📘

5冊目 シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―

2023/09/21に公開

概要

項目 内容
タイトル シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―
発表年 2017
読んだ日 2023/9/21
お勧め度 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

読んだ理由

  • 1on1をより効果的にやりたいと思っている
  • メンバーの立場で実施することが多く、マネージャー視点での考え方を知りたい

狙い

  • マネージャーとして1on1の基本を学ぶ
  • 1on1を効果的に実施したい

実践

  • 毎回の1on1で必ず褒める。そのため褒めるポイントをメモしておく。
    → いいところを積極的に褒めて雰囲気良くする。
  • 「最近周りの人でいいなって思う人いる?」って聞くのを意識する。
    → 伝播させるために、周りを巻き込んで褒めていく。

刺さった言葉たち

1on1ミーティング(以下1on1)とは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。
一般的な面談との大きな違いは「これは部下のための時間」だということです。

会議や部下からの報連相は、コミュニケーションをしているというより、
「結果を出すための情報交換」をしているだけなのです。

一方、個人に焦点を当てた対話の目的は、
「部下との信頼関係づくり」や「部下の不安の解消」や「部下の心身状態の確認」など、
部下自身に関することなのです。
1on1ミーティングの場では、まさにこの対話が行われます。

1on1は部下のための時間。
1on1は結果を出すためのコミュニケーションではなく、部下のパフォーマンスを向上させるための時間。

1on1の対話での特徴の一つは、まずテーマが抽象的なことです。

情報交換の場では、上司は助言をして論理的に判断を下すことをしますが、
1on1の対話では、共感的な姿勢で熱心に聴いて、判断を引き出すことをします。

多くの組織がそうであるように、情報交換ばかりで対話が行われていないと何が起こるでしょうか?
短期的な結果は出るものの、結果を出すための土台となる、
「心身の健康」や「仕事への想い」「成長実感や能力開発」などが疎かになるので、
継続的に結果を出し続けることが困難になるのです。

1on1は、メンバーのパフォーマンスを向上させ、長期的な成果を出すために実施するもの。
以下が1on1実施の8つのメリット。

(1)1on1ミーティングを行うと、上司と部下の間に揺るぎない信用関係が生まれる。

定期的に会話することで、単純接触効果により関係性が向上するらしい。

(2)1o1ミーティングを行うと、メンタルブレイクする前に気付ける。
(3)1o1ミーティングを行うと、やる気のなかった部下が自発的に働くようになる。

定期的に心身の状態を考慮することで、急な発覚を防ぐことができる。

人がやる気になるためには三つの基本的欲求が満たされることが必要と述べています。
一つ目は関係性への欲求、二つ目は有能さへの欲求、そして三つ目は自律性への欲求です。
そして実は、このやる気になるための三つの欲求は1on1ミーティングの場ですべて満たせるのです。

関係性への欲求は、相手からの受け入れを感じること。
有能さへの欲求は、自己承認を感じること。
自律性への欲求は、自分の行動を自分で決めるということ。
これらを1on1で発見すると、モチベーションが上がって自発的に動く。

・・・自律性は非常によくわかる。むしろこれが無いと、何のためにやってるのか分からないレベル。

(4)1o1ミーティングを行うと、評価査定の後、不機嫌になる部下がいなくなる。

定期的な場で悪い点のフィードバックができているとビックリ評価にならないからみたい。
これは普段伝えているからだろうけど、普段のコミュニケーションの方法が大切だねぇ。

(5)1o1ミーティングを行うと、仕事に飽きてきた優秀な上位2割が、再び情熱を持って仕事にチャレンジできる。

優秀な上位2割は放置で良く、問題のある下位2割を重点的にというのが過去の方針だったが、
優秀な上位2割も同じ時間を割いて、会社の方針と合っているか?という点ですり合わせるのがいいみたい。
これも納得感ある。

(6)1o1ミーティングを行うと、「後手の対応」から「先手の対応」へと人材マネジメントが変わる。

問題発覚後に対処することが、問題発覚前に対処することとなり、結果的に時間が効率化されるということらしい。

(7)1o1ミーティングを行うと、部下からの「ちょっといいですか」が本当にちょっとの時間になる。

1on1で聞いた内容からの差分の確認になるため、効率がいい。

(8)1o1ミーティングを行うと、ビックリ退職がなくなる。

普段から話を聞いているから、急にいなくなるということを減らせる。

上記8個は大体、間隔を開けすぎずに会話できるから認識のズレが減るのがメリットという感じ。

言い方は悪いですが、
結局「部下は自分のことを中心にしか考えていない」という期待値から始めてみることです。

考えてみれば当たり前です。
全社視点で考えられる一般社員がどれだけいるでしょうか?
出世をして、マネジャーになってからだんだんと会社のことを考えていくようになっていくものです。
これから選ばれる会社とは、そんな自分のことを考えている部下の事情をしっかりと聞いてくれる会社なのです。
そして聞いた上で、さらに自分を成長させてくれる会社です。
そんな会社に対して従業員はやりがいを見つけて生産性を上げて仕事をしていこうとします。

1on1テーマ

1on1マップ

信頼関係づくりステージと、成長支援ステージがある。
これをバランスよく取り入れることが重要。

きつい管理でもなくゆるすぎる雑談でもない「意図した対話」となって、
話の迷子にならないように、話す内容について7つのテーマに分けた地図を作成したのです。

信頼関係づくりと成長支援のバランスとこの使い分けを意識したい。

プライベート相互理解

プライベート相互理解は、いわゆる「雑談」的な要素が多いテーマです。
効果としては、場を柔らかい雰囲気にしたり和ませることができます。
ですので、主に1on1スタート時点であるいは途中で話をなごますために適しています。

「セクハラ」や「パワハラ」にならない程度にプライベートを会話するため、
部下から「聞き出す」というスタンスではなく、「結果として話してもらえる」関係を作るというスタンスが重要。

こういうのはアイスブレイク的にやるけど、改めて意義や目的を言語化してもらえると理解が高まる。

部下の心を開いてもらい本音を言ってもらうために最も効果があるのは、
実は「自分の言いたくない、出したくない情報」をまず相手に出していくことなのです。

まずは自分から開示していくスタンス。大切にしたい。

プライベートな雑談には4つの段階がある。
1 内容を話す
2 内容を聞く
3 感情を聞く
4 価値観を探る

1は世間話。2は部下自身が経験した出来事を聞く。3は出来事に対する感情を聞く。4は内面を聞く。

最初の方で特に意識して欲しいのは、部下の話に自分の納得を求めるなということです。
上司が「納得する」ための時間は上司のための時間になります。
1on1は部下のための時間です。
つまり「納得」ではなく「共感」のスタンスで臨むのです。
ここでいう共感とは、100%賛成でも反対でもなく、事実を受け取ったということと、
自分の意見と同じ部分を探すということです。

スタンスとして、共感をするためにまずはアイスブレイクする。

心身の健康チェック

心身の健康チェックとは、心身の状態や業務量、業務時間などを確認することです。
1on1ミーティングでは毎回なんのテーマを話しても良いのですが、特にこのテーマは毎回必ず確認してください。

今部下が「どのような状態で」仕事に取り組んでいるのかを知ることも、管理者としての役割だと私は考えます。

これは自然と毎回やっている気がする。自分が過去にしんどい思いを何度もしてきたからだと思う。

モチベーションアップ

1on1の大きな成果の一つは、部下のモチベーションが上がったかどうかです。
1on1を行うたびに部下が憂鬱な気持ちになるようなら、1on1を行うべきではありません。

モチベーションを下げるような1on1はダメ。これだけ聞くとやっぱ仏だな。。

モチベーションアップには2種類ある。
1 マイナス面を最小化して、モチベーションを下げる要因を取り除く。
2 プラス面を最大化して、モチベーションを上げる要因を高める。
マイナス面を最小化するのにマネージャーがまず行うのは、
部下の話を「聴ききること」です。

自分の中でマイナス思考がぐるぐる回る内部対話を心利用語で「マインドトーク」と呼びます。
マインドトークは外側に出さずにいるとグルグルと内部で回り続ける性質を持ちます。
ですので、外に出させてクリアにすることが大切なのです。
全部吐き出させるために、上司はきききるのです。

これ自分めっちゃするなぁ。自分はこれするの好きなんだよなw

毎回の1on1で必ずやっていただきたいのが、前回から今回までの間で発見した部下の良い言動や結果について伝えることです。
小さなことで構いません。「あの発言よかったね」「前回行ったことがやれているね。いいね。」
つい軽視しがちですが、実はこれは一生ものの大きなマネジメントスキルになります。

毎回はやってないなぁ。意識したいなぁ。

「最近、チーム内でいいなって思う人いる?」と部下であるAさんに聞いたとします。
これには、Aさんの視点を他の人に向けさせて視野を広げるという教育的効果がまずあります。
続けて、Aさんが他の人に感謝の気持ちを思い出した場合、Aさんの状態がよくなります。

人間は感謝の念を抱いているとき、非常に幸福感が高まって良い状態になると、
ポジティブ心理学の様々な研究で実証されています。

さらに良いことに、この「間接的な褒め方」というのは「最高の褒め方」なのです。

これもいいねぇ。グルグル回せるのであればこれだけでメンバーのコンディション上がりそう。

成長支援ステージ

大事なことは部下の「仕事」のサポートではなく、部下が「成長する」サポートだということです。

支援の対象は成長。仕事の内容は後回し。

OJTでは主に、「仕事の内容」について教えます。
しかしOJTでは、仕事の「内容」については教えるのですが、
仕事の「プロセス」で生じる気づきや学びについてはほとんど触れないのです。
なぜなら短期的な結果には直結しないからです。

しかし、業務を自立して行い、自ら改善を繰り返しながら中長期的に結果を出し続ける人を育成したいのならば、
この時間は必須です。
これこそがマネジメントであり、それを1on1ミーティングで実現するのです。

仕事のプロセスでの気づきや学びを反芻する場として1on1を使う。

業務・組織課題の改善

業務では、緊急度が高く短期的な話をする。
しかし、1on1では緊急度が高く長期的な話をする。

1on1では数字や具体的案件の進捗確認などの目先の成果に関することは扱わないのです。

結構進捗確認の場として使い切ってしまうことが多いと思う。この辺は意識変えた方が良いかも。

具体的な質問例

## 現状把握
今の業務のポイントを教えてください。
今のクライアント担当ってどんな人なの?
うまく進んでいると思うけれど、今後もし懸念があるとするとどういうところ?
今の業務を自分の知り合いに説明するとしたら何て言う?

## 現状改善
今の業務で困っていることって何かある?
今の業務全体で難しいことってどんなことなの?
今の業務に何があったら、もっとうまくできたり、精度が上がると思う?
今の業務について、何か私にこうして欲しいなどのリクエストはある?

## 組織貢献
今のチームのいいところと課題って何があると思う?
もっとチームを良くするために何ができるだろう?
〇〇さんからみて今のチームメンバーって力を発揮できていると思う?
最近、調子いいなと思う人とか、大丈夫かな?って気になる人とかいる?
今、戦略方針を考えているんだけど、ちょっと相談に乗ってもらえる?

これらの質問を行なっていく上で注意しなければいけない前提があります。
上司はアドバイスするのを少し、いや「かなり我慢する」と言うことです。

この辺は実践していきたい。特に最後のアドバイスを我慢するのは、意識しないとすぐにできなくなりそう。。

目標設定/評価

1on1を重ねることで、評価を自信を持って行えるようになる。
なぜかと言うと、評価で最も大切なことは、「正しい評価」ではなく「評価される側の納得感」だからです。
誤解を恐れずに言えば、マネージャーの仕事は「100%正しい評価」を行うことではなく、
「部下の納得のいく評価」を行なって育成につなげていくことです。

評価には納得感が大事ってのは凄く良く分かる。
金は後から付いてくると思っているので、納得感がないとモヤモヤが凄い残る。

納得感を得るための「MGC(Must Get Can)目標作成法」。
Mustは会社としてやらなければならないこと。
Getは、目標を通して部下が得られること。
Canは目標を達成できると言う感覚のこと。

Mustは丁寧具体的に説明する。
Getは納得感を得るために最重要。
Canは高すぎず適切な目標にすることの重要性。

能力開発・キャリア支援

能力は、①具体的経験、②内省的観察、③抽象的概念化、④能動的実験のサイクルで成長する。
このサイクルを実践していると、失敗と言うのが非常に重要な機会だと言うことがわかります。

部下は成長に対して利用した「能力」に無自覚です。
その場合たまたま発揮された能力となり、次の機会に発揮できないかもしれません。

自覚的になることで、自分の能力を扱えるようになります。
これを1on1でサポートする。

結果を出すためのプロセスの中での成長ポイントを言語化していくのが大切ってことね。

漠然と将来何したい?と聞くと、部下は不安になる。
「やりたいことがない」部下を受け入れて、今に集中できていればそれでよしとすること。

これ結構言ってしまうかも。そして実際に何かをしたいと言う回答が得られないパターン多い。
けどそれを受け入れて、今に集中できるようにしてあげたい。

将来像について考える場合、ポイントは3つ。
1 会社内での将来像
2 ビジネスパーソンとしての将来像
3 その他の将来像

1は、社内のロールモデルを探してこうなりたいという目標を見つける。
2は、社内にとらわれず、広く社会人としてこうなりたいという目標を見つける。
3は、家庭などの人生での将来像を見つける。

戦略・方針の伝達

私が知るできる上司は、逆ホウレンソウを行なっています。
逆ホウレンソウとは、上司が部下にホウレンソウをすること。
①決定事項、②決定に至るプロセス、③上司のメッセージを上位からのFBとして発信する。

自らオープンにしていくことで、この文化を浸透させるってことだね〜

1on1で上司が行わなければならない最も重要なことの一つは、
ミーティングの内容を個人DFとして残すことです。

メンバーごとにメモ取るのか。やってみるかなぁ。ちょっとめんどそうだなぁ。。

GitHubで編集を提案

Discussion