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エンベデッドシステムスペシャリストはコスパが良い資格?

2022/12/28に公開約4,200字

はじめに

普段は組み込みエンジニアとしてメーカーで仕事をしています.
先日エンベデッドシステムスペシャリストの合格をいただいたのですが
かなりコスパよく取得できたと自負しているので
興味がある方に参考になるかもと思い受験までの過程と当日の所感を共有しようと思います.

対象読者

  • 組込みSWエンジニアとして日々業務をしていて何か公的資格でもとってみたい人.
  • 電気系専攻の学生で何か高度な資格をとっておきたい人.

非対象読者

  • 組み込みHWエンジニア[1]
  • 非エンジニア[2]
  • 他のIPA資格に興味がある方[3]
  • 資格に興味ない方

忙しい人のための結論

  • 午前1, 午前2に時間を費やすべし. 全部やるよりは分からないとこだけ掻い摘んでやる.
  • 午後1, 午後2は対策というより過去問, 2,3年くらい前のトレンド, 事例を軽く頭に入れておくと良い.
  • リアルタイムOSを触る必要は必ずしもないが, 考え方には慣れておく.
  • 勉強時間が全然なくても, 1日くらい勉強モチベが出れば受かる可能性はある.

エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは

  • IPA(情報処理推進機構)が設けている情報処理技術者試験のうち,
    高度試験というレベル4と呼ばれる最高難易度の試験区分に当たる資格.
    試験概要

  • スペシャリスト向け資格であり, 午後問題は純粋なエンジニアリングが問われる.

  • 令和3年の合格率は18.3%, 応募者平均年齢は37.8歳, 合格者平均年齢は32.9歳とのこと.[4]
    他に比べて合格率は高い統計が出ている.

取得できるまでの過程

受験の半年前

午前1をパスするために何かしらの春季試験を受けようと思い, システムアーキテクト試験を受験.
午前中だけ試験を受けて帰宅.

受験する1か月前

一応参考書を購入しておいた...が積み本化してしまい, ただそれだけとなった.
https://www.amazon.co.jp/情報処理教科書-エンベデッドシステムスペシャリスト-2021-2022年版-牧-隆史/dp/4798167789

受験する1日前

筆者は「仕事で忙しい」という言い訳を並べて時間が過ぎた結果,
このタイミングで参考書をチェック. (1週間くらいは余裕持っておいたほうが良いです...)
過去にいくつか情報処理技術者試験を受けた経験から, 以下の考え方で効率的に勉強を行う.

  • 知見が深くない分野(筆者の場合は運用保守で使うような知識やDB周り)を中心に勉強.
  • コンピュータサイエンスの基礎を問われる問題が多く,
    逆に固有のノウハウは多くないので勉強はしやすい.
  • 午後問題はざっと眺めておいたが, 実力勝負系だったため, 応用情報までと同様に注力しない.
  • 数学苦手なら午後問題の物理系問題を多めに確認しておく.[5]

受験時

  • 「シャープペンシル」「消しゴム」を所持.
    筆者は「時計」を忘れました...otz
  • 昼ごはんは予め調達しておく.
    1時間空きはあるが, 昼時なので混んでいて, 食べに行く時間はあまりない.

試験内容及び所感

午前1(システムアーキテクト時)

  • 当時の問題内容
  • 全30問すべて回答必須.
  • 試験時間は50分
  • 応用情報で問われるレベルの範疇で全般的に出題.
  • テクニカル系は殆どの人は大丈夫なはず. ストラテジ系に要注意.

午前2

  • 当時の問題内容
  • 全25問すべて回答必須.
  • 試験時間は40分
  • コンピュータサイエンス基礎, 電気電子回路, その他応用情報を少し超えるくらいのテクニカル問題が出題.
  • 時間が結構足りないので, 計算問題は後回しにしておくとよい.

午後1

  • 当時の問題内容
  • 全3問あり, 2問選択. 筆者はIMU慣れてないので, 2と3を選択.
  • 試験時間は90分
  • 問題のボリュームが多く, 試験時間はかなりギリギリに感じました. 計算で詰まるようなら後回しが無難.
  • 問2はいわゆるWDTをメインに取り扱った問題. 割と平易な問題が多かったのでおそらく当たりの問題.
  • 問3は3D LiDARを使った無人販売店舗[6]を取り扱った問題.
    筆者は追跡処理周りの計算をしくじっていたので, 後半はほぼ全て点数を落としていたはず...

午後2

  • 当時の問題内容
  • 全2問あり, 1問選択. 問1は物理的な特性に関する問題があり, おそらくHW問題と思い問2を選択.
  • 試験時間は120分
  • 時間には余裕あり. 問題分が7ページあるので, 読解力が要る.
  • 5Gを使った問題ではあるが, 5G固有の知識は特に求められず,
    純粋にリアルタイムプロセスのスキルを問われる.

最後に

試験対策方法などは書かれている内容をよく見かけるが,
高度試験に関する当日の所感などを述べている情報は見当たらなかったのでまとめてみました.
一助になれば幸いです.

Q&A

Q.
なんでエンベデッドシステムスペシャリスト受けたの?
A.
何かしら公的にも分かるスキルの指標が欲しかった, 自己啓発辺りが主な理由.
直接的なインセンティブはないので, ほぼ自己満です.

Q.
他の高度試験もこんなもん?
A.
スペシャリスト以外の試験は少なくとも論述があるので個別の対策が必要で,
書き方のノウハウがいるという経験談を伺ってます.
他の高度試験は分かりませんが, エンベデッドに比べて合格率は高くないので,
ここまで汎用的な内容ではないかも.

Q.
スコア低くないですか?
A.
これで受かってるからコスパが良いとも言える.

Q.
マイコンとかは電子工作はやっていたりするが, OSとかはあまり詳しくない...
A.
大体以下の3書籍のどれかに触れて実際に触っておくとOSについては躓きにくいと思う.
リアルタイムOSも一般的なOSの派生(リアルタイムスケジューリング)なので,
一般的なOSの知識は知っておいて損はない.
https://www.amazon.co.jp/dp/429713148X
https://www.amazon.co.jp/dp/4877832394
https://www.amazon.co.jp/dp/4839975868

Q.
プログラミングの記述力や実装力の問題は出る?
A.
出ない. なので実装力はこの試験では証明できない.
プログラミング面接対策ならLeetCodeのEasy/Mediumでもやっておくと良い.

脚注
  1. SWエンジニアの視点で書いているため. 少しは参考にはなるかもしれませんが. ↩︎

  2. 日々の学習や経験値があることを前提としているため. ↩︎

  3. エンベデッドシステムのみに絞った内容を述べています. ↩︎

  4. 参考元 ↩︎

  5. 数学といっても高校レベルあれば十分. ↩︎

  6. 要はAmazonGo ↩︎

Discussion

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