を見ることができるという直感が閃きます。

同僚の山口さんの後押しを受けて一緒に日本コミュニティ(非公式のユーザーコミュニティ)を立ち上げることを決めた瞬間です。
そして僕が昨年からハッカソンでお世話になっているシンギュラリティ・ソサエティのSlackを間借りして企画運営を始めることになりました。

1.2 イベントの概要

Raycast日本コミュニティの目的は次のように設定しています。

コミュニティの目的

  • Raycastを日本で普及させること
  • 日本コミュニティを形成すること
  • 日本のエンジニア同士でRaycastのナレッジシェアを行うこと

イベントの目的

  • 運営メンバーのイベント経験を積むこと
  • Raycastのイベントの温度感を探ること
  • Raycast初心者へのオンボーディングを行うこと

2. 準備段階

Raycast日本コミュニティを立ち上げるには、僕は次の人物が必要であると考えていました。

  1. Raycast社と繋がりがある人
  2. Raycastをよく知るユーザー
  3. コミュニティ運営に知見がある人
  4. イベント企画に知見がある人

僕がRaycastの人と普段コミュニケーションをとっていたから1は満たせます。
立ち上げメンバーの僕と山口さんはものすごくRaycastが好きでよく使っているので2も満たせます。
しかし3, 4を満たしていませんでした。

2.1 コミュニティメンバーの募集

僕は、企業イベント設計運営をやったことがある友人、
小安さんとAWS Startup Communityの運営をやっている友人宮本さんを食事に誘い企画チームに誘いました。
小安さんは大学院生でありながらフリーランスでデザイナーもされています。また企業イベントの設計や運営もされているので一緒にやれれば心強いと感じていました。
宮本さんはエンジニアとして優秀なだけではなくCTOの採用などとあるスタートアップで様々なことをゴリゴリやられている方なので一緒にできて嬉しいし心強く感じました。。
二人ともその場でノリでOKを出してくれました。
これで全ての条件を満たせることになります。

次に必要だと思ったのは初期ネットワークを確保することです。コミュニティの立ち上げの障壁は、コールドスタート問題にあるのではと仮説を立てていました。

ユーザー数がゼロの状態からどのようにユーザーを増やし、製品を軌道に乗せるかという問題。誰も使っていないサービスにユーザーは定着しないので、ネットワークを持つ製品が成功するには必ずこれを解決しなければならない。

引用元: a16zパートナーが語る、「ネットワーク効果」の本質より

Raycastがglobalで熱狂的なユーザーを多数抱えていることは自明です(公式Slackは2万人超のユーザーが世界中から参加している!!)
時々、X(Twitter)やZennでRaycastがバズったり、日本でコントリビュータが何人かいるのも知っています。
しかし果たして日本でローカルコミュニティに人が集まってくるか全くわかりませんでした。
なので確実に初期ネットワークを用意できるようにしたかったのです。

僕は、昨年からハッカソンでお世話になっているシンギュラリティ・ソサエティの力を借りることにしました。
小安さんと宮本さんも関わっているのでハッカソンのスピンオフでやらせてもらえないかお願いし承諾してもらえました。(小安さんの案で感謝しています)
シンギュラリティ・ソサエティの運営サポートに加えSlackのchannelを貸してくれました。
シンギュラリティ・ソサエティはfirebaseをはじめイベントの企画運営をいくつも手掛けているしWomen Who Go Tokyoの主催メンバーもいらっしゃる。これほど心強いことはないです😭。

最初のキックオフをしたところ企画チームはすでに最高なので下記スポンサーを獲得できれば初期ネットワークは確度高く立ち上がるのではと考えていました。(直感です)

  • 会場スポンサー
  • ケータリングスポンサー
  • 支援スポンサー

ネットワークエフェクトの観点で会場は企業の会場を借りたいと思いました。
僕はX(Twitter)で見つけた最近できた素晴らしい会場docomo R&D OPEN LAB ODAIBAに直接メールを送りました。
するとRaycastを使っているドコモ社員の方がいて会場を貸してくれる上に運営を手伝ってただけることになりました。

ここからはじめる、次の未来。docomo R&D OPEN LAB ODAIBA開業記念インタビュー

私の会社のSlackのtimesチャンネルでこうした活動を呟きまくっていたら上司から会社としてサポートしたいという申し出がありました。会社は採用ブランディングの観点で社外発信や社外イベントをやっていきたいという流れが生まれており支援したいというのです。その時ケータリングスポンサーがいないのでケータリングの費用をお出ししていただくことになりました。

これで次のスポンサーが全て揃うことになります。

  • 会場スポンサー: docomo R&D OPEN LAB ODAIBA
  • ケータリングスポンサー: 株式会社Macbee Planet
  • 支援スポンサー: 一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティ

3. イベントの準備

コンテンツ

2024/07/28に企画チームでキックオフミーティングを行い、ざっくりコンテンツを決めました。
僕は漠然と100人集めたいな〜と思っていたのだが発起人2人は経験0なのとRaycastのイベントのポテンシャルが未知なので難しいのではというレビューをいただきました。
なので2024/08で小さめなイベントを企画することにしました。

ミーティングでは主に下記のアイデアが上がってきました。

  • ハッカソン
  • OSSコントリビュート会
  • 初期セップアップ会
  • セットアップ動画撮影
  • LT会
  • アドベントカレンダー
  • テック系インフルエンサーコラボ
  • Biz, Design 向けの企画開催
  • 初心者向けワークショップ

一部ではあるが企画チームには下記のコミュニティに関わる方がいました。

印象深いヒントをここに記しておきます。

Tips

  • イベントだけだと雰囲気がわからないので記事やYouTubeを投稿すると良い(集客効果もある)
  • イベントの告知は開催の一カ月前にする方が良い
  • 金曜日かあるいは木曜日に開催できると良い
  • 自動的に運営できる設計にしておき、少人数で回せるようにする場合は続けやすい

気をつけること

  • 大規模にやる場合は新しい人が運営に参加できたり世代交代できるように設計しておくべきである(運営者不足で初期メンバーが頑張って運営するコミュニティはいくつかある)
  • コミュニティができてほったらかしにする場合プロダクトのディスブランディングに繋がってしまうので注意すること(コミュニティがプロダクトの印象にに悪影響を与える恐れがある)
  • 女性が行きにくい技術イベントは多い
  • オンラインは音声にこだわるべきである
  • ハイブリッド開催をする場合は、オフラインとオンラインの参加者同士で話す際などにハウリングがよく起こるのでケアするべきである
  • 大規模化したい場合は入れ替わり前提で設計すること(形骸化して縮小したり惰性になったりしがちなので)

以上が僕が印象深かったTipsの一部です。経験豊富な方のお話はとてもありがたかったです。この話がベータ版の成功を支えてくれました。

ミーティングの結果、20~30人で初心者むけワークショップを8月後半でやることに決めました。

  • イベントに人が集まるのか?
  • 良い会場が借りられるのか?
  • Raycast日本コミュニティは立ち上がるのか?
  • スポンサーは獲得できるのか?

など不確実なことだらけでしたが、その分自分たち次第感があってワクワクドキドキしていました。

集客

2024/08/01にconnpass上にイベントを公開しました。
集客目標は、20~30人(当日のスタッフ含む)と決めました。

下記の通り2024/08/08で目標を達成になりました!

(Singularity SocietyのSlackより)

また下記の通り2024/08/17で目標を上回る募集がありながらもケータリングの関係で募集を終了しました。

(Singularity SocietyのSlackより)

ここではどのように集客で目標達成できたのかをまとめます。

  • 社内宣伝や友人知人へのリファラル
  • Xアカウントで宣伝する
  • connpassを早期に開設する。
  • Raycast公式 Slackで見つけた日本人にDM
  • DevRel Guild

今回はベータ版なのでリファラルがメインで7,8割がリファラルです。
Xやconnpassでも正確に数えられていないものの何人か流入していました。
(connpassでイベントを見つけた人がいるのは驚きだった!!)
タイミーかわまたさんが主催するDevRelGuildに(会社の方に教えてもらい感謝しております)に参加し自己紹介したところ
イベント開始前にグループに何人か登録してくださっていてすごく励みになりました。

ご縁のあったスタートアップ数社や会場提供していただいたNTT Docomoさんで社内宣伝もしていただいており本当に感謝しています。

20,30人の目標は少なくとも僕のリファラルで達成できるようにしたいと思っていました。
友人や知人はRaycast好きと公言している人やエンジニアの友人にXやLINEを中心に声をかけて行いました。
予定が合う人は皆好意的に返事をしてくれました(本当にありがとう!)
特に1年前、ChatGPT Communityで出会った方も来てくれたのだが大変優秀な方だったしこの関係値で来てくれたことが本当に嬉しかったです。
リファラルに関しては、まず想いのままにアタックすることが大切であると思いました。

Raycast公式Slackにも日本人の方がいたのでDMしたところ、イベント前にグループ登録してくれました。
また公式SlackでRaycast社員に相談したり、進捗共有をしたりするとリアクションをくれて本当に励みになって感謝しています。

4. イベント当日

イベントの内容は別の記事に譲るとして運営について少し書き記しておきます。

ご自分のPC以外のデバイスは一切持たず、ほぼ手ぶらでイベントを開くことができます。
引用元: 使用料完全無料!NTTドコモ運営の開発者向け最先端ラボ

とあるように会場の設備が素晴らしすぎて設営はほとんどしていません。
ケータリングの食べ物やドリンクを置く机や受付の机を配置したくらいです。
動画撮影もスタッフの方がやってくださって、後日YouTubeにアップする予定です。

5. 最後に

コミュニティの立ち上げという観点でそのノウハウや経験を残そうと思いこの記事を記述しました。
誰かの役に立てれば本当に嬉しいです。

6. 謝辞

最後にこの場をお借りし下記の皆様に深く御礼申しあげます。

  • 日本コミュニティを立ち上げてくれた企画チームの皆様
  • 一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティの皆様
  • 会場スポンサーのdocomo R&D OPEN LAB ODAIBA
  • 企画運営まで参加くださったNTTドコモのT.H.さん
  • 下見と当日の運営をサポートくださったNTTドコモTさん
  • 現職でケータリングスポンサーをいただいたMacbee Planetの皆様
  • スポンサーやサポートを提案してくださった僕の上司EさんやMacbee Planet Yさん
  • 当日雨が降りそうな天候の中お越しくださった参加者の皆様
  • connpassグループに登録してくださった皆様、Xや会社や友人に紹介してくださった皆様
  • この記事を読んでいる皆様
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