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GitHub Actionsのサードパーティのランナーサービスを比較してみた

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はじめに

弊社ではGitHub Actionsをユニットテストやリントテスト、VRT、デプロイなど様々な用途で使用しています。

GitHub Actionsの料金はストレージコストと実行時間のランナーコストで計算されますが、ランナーを標準からセルフホステッドに変更することでランナーコストを抑えることができます。
https://docs.github.com/ja/billing/concepts/product-billing/github-actions

開発規模の拡大に伴ってランナーの要求スペックが上がってきたため、今回はコスパを求めてサードパーティのランナーサービスをいくつか簡単に比較調査しました。
BYOCの運用コストはかけたくないため、YAMLファイルのランナーの設定変更だけで導入できるサービスを選出しています。
情報は2025/10/09現在のものです。
https://docs.github.com/ja/enterprise-cloud@latest/actions/concepts/runners/self-hosted-runners

Blacksmith

https://www.blacksmith.sh/

特徴

  • GitHub Actionsに比べてコストは50%削減
  • GitHub Actionsに比べてCPUは2倍高速
  • GitHub Actionsに比べてキャッシュダウンロードは4倍高速
  • GitHub Actionsに比べてDockerビルドは40倍高速
  • Migration Wizardでランナーの変更PRを自動作成可能

料金

  • x86-64 2vCPU 0.004ドル/分 ~
  • Arm64 2vCPU 0.0025ドル/分 ~

CPUのコア数は最大32コアまでです。
CPUのコア数が2^nで増加するのに比例して、1分あたりの料金も2^nで増加します。

無料枠が2vCPUの換算で毎月3,000min分あります。
CPUのコア数に比例するので4vCPUでは1,500min、8vCPUでは750minです。
割引額は記載されていませんが、スタートアップ割引があります。

https://www.blacksmith.sh/pricing

注意点

BlacksmithはGitHub Organizationのみで個人のリポジトリでは使用できないので注意してください。

Blacksmith is limited to GitHub organizations and not available for personal repositories.
https://docs.blacksmith.sh/introduction/quickstart

WarpBuild

https://www.warpbuild.com/

特徴

  • GitHub Actionsに比べてコストは50%削減
  • GitHub Actionsに比べてCPUの処理速度は2倍高速
  • GitHub Actionsに比べてキャッシュダウンロードは3~10倍高速
  • GitHub Actionsに比べてDockerビルドは2~10倍高速
  • AWS、GCP、Azureを用いたBYOC展開が可能
  • macOS、WindowsOSもサポート
  • ジョブの同時実行が無制限

料金

  • x86-64 2vCPU 0.004ドル/分 ~
  • Arm64 2vCPU 0.003ドル/分 ~

CPUのコア数は最大32コアまでです。
CPUのコア数が2^nで増加するのに比例して料金も増加します。

https://www.warpbuild.com/pricing

OpenCI

https://openci.run/

特徴

  • GitHub Actionsに比べてコストは90%削減
  • GitHub Actionsに比べてCPUの処理速度はほぼ同じ
  • テスト期間のため、2025年内はランナーの料金が無料
  • 国産のサービス

料金

  • x86-64 2vCPU 0.12円/分
  • x86-64 8vCPU 0.48円/分

テスト期間が終了して正式公開後の料金です。
16vCPU、Arm、Intel等にも対応可能のようですが応相談となっています。

注意点

  • 現在ベータ版なので本番運用は避けてください。
  • ランナーの準備に2分ほどかかってしまう不具合があるそうです。

https://openci.craft.me/WRmKUOlz2MOsJE

Ubicloud

https://www.ubicloud.com/use-cases/github-actions

特徴

  • 標準ランナーとプレミアムランナーの2種類のランナーがある
  • GitHub Actionsに比べてコストは標準ランナーは90%削減、プレミアムランナーは80%削減
  • GitHub Actionsに比べてCPUの処理速度は標準ランナーはほぼ同じ、プレミアムランナーは2倍高速

料金

  • 標準ランナー x86-64 2vCPU 0.0008ドル/分 ~
  • プレミアムランナー x86-64 2vCPU 0.0016ドル/分 ~

CPUのコア数は最大30コアまでです。
CPUのコア数が2^nで増加するのに比例して料金も増加します。

https://www.ubicloud.com/docs/about/pricing

まとめ

サービス 料金 (x86-64 2vCPU) CPUの処理速度 (GHAとの比較) コスト削減率 (GHAとの比較) 注意点
Blacksmith 0.6円/分 2倍 50% Organization限定(個人リポジトリ不可)
WarpBuild 0.6円/分 2倍 50%
OpenCI 0.12円/分 ほぼ同等 90% 現在ベータ版で本番非推奨、起動に約2分遅延の不具合あり
Ubicloud 標準:0.12円/分 プレミアム:0.24円/分 標準:ほぼ同等 プレミアム:2倍 標準:90%、プレミアム:80%

※ 1ドル150円のレートで計算しています。

弊社ではMigration Wizardのよる移行のしやすさやDockerビルドの高速性を重視してBlacksmithを採用する予定です。

サービス間でそこまで大きな差はないので、Linux以外に使いたいOSのランナーがあるかもしくはコストの安さで決めてよいと思います。

ラッコ株式会社

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