4冊目 なぜ「戦略」で差がつくのか
概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | なぜ「戦略」で差がつくのか |
発表年 | 2017 |
読んだ日 | 2023/9/20 |
お勧め度 | ⭐️⭐️⭐️ |
読んだ理由
- プレイヤーとして、技術を戦略に混ぜることに苦戦したから。
- 戦略の考え方を学び、そこに貢献する方法が知りたい。
狙い
- 戦略の考え方の基本を学び、戦略に貢献する方法を考える
- 戦略の貢献と同時に、次の戦略立案のための考え方を学ぶ
大雑把な全体感想
めっちゃ難しかった。普段使わない頭をかなり使わせられた気がする。
表面的な戦略・目的・資源などの考え方などは分かったが、具体的な戦略の建て方や管理の仕方、戦略理解の箇所は理解不足感が否めない。
自分の力不足感がすごい。もう少しライトなものから学んでいきたいと思ってしまった。
実践
-
5年後(3年後)にどうなっているかをメンバーと話してみる。
→ そこに向かって何をしていくと良いかを考えて、目的を落とし込む。 -
グループ内でも外でも協力を仰ぐ際は、補完関係か相乗関係のどっちを望むか意識する。
→ この違いで、求めることややるべきことが変わってくる。 -
もう少しライトな戦略とは?という本を読む
→ パワーアップしてこの本に戻ってきたい。
刺さった言葉たち
戦略
戦略の定義とは、「目的達成のために資源をどう利用するかの指針」である。
目的がなければ戦略は不要だし、資源が無限であれば戦略は必要ない。
シンプルに定義付けをみたけど、これまであまり戦略の必要性を言語化したことがなかったことに気づいた。
限られた資源をどう使うか?の指針。
「戦略」は「計画」ではない。
戦略は方向性を指示したり、取捨選択をして計画を作ったりする際の判断基準を示す働きを期待されている。
「戦略」は「目的」ではない。
戦略は目的をどうやって達成するかを示すべきもので、目的そのものであるべきではない。
「戦略」は「ヴィジョンや理念」ではない。
ヴィジョンや理念は、個人や組織が求める究極的な達成や存在理由を示すものである。
説明を要さないほどに絶対的な善であることが多い。
ヴィジョンや理念は基本的に説明が不要。(戦争がなくなるように・・・とか、全ての消費者の満足のために・・・とか)
計画・目的・ヴィジョンとの違いを意識しておきたい。
この辺って結構曖昧になって、結構上位であっても議論がフワフワするシーン意外とある気がする。
「なぜ戦略が必要なのか?」という問いに答えにくければ、
「戦略が必要ではない状態はどういう場合か?」を考えると良い。
ちょっと本筋から外れるけど、こういう問いかけ良いなぁ。
逆説的に考えてみるのをメンバーとしても良いかも??
戦略があると
1 効率的に資源を運用することで、効果的に目的を達成することができる
2 経験値を獲得できる
3 意思決定に役立つ
4 計画に一貫性と安定性が出る
2は戦略を元に成功と失敗を振り返ることができる。
3は目的と資源を明確に示せれば、自ずと優先順位も決まるということ。
ここまでで、戦略とは「目的を有限資源で達成するための指針」となる。
目的
目的にはいい目的とよくない目的がある。
いい「目的の設定」がなかった場合には、次のような事態が発生することが多い。
どこを目指すべきなのかが不明確になり、遠回り、寄り道、逸脱が頻発する。
そもそも、目的が曖昧なままだと、いま近道を進んでいるのか遠回りしているのかさえ判断できなくなる。
遠回りというのは、最短距離に対する概念であるから、最短距離がわからなければ遠回りかどうかさえわからない。
逸脱も同様である。
組織・チームで事にあたっている場合、個々人の間での意思の統一がしにくくなる。
目的の達成のための直接的、合理的な結束ではなく、個人的な人間関係や組織への帰属意識による結束しかできなくなる。
目的は向かう方向を照らし、チームの結束に大きく影響する。
いい「目的」には曖昧さがなく自己目的化した手段であるべきではない。
自己目的化とは、手段が目的になってしまったもの。
誰が見てもわかりやすいものが良い目的。
目的を定めるツールとして、SMACとSMARTがある。
SMACとは、以下。
S:Specific(具体性)
M:Measurable(計測可能性)
A:Achivable(達成可能性)
C:Consistent(一貫性)
SMARTは、Cが以下に変わる。
R:Relevant(関連性がある)
T:Time-bound(期限設定)
ConsistentとRelevantは似ていて、会社のビジョンや理念などの上位の目的と一貫性があることで、
Time-boundはいつまでにという時間的な制約。
この辺はいつも意識しているつもりだけど改めて認識。
最後に、F:Focus(集中)。
可能な限り1点。多くて2つ3つ。
しっかり1つに集中するのってむずいよね。エッセンシャル思考。
良い目的はSMACなどで立てられるが、目的を達成するために重要なこととして、目的の再解釈がある。
そもそも自分達はなぜこれを目的にしているんだっけ?
を考え続けることが大事。結構これは、複数人のグループで仕事をしていると有用だと思う。
この観点を考える方法として、Thoughtstarterquestionを紹介しよう。
ひとつは「なにが問題か?(Whatswrong?)」である。
もうひとつは、「ある場合とない場合(Withandwithout)」である。
「何が問題か?」は、なぜ問題か?を5回も繰り返していくと根源的な問題に突き当たるはずである。
「ある場合とない場合」は、「この行動がある場合とない場合、何が違いとして発生するか」を考えてみる。
例えば、新商品の導入をした場合としなかった場合、上司のアイディアを実行した場合としなかった場合。
これらから、本当に目的に合致する行為になるかを考える。
目的に対するなぜは自分はめちゃめちゃしてしまうので、改めてやり続けたい。
目的を設定する場合、以下の観点も良い。
来視点から考える。例えば、5年後の世界に自分を置く。
未来を想像するためには、そこに書かれていることが究極的に達成された世界を考えてみればいい。
そのとき、顧客は間違いなく喜んでくれているはずだ。
その価値に対する対価も喜んで払っていることだろう。
さぁ、なにが起きているだろう。
1人で想像するのが難しければ、チームメンバーや取引先に相談に乗ってもらってもいい。
人と話し、自分とは違う見解が入ることでイマジネーションが膨らむことも多い。
これは今度みんなでやってみたいな!
5年後なんて想像できないってなりそうだから3年とか1年でも良いかも。
理念とヴィジョン
ヴィジョンは、「全人類が平和である」とか「地球環境への負荷を減らす」など
説明はいらないし、異を唱えることも難しいようなもの。
対して理念は、組織や企業の場合は「かくあるべし」という根本の考え方となる。
ヴィジョンと理念、ごっちゃになってた。あんまりこれまで意識しなかったな。
目的は再解釈可能で、目標は再解釈不可能。
目的は、そもそもなんでだっけ?って立ち返っていくためにあるが、
目標は目的を達成するための具体的なもの。
目標は再解釈できるようではダメって視点はなかったなぁ。
目的が創造性を活用できるもので、目標はタスク的な感じか。
資源
資源は、目的を達成するために使える全ての有形無形の資材、資産や人材などを指す。
資源は、内部資源、外部資源、内部資源になりそうなもの、外部資源になりそうなものの4つに分かれる。
資源の分類とか考えたことなかった。
内部資源とは、社内、組織内、そして自分で保有している資源であり、
随時、直接的に利用可能なものだ。
人材、製品、製品技術、サービス、資金や予算、営業力、製造技術、流通技術、ブランド、時間、人脈、経験、知識、過去のプランなど。
外部資源とは、自社外での協力者・サービス。
代理店、メディア媒体、取引先、提携先など。
内部資源になりそうなものとは、目に見えないもので、
スキル、技術、能力、コアコンピタンスなど。
外部資源になりそうなものとは、
政府、業界団体、オピニオンリーダー、ユーザー、SNS、競合の活動など。
この辺りめっちゃ難しかった。。
全然普段頭を使わない部分で、こういう視野の広さに慣れるようになりたい。。。
資源を効率よく使うために、「補完」と「相乗」という概念がある。
補完というのは、文字どおり、お互いに弱点を補い合うということである。
資源Aが苦手とする分野の仕事を、資源Bを導入することで補完する。
テレビ広告では接触できない消費者にメッセージを届けるために、ウェブ広告を実施するといった場合が補完にあたる。
相乗は、補完のような足し算的な統合ではなく、むしろ掛け算的な資源の組み合わせ方である。
Aの強みをさらに強くするように、あるいはAの弱点分野でもより高い効用を期待できるように、
Aの係数としてBが機能する。
テレビ広告の効用を最大化するために、有名人を起用することで
1接触あたりのメッセージの伝達力を上げるといった場合は相乗にあたる。
協力相手に、補完関係を求めるか、相乗関係を求めるか?は意識しといた方が良い気がする。
多分事業における技術的な発展は、大体が相乗になる気がする。
・良いアルゴリズムを持った仕組みを作る。
・リリース速度を上げる。
・障害の発生を抑制する。
戦略の効用
戦略を持つことで「目的」を達成する確率を上げられる。
そして、同じ達成であっても、よりよく達成できるようになる。
いずれも、達成すべき「目的」が明確になり、
動員される「資源」が効果的・効率的に使われるようになることが原動力となる。
改めて戦略があるとどういう良いことがあるか。
戦略があると、再現性の確保ができる。
達成すべき目的と関連する各局面が明らかに示されていれば、
それぞれの資源が各局面に与える影響を想定できるし、
その想定に従って観察できる。
どこまで達成でき、どこで障害が現れたのか、
そしてその障害がどのように目的の達成を妨げたのか、
構造と仕組みを理解することができる。
多分、メンバーをマネージする人間として、上記目的の達成のために重要なのがこの再現性だと思う。
個の力の限界がここにあって、個の力を再現性のあるものに昇華させるのが重要なんだろう。
戦略なき勝利が持つ問題点は、以下3つ。
1 再現性を確立できない。
2 「目的」と「資源」の不一致が発生している可能性がある。
3 天才性に関係するもの。
特に3は、以下と述べている。
世の中には、戦略思考を無意識で処理して実行のアイデアだけが出てくる天才的な人たちが存在する。
決して多くはないが、間違いなくいる。
こういった天才たちの問題は、部下を育てるのがあまり上手ではないことだ。
本人は有能で戦績優秀なのに、優秀な後継者がいない場合には注意が必要だ。
どうしてそのアイデアが出てきたか、再現性のある形で説明ができない。
部下たちは、アイデアを実行することができても同じように強力なアイデアを出せるようになるわけではない。
これが個の力での成果創出の最大の困らせるポイントだろうなぁ。
かなり難しいポイント。。。育成も重要スキルとして、同時に伸ばさせるしかないかも?
戦略を組み立てる
ものの考え方には大きく分けて2種類ある。拡散的な思考法と収束的な思考法である。
拡散的な思考法とは、どんどんアイデアを出して、概念を膨らませていく考え方である。
考え始める前よりも、選択肢や案は多くなっていく。
一方、収束的な思考法は、アイデアを絞り込み、さまざまな基準によって取捨選択し、概念を凝縮していく考え方である。
考え始める前よりも、選択肢や案は少なくなっていく。
目的や資源の再解釈には拡散、戦略の組み立てには収束。
戦略を組み立てる場合、選択と集中が必要なんだねえ。
戦略を管理する
戦略を関係者全員と共有する際には、内容の理解だけでなく、共有感の醸成も重要な課題となる。
戦略の策定プロセスは必ずしも民主的である必要はない。
責任を任された少数の担当者が戦略を組み上げることは効率的だろう。
ただし、戦略を共有する際には、戦略立案の担当者たちには全面的な説明責任が要求されてしかるべきである。
これが難しいよね。
戦略策定に関わる人間の決定がまずむずい。全員への説明責任もかなり大変。
納得感の高い、理想的な状態を確立するために気をつけるべきことが2点ある。
まずは理解と解釈の統一である。
組織の成員は、戦略策定者の意図を明確に汲んだ理解をしていなくてはならない。
ふたつ目に、フィードバック・ループの設定である。
この対話のプロセスの中で出てくる質問や確認事項に戦略策定者は答えなくてはならない。
うまく答えられない質問がある場合には、その質問は戦略を改善する示唆を含んでいるかもしれない。
だから、誰もが解釈がずれない目的と資源の利用の説明が必要。
フィードバックの観点はかなり精神的にもしんどいけど頑張っていきたい。
戦略は適宜変わるけれど、どのような場合に変えるべきなのだろうか。
戦略を必要とする要件は達成すべき「目的」の存在と、「資源」の有限性であった。
ということは、「目的」に変更があったか、「資源」に変化があった場合には戦略を変更すべきである。
そうでない場合には、戦略を変更する必要はない。
戦略は目的と資源に変化があった場合に変える。
なので、変化があった場合は逆にこれらが変わると捉えた方が良いんだな。
Discussion