3冊目 エッセンシャル思考
概要
項目 | 内容 |
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タイトル | エッセンシャル思考 |
発表年 | 2014 |
読んだ日 | 2023/9/16 |
お勧め度 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ |
読んだ理由
- 過去に仕事をやればやるほど、やることが多くなってしんどい思いをした。
- 本質的な思考は、これを回避するための考え方だろうと思った。
狙い
- エッセンシャル思考とは何かを学ぶ
- これを実践して必要なことになるべくフィーカスする癖や思考を身につける
実践
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毎週、最も優先順位が高いことができたか?と自問してみる。
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採用前にチームに混ざって働く体験してもらう。
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TODO整理時に、最低限意味のある進捗とは何か?を考え、それをタスクとする。
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子供にコスト感覚をつけてもらうために労働っぽいことをしてもらう。
刺さった言葉たち
エッセンシャル思考は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのものである。
そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になる。
エッセンシャル思考になるためには、3つの思い込みを克服しなければならない。
「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」
この3つのセリフがまるで伝説の妖女のように、人を非エッセンシャル思考の罠へと巧みに誘う。
「やらなくては」ではなく、「やると決める」。
「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
「全部できる」ではなく、「何でもできるが、全部はやらない」
3つとも心当たりがありすぎる。昔に比べると大分マシになっているが、まだまだドキッとさせられる言葉。
「より少なく、しかしより良く」
エッセンシャル思考とは、まさに「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方だ。
こういうシンプルだけど、芯を付く言葉すごく響く。。
システムを作る際と物凄く似ていると思う。プログラミングや施策を作る際、これを心掛けている。
仕事を受けたりする際のスタンスとしても、これを心掛けたい。
不要なものを取り除くには、いつだって度胸が必要なのだ。
断れないのは、相手からの印象に気を遣うからだったりする。
だけど、そこにノーと言える度胸を持つ必要がある。
新年の抱負で「もっと仕事を断ろう」と宣言してみたり、たまに思い切ってメールボックスを整理したりするだけでは駄目だ。
そうではなく、「今自分は正しいことに力を注いでいるか?」と絶えず問い続けることが、エッセンシャル思考の生き方である。
いつかやるではなく、いつも自然とやるってことですな。
エッセンシャル思考の人は、適当に全部やろうとは考えない。
トレードオフを直視し、何かをとるために何かを捨てる。
エッセンシャル思考の人は、流されない。
たくさんの瑣末な物事の中から、少数の本質的なことだけを選び取る。
不要なものはすべて捨て、歩みを妨げるものも全て取り除いていく。
要するにエッセンシャル思考とは、自分の力を最大限の成果に結びつけるためのシステマティックな方法である。
やるべきことを正確に選び、それをスムーズにやり遂げるための効果的な仕組みなのだ。
少数の本質的なことを理解し、それに信念を持ってやれるのは理想でありつつ、現実難しかったりするよなぁ。
この辺りは、体に染み付いた癖みたいなもので、少しづつ変えていけるのかな?
優秀な人ほど成功のパラドックスに陥りやすい。
第一段階:目標をしっかり見定め、成功へと一直線に進んでいく。
第二弾階:成功した結果、「頼れる人」という評判を得る。
「あの人に任せておけば大丈夫」と言われ、どんどん多様な仕事を振られるようになる。
第三段階:やることが増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。
疲れるばかりで全てが中途半端になる。
第四段階、本当にやるべきことができなくなる。
成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう。
これば完全に過去の自分。現在も周りにこういう人はよくいる。
これを再現させないようにしたい。
エッセンシャル思考
無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になる。
「いつか着る可能性があるだろうか?」という考え方はやめよう。
そのかわりに、「大好きか?」「すごく似合うか」「しょっちゅう着るか?」と考えよう。
もしも答えがノーなら、それは不要なものだ。
人生や仕事に置き換えると、以下となる。
「これをやったら、他の何よりも貴重な成果が得られるだろうか?」
「もしもコレを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」
人生がときめく片づけの魔法っぽい。
これも仕事として考えられる。最も大きな成果が得られるかどうか?という視点は常に忘れないようにしたい。
エッセンシャル思考の人は、そうでない人よりも多くの選択肢を検討する。
逆説的だが、それが事実だ。
何でも無批判に引き受ける人は、何も検討しない。
だがエッセンシャル思考の人は、あらゆる選択肢を検討したうえで、重要なことにイエスと言う。
軽い気持ちでなく、本気でとことんやるからこそ、最初の見極めに力を入れるのだ。
重要なものに集中するために、色々なことを検討する。
計画が大切って言葉は良くあるけど、再認識。
なるべく相手を傷つけず、うまく頼み事を断るためには勇気と思いやりが必要だ。
勇気と思いやり・・・良い言葉。
断られる方がこう思ってくれるような断り方ができたら良いなぁ。
何かをやりとげるには、強い意志が必要だとよく言われる。
仕事のプロジェクトを終わらせるにしても、夫や妻の誕生日パーティーを開くにしても、
がんばらなければ実現できないと考えられているようだ。
だが、エッセンシャル思考のアプローチは違う。
努力と根性でやりとげるのではなく、すんなり実現するようなしくみをつくるのだ。
実現する仕組みとして確立させる。
梅原の勝負論の本でもあったなぁ。無意識にできるようにする話。
薬指と中指をくっつけるのは意識していればできるけど、気を緩めると離れる。
これを無意識でできるようにするみたいな話。
「もしもたった一つのことしかできないとしたら、自分は今、何をやるのか?」
選ぶ能力は誰にも奪えない。
ただ、本人が手放してしまうだけだ。
本当にやるべきことは何か?をシンプルに自分に問い続ける。
それを決定することができるのは自分であり、誰かが決定するわけではない。
ただ、捨てられないから本当にやるべきことを手放すのみ。
子供の頃、小遣い稼ぎのためにアルバイトをしたことがある。
12歳の子供にできる仕事といえば、新聞配達くらいしかなかった。
1日1時間ほど働けば、1ポンドが手に入る。
私は自分の体重ほどもありそうな袋をかつぎ、毎朝1時間かけて家から家へと新聞を配ってまわった。
楽な仕事ではなかった。
つらい労働の経験は、私のコスト意識を決定的に変化させた。
ほしいものがあると、「新聞配達何日分」という数字に置き換えるようになった。
1ポンドのお金は、1時間の労働だ。
その計算でいくと、ほしいおもちゃが買えるのはまだまだ先になりそうだった。
そこで私は、頭を使った。
どうすればもっと早くお金が稼げるだろうと考えた。
新聞配達のかわりに、隣の家の洗車するのはどうだろう。
料金は1台につき2ポンドだとして、1時間あれば3台は洗える。
1時間=1ポンドだったのが、1時間=6ポンドになるのだ。
それに気づいた瞬間、私は人生の大きな教訓を学んだ。
これ、自分の子供にもやらせたい!
コスト感覚と効率を自分の実体験から考えるの良いよね。
努力は大切だ。だが、努力の量が成果に比例するとはかぎらない。
がむしゃらにがんばるよりも、「より少なく、しかしより良く」努力したほうがいい。
ベクトルが正しく向いていないとダメ。
ベクトルが正しいかどうかを判断するために、より少なく、しかしより良く考える。
これ、失敗しても方向修正が容易そうなのが良いよね。
なぜならエッセンシャル思考はより多くの可能性を検討するから、次にありそうな可能性にすぐに立ち返られる。
仕事のできる人が往々にして壁にぶつかるのは、「全部やらなくては」という思考から脱け出せないためだ。
1980年代にサウスウェスト航空が、アメリカの航空会社では珍しく特定の拠点館のみを繋ぐ航空サービスをした話が面白かった。
通常空港は、同じ場所から色んな場所に飛行機が飛ぶハブ空港だが、
サウスウェストは2点の空港のみを繋ぎ、機内食なども廃止してコストカットを進めた。
周りはこのやり方をかなり馬鹿にしたが、結果的には売り上げが大きく上がり、ユナイテッド航空が後から真似してもうまくいかなかった。
究極にやるべきことを減らして成功した話として面白い。
非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況で「どうすれば両方できるか?」と考える。
だがエッセンシャル思考の人は、「どの問題を引き受けるか?」と考える。
これはタフな問いであると同時に、より大きな自由につながる問いだ。
これねー、多分、うまくいかなくてもプロセスで得られる学びみたいなのを感じてしまうんかな。
両方やるのは、経験値のためみたいに自分は考えてる気がする。
それでも、どっちもやるのではなく絞ってやった時の経験値の方が大きいってことだと思う。
エッセンシャル思考の人は、トレードオフを当たり前の現実として受け入れている。
そんなものなければいいのに、とは考えない。
「何をあきらめなくてはならないか?」と問うかわりに、「何に全力を注ごうか?」と考える。
小さな違いだが、積み重なると人生に大きな差がついてくる。
どっちを優先するかという状況は、いつも存在して当たり前。
諦めるのはどれか?ではなく、どれを全力でやるか?と考えるのが癖になると良い。
本当に重要なものごとを見極めるために必要なことは5つ。
じっくりと考える余裕、情報を集める時間、遊び心、十分な睡眠、そして何を選ぶかという厳密な基準だ。
時間・睡眠・余裕は色んな本でキーワードとして出てくる気がする。
遊び心は間違いなく必要。楽しまないと大きく進まない。
忙しく動きまわることを有能さの証だと思っている人は、考えたり眠ったりする時間をなるべく減らそうとする。
しかし本当は、立ち止まる時間こそが、生産性を高めるための特効薬だ。
立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、前に進むための最短コースを教えてくれるのである。
こういう余裕のある考え方になりたいねぇ。
余裕がないから動き回ってしまうんよな。。
悪くない程度の選択肢は、すべて拒否した方が良い。
選択肢を採点する際に、最重要基準を用意し、100点満点で採点する。
90点未満は全て0点で、90点以上のみを採用する。
これにより60点や70点などの中途半端な点数に迷わなくなる。
極端だけど、こういうの良いねぇ。
ただ、例えば機械学習モデルを作っていて特徴量エンジニアリングをする際とかって、
やってみないと分からない側面がやっぱあって、こういう時にも使うものなのか?って疑問はある。
いまひとつの人間を雇うより、人が足りないほうがいい。
それが採用の基本方針だ。
だから人材採用のプロセスは、非常に厳格でシステマティック。
まず最初に、電話で面接をおこなう。
電話を使うのは、見た目の印象に左右されたくないからだ。
また、電話応対のマナーが適切かどうかもチェックできる。
これならわざわざ会う手間を省きながら、多くの候補者を除外することが可能だ。
電話面接を通過した候補者は、社内のさまざまな人間と面接をすることになる。
何段階もの面接をクリアしたら、今度は1日体験入社だ。実際にチームに交じって働いたあと、社員にアンケートが配られる。
「彼/彼女は、この会社で働くのが好きになると思いますか?」「彼/彼女が入社したら、楽しく一緒に働けると思いますか?」
これ凄く良い。これ採用で実践したい。
あなたの目的や戦略は明確か、と経営者にたずねると、「かなり明確です」という答えがよく返ってくる。
かなり明確なら、それで十分だと思っているようだ。
だが「完全に明確」な状態を知ると、それまでの「かなり」が不便だったことに気づく。
まるで視力の悪い人が、初めて眼鏡をかけたときのようなものだ。
目的が明確でない時、人はどうでも良いことにエネルギーと時間を浪費する。
徹底的に曖昧にしないことの大切さと意味。
目標を設定するために
シンプルで、具体的で、魅力的で、測定可能な目標を立てる。
誰もが明確に理解でき、方向性を間違えることなく行動できる。
それさえ理解しておけば、誰かの言いなりになることもない。
「これは本質目標と無関係では?」と意見を述べることも可能だ。
本質目標とは、具体的で刺激的。
「どれくらい価値があるだろうか?」と考える代わりに、
「まだ持っていないとしたら、これにいくらかけるだろうか?」と問いかける。
これが本当に必要かどうかを判断するのに迷ったらやってみる。
あるプロジェクトで、仕事のやり方が正反対の同僚とペアを組んだことがある。
周りの人間は、今に喧嘩になるのではとヒヤヒヤしていた。
だが予想に反して、私たちはとても良好な関係を保っていた。なぜか?
その秘訣は、仕事を始める前にやり方を明確にしたからだ。
自分が何を優先するか、何が妥協できて何ができないか、その線引きを宣言した。
このやり方は真似る。
職場において感情・モチベーション・認知を高める諸要素の中で、最も重要なのは進捗しているという実感。
「実用最小限の進歩」というやり方を取り入れてみよう。
「重要なことをやり遂げるために、最低限意味のある進捗は何か?」と考えるのだ。
これを繰り返すことで、重要なことをやり遂げることができる。
これも非常に良い考え方だと思われる。
最低限意味のある進捗とは?って考えたことなかった気がするなぁ。
過去の失敗や未来への不安に囚われることは、人としてごく自然なことだ。
ただし、過去や未来のことを考えるたびに、目の前の大事なことが疎かになるという事実も忘れてはならない。
結構思い出して考えることがあるから、現在の時間を奪っていると考えるようにしたい。
エッセンシャル思考なリーダー
エッセンシャル思考なリーダーは
人材の選別にこだわりぬく
目的が完全に明確になるまで話し合う
メンバーの役割を曖昧にしない
正しい情報を正しい人に正しいタイミングで伝える
小さな進捗を重ねているかどうか、適切にチェックする
こうありたい・・・!
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