17冊目 武器としての交渉思考
概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | 武器としての交渉思考 |
発表年 | 2012 |
読んだ日 | 2023/11/12 |
お勧め度 | ⭐️⭐️⭐️ |
読んだ理由
- メンバーとの交渉やグループ間の交渉が多いので思考法を学びたい
- ナヴァル・ラヴィカントが交渉術と数学はいいぞって言ってた
狙い
- 交渉に対する心の持ちようと技術を学ぶ
実践
- 交渉時は、「代理人に頼まれた」というスタンスでやる。
→ 自分の取り分を大きくするようなことに心理的なハードルを感じるとしんどいので、このマインドで。 - 自分で決めることに価値を置いている人との交渉では、判断材料をメリット・デメリット共に渡す。
→ 相手が決めたいので、決めるための材料でコントロールを。
刺さった言葉たち
そもそも交渉とはなんのために行うのかといえば、
複数の人間が話し合い、合意を結ぶことで、「現実を動かしていく」ためです。
現実を動かすため、交渉は避けて通れないなら、学ぶ価値は非常に大きいよね。
「いつしか交渉もコンピュータが人間に代わって行うようになるのではないか?」と思われるかもしれません。
しかし私は、どれだけコンピュータが進歩しても、交渉ができるようにはならないだろう、と考えています。 なぜならば交渉には、「ロマン」と「ソロバン」という2つの側面があるからです。
AIで代替できない理由は、夢と現実のバランスをとる必要があるから。
なるほど〜、確かにバランスを取るのは結構自動でやるのは難しいかもな。
本当に世の中を動かそうと思うのであれば、
いまの社会で権力や財力を握っている人たちを味方につけて、
彼らの協力を取りつけることが絶対に必要となってくるわけです。
交渉(会話)をする必要があるのは、あくまで現実を動かすため。
上の人間の協力なしにはこれは成し遂げられないため、これを意識すること。
人は漠然としたものにはお金を払いません。
一方で、具体的に「メリット」が実感できる提案には、お金を払ってくれます。
交渉で大切なのは、相手にメリットがあることを提示すること。
これは基本中の基本やね。
ロマンは長期的で抽象的でもかまいません。
むしろ大きすぎるぐらいのほうが魅力的かもしれない。
しかし、ソロバンはできるだけ具体的で、短期的に結果がわかることが望ましいわけです。
ロマンは大きく、ソロバンは具体的に短期的で。
この二つを意識して交渉に臨む。
「すごく合理的に物事を判断する人を相手とする交渉」と、
「まったく合理的でない人を相手とする交渉」
の2つに分けて考えていきたいと思います。
なぜ相手を分けて考える必要があるかというと、
交渉では意思決定権を持つ相手と自分とが合意することが必要不可欠なので、
相手がどういう考え方をするか知らないと、そもそも交渉が成り立たないからです。
これは意識しといたほうが良いなぁ。
合理的ではない人もいる、その場合への対処方法とかは本当に学びたい。
自分にも癖があるかもしれない。
相手に交渉のテーブルについてもらうためには、
「自分の立場を理解してもらう」ことより、
「相手の立場を理解すること」の方が大切です。
常に相手のことを意識して交渉するんだなぁ。
交渉って相手がいて成り立つので、それはそうか。
つまり、「僕が可愛そうだからどうにかして!」ではなく、
「あなたがこうすると得ですよね。」という提案をすべきなのです。
これだね〜!結構、僕が可哀想だからって形で伝える人多いよな。。
バトナとは、「Best Alternative to a Negociated Agreement」の略。
目の前の交渉相手と合意する以外にいくつかの選択肢があったときに、
交渉相手に「私はあなたと合意をしなくても別の良い選択肢があるので、
それよりも良い条件でなければ合意しない」と宣言できる他の選択肢のこと。
常に代替案を用意し、より良い選択肢を手に持っておけば交渉が有利になるってことね。
交渉においては「自分の本当のバトナ」を相手に悟られてはいけない。
自分の手札が悟られていると足元を見られるよね。なるほど。
ビジネスというのは本来、取引が成立したらすべて「ウィンウィン」であるべきです。
交渉に合意したということは、お互いにとって納得いく結果となったということですから、
むしろウィンウィンでなければなりません。
だから問題とすべきは「どれくらいウィンか?」ということです。
正直、ウィンウィンって言葉ってなんか結構「寒い」言葉だなって思っていたけど、端的に指摘してくれてる。
ウィンウィンは当然なんだよなぁ。
もっと言うと、短期と長期の視点も存在していて、短期的な話だけでのこの単語を利用しているのもあまり好きではない。。
こと交渉においては、「どちらかのビッグウィンは、もう一方のスモールウィン」
であることをよく覚えておいてください。
そうなんよ。完全に50:50の決着ってなくて、必ずどっちかが譲歩している。
なので、この言葉を使った時に、こっちが勝っていると相手からの心象が良くないし、こっちが負けていると舐められうる。
どっちだったとしても、あんまりいい意味になってないんだよなぁ。
お互いの利益を考えていない人は論外。
バトナ(別のより良い選択肢を持った交渉)を活用する際、心理的なハードルが存在する。
この心理的なハードルを乗り越えるのが、結構大変だったりする。
そこでお勧めなのが、交渉を「自分のことだとは思わずに、代理人として交渉を頼まれた」とマインドを切り替えること。
これは結構分かるなぁ。客観的に発話しないといけないからこそ、こういうマインドが大切なのかも。
成功と失敗が自分に大きくリターンすると想像してしまうと、焦りも出ちゃいそう。
自分が交渉するときも、自分のなかで
「交渉する人」「分析する人」「意思決定する人」を分けてみるのはきわめて有効でしょう。
相手側に何かしら強く押し切られて合意を求められそうになったら、
そこで「ちょっと持ち帰ってパートナーと相談してから決めさせてください」と言ってみる。
実際にパートナーなんていなくてもかまいません。
とにかく相手に「自分だけでは決められない」と伝えることが大切で、
持ち帰ってじっくり状況を分析する時間をとることで、
その場での不用意な合意を避けられるのです。
世間では交渉が強い人というと、声が大きくて押しが強い人をイメージしますが、
そういう人よりも、むしろじっと相手の話を聞いて、
冷静に分析してゲームのように有効なカードを切れる人のほうが強いというのが、交渉の常識です。
この文章凄く良い。
つまり、相手の勢いに飲まれずにいかに自分のペースで冷静にやるかが大切ってことだね。
アンカリングとは、船を停泊させる際に錨(アンカー)を打つことからきています。
ひと言でいえば、錨とも言うべき「最初の提示条件」(これを交渉用語ではアンカーと呼びます)によって、
交渉相手の認識をコントロールすること。
交渉時の最初の条件は、今後を左右する大きなポイントで、アンカリングという単語が使われている。
交渉はスタート地点ですでにある程度の結果が決まってしまうことが多々あるのです。
上手い人は本当にうまくて、人によって交渉内容は同じだけど結果が変わってくることあるよね。
アンカリングにおいて最初に提示する条件は、できるだけ「高い目標」とすることが大切です。
なぜならば、最終的に交渉の結果得られる果実は、最初に置いた目標以上にはならないからです。
そうなんだよなぁ。交渉は複数人での取り分の最大化だとすると、アンカリングしたものから
目減りすることが普通なので、だからこそ最初が重要。
だけど、ふっかけすぎると議論にもならないんだけど、その辺はどうなんだろう?
継続的に市場で勝ち続けるためには、「あまり暴利を貪らない」ということがじつは重要です。
上の疑問の答えが出たかも。
長期的な勝ちのために、勝分もコントロールすべきってことか。
相手の利害関係を分析・理解し、それを満たしながら、
さりげなく自分の要望も実現するのが、賢い交渉のポイントとなります。
これができる人間かできない人間かで大分仕事のできが変わるよなぁ。
最初から自分自分の人間とは本当に仕事を一緒にしたくない。
交渉時の注意点について、とくに大事なものを2つだけお伝えしたいと思います。
1つ目は、「沈黙に耐える」ということです。
2つ目の注意点は、「相手が情報を出してこないときは、そのこと自体を利用する」ということです。
1つ目は、沈黙を自分で破ると譲歩してしまいがちなので、沈黙には耐える必要があるということ。
2つ目は、情報を出さないのであれば、○○でも良いですよね?と新たな条件を提示したり、
情報が出ないと正しい判断ができないため、正しい判断で進みたいから情報を出してほしいと伝えるということ。
特に2つ目は、結構あるあるなんだよなぁ。
1つ目と2つ目は、同時に発生することもあるから難しいよね。
非合理的な人間との交渉時の6つのタイプ
①「価値理解と共感」を求める人
②「ラポール」を重視する人
③「自律的決定」にこだわる人
④「重要感」を重んじる人
⑤「ランク主義者」の人
⑥「動物的な反応」をする人
非合理的な人間ってこんなに種類あるんだ。
なんか自分は、「わがままだな」ってだけで全部ひっくるめて考えてたw
①「価値理解と共感」を求める人
自分だけの独自の価値観、あるいは個人的な信念を並外れて持っていて、利害関係よりも重視するタイプ。
このタイプと交渉するときには、相手の価値観に合わせなければならない。
相手の言動からその人の価値観を探っていくときのポイントとして、
「人の価値観とは固有のものであり、それを他人が変えることはできないから、
認めるしかない」ということを押さえておきましょう。
超絶孤高の職人に、未完成の作品を売ってもらいたいが、未完成な状態で売ることはできないと突っぱねられた時に、
あなたのスタンスに惚れ込みました。
この感動を忘れないために、あえて未完成の状態で購入させて欲しいという交渉をする。
という話があったんだけど、これ凄い言い回しだと思う。自分にはできそうもないけどw
②「ラポール」を重視する人
ラポールとは信頼関係のことで、信頼を得ていない人との交渉に慎重になるタイプ。
このタイプと交渉するときには、2つのポイントがある。
1つ目は、「好意の返報性」という人間心理に働きかけることです。
「この人とはどうしても信頼関係を築きたい」と思ったら、まずはその人のことを心から好きになってみる。
そうすると、自然にそれが自分の態度に表れ、相手にも伝わります。
2つ目は、「スモールギフトを贈る」。
3つ目は、「相手と似た境遇を発見して会話の糸口を探る」。
4つ目は、「相手の好む話し方で付き合う」。
5つ目は、交渉のプロセスの中で「共同作業の時間をもつ」。
このタイプもいるなぁ〜〜〜
相手の理解と、似た点から会話を膨らませて仲良くなる感じね。
③「自律的決定」にこだわる人
客観的に正しいかどうかよりも、「自分で決めた」ということに重きを置くタイプ。
交渉相手がこのタイプであれば、説得は諦めたほうが良いでしょう。
相手が、自分で判断・決定するための材料を提供することに徹することが有効です。
この際、リテラシーが高い相手に対しては、メリットとデメリットの両方の情報を渡すと喜ばれます。
なるほどなるほど。そうだよね、判断材料をとにかく渡すことね。
プラスとマイナスの両面で情報を渡せって内容もかなり良いね。
④「重要感」を重んじる人
相手が自分のことを「より重く」「より大切に」してくれているかを大切にするタイプ。
このタイプには、反応速度を速くすることが有効。
大切だと思っているなら速攻で返信返すよな?というのが思考性。
他にも発言への反応の仕方とかもあえて見てきたりするらしい。
めんどくさいタイプだなぁ。。。レスポンス速度ね〜。なるほどね。
⑤「ランク主義者」の人
学歴や肩書などを重要視するタイプ。
より高いランクで迎え撃つか、そのランクのあなたの力が社会課題の解決にどうしても必要なんです。
という形での対応が有効。
これもなるほど。。
ランク主義な人には、それを逆手に取った言い方をするといいのか〜 学びが多い!
⑥「動物的な反応」をする人
感情が先に立つタイプ。
このタイプは、交渉時に相手が疲れていそうだったらリスケするなどが良い。
また、ネガティブな反応がある場合、それに付き合わないようにする。
相手が感情むき出しできて、それに同じ感情でぶつかるとダメってことね。
自分は非合理的な決定をするなら④か⑥かもしれない。未熟。。。
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