7冊目 zero to one
概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | zero to one |
発表年 | 2014 |
読んだ日 | 2023/10/8 |
お勧め度 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
読んだ理由
- 上司にお勧めしてもらった
- スタートアップとして0→1の事業作成に対する考え方が知りたい
狙い
- 事業立ち上げ時の考えを学ぶ
実践
- チームを硬いつながりのある場所にするという思いでマネージする。
- 採用面接で、使命とチームを好きになってもらえるようにする。
刺さった言葉たち
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
正しい答えは次のようになるはずだ。
「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆の形である。」
これこそが、zero to oneで伝えたいことで、
大半の人が信じていることが、間違っている or もっと良くなることがあると信じることが大事。
でも、未来がなぜ特別で大切なのかといえば、それが「まだ訪れていない」からではなく、
その時に「世界が今と違う姿になっている」からだ。
あの逆説的な質問への答えのほとんどは、異なる視点で現在を見ているだけだ。
視点が未来に近づくほど、いい答えになる。
真実がXの逆の形であることは、現在証明されていないが、
将来そうなっている or それを作ることとして、何をするかを考えると良いってこと。
自分なりの解釈だと、これは、視点を未来に引き伸ばしたときに、どうなっているかを具体的に想像することだと思う。
進歩は次の二つの形のどちらかになる。
ひとつは水平的進歩、または拡張的進歩と言ってもいい。
もうひとつの垂直的進歩、または集中的進歩とは、新しい何かを行なうこと、つまりゼロから1を生み出すことだ。
水平的進歩の代表例はグローバリゼーション。他国に横展開して、発展する。
ゼロから1を生み出す垂直的な進歩を一言で表わすと、「テクノロジー」になる。
ここまで言い切ってくれると気持ちいい。
自分も非連続な進化はテクノロジーから生まれると思う。
ただし、テクノロジーは利用されないと意味がなく、ビジネスや既存の課題との接続を強く考えないとできない。
圧倒的なテクノロジーは、勝手に活用方法が考えられて発展してくけど、そのレベルを生むのはかなり困難だよね。。
シリコンバレーに居残った企業家は、ドットコムバブルの崩壊から四つの大きな教訓を学んだ。
1 少しずつ段階的に前進すること。
2 無駄なく柔軟であること。
3 ライバルのものを改良すること。
4 販売ではなくプロダクトに集中すること。
これらの教訓は、スタートアップ界の戒律となった。
それを無視すると、二〇〇〇年のハイテク・バブルの二の舞になると考えられている。
でも、むしろ正しいのは、それとは逆の原則だ。
1 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい。
2 出来の悪い計画でも、ないよりはいい。
3 競争の激しい市場では収益が消失する。
4 販売はプロダクトと同じくらい大切だ。
これは上の4つをウンウン頷いて読んでたので、完全にやられた。。
特に3。
過去試作のマイナス点を改良するのも結構思考としてやりがちだなぁ。
ちょっと反省するか・・・。多分、zero to oneとしての頭の作りが全くできてない。
アメリカ人は競争を崇拝し、競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばずにすむのだと思っている。
でも実際には、資本主義と競争は対極にある。
資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。
だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。
永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行なってはならない
競争している時点でおそらく筋悪。
既存のものを見て改善できると思ったら、磨きたい欲が出るんだけど、とことんこの思考を変えないといけないのか。。
独占企業は自分を守るために嘘をつく。
独占を吹聴すれば、監査や詮索や批判を招いてしまうからだ。
独占企業は、いろんな言い方で独占しているように見せない。
例えばGoogleは検索エンジンではシェア70%近くで独占しているが、
広告収入だと3.4%のシェアとなっている。
こう言う言い回しで、独占しているが、更に大きな枠組みで語って独占ではないと言う。
非独占企業は反対の嘘をつく──「この市場には自分たちしかいない」と。
起業家はたいてい競争範囲を甘く見積もりがちで、スタートアップにとってはそれが命取りになる。
彼らは自分の市場を極端に狭く限定し、まるで自分たちが市場を支配しているかのように考えたがる。
独占ができてない場合は逆に、範囲を縮小して独占していると言い張りたがるという観点が面白い。
確かに、独占していると言い張れるとお金を集めるストーリーは立てやすそうだけど。
まぁでもこれは、会社規模の違いによる戦略の違いかなぁ。。
そりゃ誰だって独占的な力やシェアを持つことが明確ならそれは隠すけど、スタートアップでそんなもの最初から持っているのは稀だよね。
グーグル会長のエリック・シュミットは二〇一一年の議会聴聞会で、こう証言していた。
消費者が情報へのさまざまなアクセス手段を持つ、極めて厳しい競争環境に私たちは直面しています。
平たく言うと、こういう意味だ。
グーグルは大きな池の中の雑魚にすぎません。
いつ誰かに飲み込まれてもおかしくないのです。
政府に目をつけられるような独占企業ではありません。
かっこいい。
こういう余裕のあるところまで行くことができるような真実を探究しろってことですな。
僕たちは競争を説き、その必要性を正当化し、その競争を実践する。
その結果、自分自身が競争の中に捕らわれてしまう──競争すればするほど得られるものは減っていくのに。
これぶっ刺さった。
多分、嫉妬とかの感情があると一生こういうのから抜けられないんだと思う。
本当に誰もが見えてない真実を探し続けるって、超難しいね。
人付き合いの極端に苦手なアスペルガー気味の人間が有利に見えるのは、ひとつにこうした模倣競争が不毛だからだろう。
空気を読めない人間は、周囲の人と同じことをしようとは思わない。
なるほど。他人を気にすることがまず不毛なんだ。
こういう鈍感力がある意味重要だなぁ。
逆にやたらマウントを取る人って、自信がないんだと思われる。競争のための方法としてマウントを取るんだと思う。
競争は価値の証しではなく破壊的な力だとわかるだけでも、君はほとんどの人よりまともになれる。
何度も思い出したい言葉。
単純に言えば、今日の企業価値は、その企業が将来生み出すキャッシュフローの総和だ。
しかし、短期的な成果に目を囚われてしまう。
そんな人たちの言い訳は、成長は測りやすいけれど、存続性は測りにくい。
なんでも計測しなければ気がすまない人たちは、
週ごとのアクティブユーザー数、月ごとの売上目標、四半期ごとの利益報告に執着する。
でも、そうした目標を達成しても、ビジネスの存続をおびやかすような、数字に表われない深い問題を見逃すこともある。
短期成長をすべてに優先させれば、自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう。
「このビジネスは10年後も存続しているか?」というものだ。
わかるなぁ。。しかし同時に難しさも分かるなぁ。。。
目に見える数字は積み上げている感があるからなぁ。
その先に10年後も大丈夫なんじゃない?って気持ちにもなってしまうよね。
なんかこの辺めっちゃむずいよね。感覚が。
独占企業は以下の複数を持っている。
1 プロプライエタリ・テクノロジー
2 ネットワーク効果
3 規模の経済
4 ブランディング
1は、圧倒的な技術。
2は、利用者数が増えれば増えるほど利便性が高まる性質。
ただし、いきなり多くを狙わずにスモールにスタートするのが定石。小さく見せておいて実はめっちゃ大きくなるというのが良い。
3は、規模が大きくなるとその恩恵を受けられるようにすること。
4は、アップルのようなブランドイメージ。
どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。
失敗するなら、小さすぎて失敗する方がいい。
理由は単純だ。
大きな市場よりも小さな市場の方が支配しやすいからだ。
最初の市場が大きすぎるかもしれないと感じたら、間違いなく大きいと思った方がいい。
市場は小さいところを狙い、前進は大きくってことか。
「小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい。」と混乱しそうになったけど、あくまで狙う市場は小さいところからスタート。
スタートアップが破壊にこだわることは、自分自身を古い企業の視点で見るようなものだ。
君が自分をダークフォースと戦う反乱軍だと見なせば、必要以上に敵を意識することになりかねない。
本当に新しいものを作りたいなら、古い業界を意識するより、創造に力を注ぐ方が遥かに有益だ。
この本、これを何回も何回も説いている気がする。
これって過去のものを磨く行為はやめた方が良いってことなんかな。
ちょっと理解が正しいか気になるところ。
短期的な変動の激しい曖昧な世界では、長期計画はたいてい過小評価される。
未来をランダムだと見る世界では、明確な計画のある企業は必ず過小評価されるのだ。
長期計画が過小評価されやすいが、これを貫くことが大事。
隠れた真実とは、言うなれば「主流が認めていないこと」だ。
だから間違わないことが君の人生の目標なら、隠れた真実を探すべきじゃない。
自分一人だけが正しいと思える状況、つまり誰もが信じていないことに人生を捧げるのは、それだけでも辛い。
自分が孤立していて、しかも間違っているかもしれないとなったら、耐えられないだろう。
ウメハラを思い出す。周りに流されず、自分の中で大切だと思うことをやり切る時の孤独に耐える。
実際、隠れた真実はまだ多く隠されているけど、それは飽くなき探究を続ける者の前にだけ姿を現す。
ウメハラpart2。
だとしたら、どんな会社を立ち上げるべきかを考える時、問うべき質問は2つ。
自然が語らない真実は何か?
人が語らない真実は何か?
自然が語らない真実は、サイエンスとかから生まれる。けど小難しい。
人が語らない真実は、偉大な経営者が口にできないようなこと。こっちが重要。
「創業時がグチャグチャなスタートアップはあとで直せない」
株式は完璧なインセンティブにはならなくとも、社員全員の利害を大まかに一致させるには役に立つ
上はティールの法則。格言。
下は良い言葉だなと思ってメモ。
僕ははじめから、ペイパルを単なる取引の場ではなく硬いつながりのある場所にしようと思っていた。
絆が強いほど、居心地が良く仕事も捗るし、ペイパル以降のキャリアもうまく行くと考えたのだ。
そこで、僕たちは一緒に働いてくれることを心から楽しんでくれる人たちを雇うことにした。
ほかでもない僕たちと働くことに興奮してくれる人を採用した。
マネージャーとして見習いたい考え方。こういうチームを作りたい。
採用する場合、ここで働いてもらうために魅力的な言葉をかける必要がある。
良い答えは二つに分類される。
一つは君の会社の使命について。
もう一つはチームについてだ。
使命かチームが魅力的であることを伝えるのを採用時にしたい。
スタートアップでは、中の全員がそれぞれ全く違う仕事で際立たなければならない。
チームはスペシャリストの集団でありたい。
大抵の社内の争い事は、社員が同じ仕事を競う時に起こる。
社内の競争をできるだけ排除し、コラボレートを意識する。
最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルトと言って良い。
一番の違いは、カルトは重要な点を間違って盲信しがちだということだ。
成功するスタートアップは、外の人が見逃していることを正しくことを正しく信奉している。
重要な真実に目を向けて、一致団結するチームとか理想やねぇ。
コンピューターは人間を補完するものであって、人間に変わるものじゃない。
これから数十年の間に最も価値のある企業を作るのは、人間をお払い箱にするのではなく、人間に力を与えようとする企業だろう。
これを2014年に言ってるのが凄い気がする。
大体、AIは人間の仕事を奪うとか言ってるけど、まさに支援のためにあると思っている。
スタートアップが答えを出すべき大切な7つの質問
1 エンジニアリング
2 タイミング
3 独占
4 人材
5 販売
6 永続性
7 隠れた真実
7について
彼らは誰もが異論のない「常識」をもとに明るい未来を描いていた。
偉大な会社は隠れた真実に気づいている。
具体的な成功の理由は、周りから見えないところにある。
常識を音にした未来ではなく、誰もが気づいていないことをやる力。
偉大な創業者は、彼ら自身の仕事に価値があるから重要なのではなく、
社員みんなから最高の力を引き出せるから重要なのだ。
これ一生覚えときたい。素晴らしい。
補足
2週間間隔がギリギリになったのは、recsys2023を聴いて内容をまとめてたタイミングと重なったからなんだ・・・
許しておくれ。。
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