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【初心者向け】APIの作り方完全ガイド:アイデアからデプロイまで

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「API を作ってみたいけど、どこから始めればいいのか分からない」
初めて API 開発にチャレンジする時、私もまさにそうでした。
設計?フレームワーク?サーバー?デプロイ?……と、学ぶことが多すぎて途中で挫折しそうになった経験もあります。

この記事では、私が実際に API を作ったときの流れをベースに、アイデアを形にするところからデプロイまでのステップ をシンプルに整理してみました。初心者でも「とりあえず動く API」を作れるようになることを目指します 🚀

Backend Developers.jpg

例題プロジェクト:書評API

シンプルで実践的な書評APIを作成します。これにより、ユーザーは以下の操作を行えます:

  • 会員登録・ログイン
  • 書籍検索
  • 書評投稿・閲覧

Goodreads Liteのようなイメージですが、API設計と開発者に優しいアーキテクチャに重点を置いています。

1. 要件定義&全体設計

Confluence.png

コードを書く前に、システムがやるべきこと、そしてどう作るかを明確にします。

コア要件:

  • ユーザーアカウントの作成とログイン
  • 書籍のタイトルで検索
  • 書評の投稿と閲覧
  • 数千人規模のユーザーに対応

技術選定(理由付き):

  • フレームワーク: Spring Boot — REST API開発がスピーディで設計が明確
  • DB: PostgreSQL — 高い安定性を持つリレーショナルデータベース
  • 認証: JWT — ステートレスで安全なトークン認証
  • アーキテクチャ: レイヤード — Controller(HTTP)→ Service(ビジネスロジック)→ Repository(データ)
  • スケーラビリティ: ステートレス設計で水平スケール可能

💡 フロー例: 書評POSTリクエスト → REST Controller → Serviceでバリデーション → DBに保存 → 成功レスポンス

使用ツール:

  • Google Docs / Confluenceで計画・ブレインストーミング
  • ホワイトボード、付箋、そしてコーヒー

2. データベース設計

image.png

アイデアを実際のデータモデルに落とし込みます。

エンティティ:

  • Users: id, username, email, password_hash
  • Books: id, title, author, isbn
  • 書評: id, book_id, user_id, rating, comment

リレーション:

  • 1ユーザー → 複数書評
  • 1書籍 → 複数書評
  • 書評がユーザーと書籍をリンク

ツール:

  • Lucidchart / Draw.ioでER図作成
  • IntelliJ IDEAのDBツールでスキーマ確認

3. API設計

Swagger.png

ここでは、APIの外部仕様を決定します — エンドポイント、リクエスト・レスポンス形式、エラー処理など。

例: エンドポイント

  • POST /users/register — アカウント作成
  • POST /users/login — JWT取得
  • GET /books?search=title — 書籍検索
  • POST /書評 — 書評投稿(JWT必須)
  • GET /書評/{bookId} — 書籍の書評一覧

ツール:

  • Swagger / OpenAPIでインタラクティブなAPIドキュメント作成
  • JSONサンプルで仕様を明確化

4. APIコーディング

image.png

設計図が完成したら、実際にコーディングに取り掛かります。

典型的なワークフロー:

  1. Spring Bootプロジェクト作成(Maven/Gradle)
  2. 依存関係追加:Spring Web, Data JPA, Security, PostgreSQLドライバ
  3. エンティティ作成(User, Book, 書評
  4. DBアクセス用リポジトリ作成
  5. コアロジック用サービス作成
  6. リクエスト処理用コントローラ作成

コントローラ例:

@RestController
@RequestMapping("/books")
public class BookController {

    @GetMapping
    public List<Book> searchBooks(@RequestParam String search) {
        return bookService.findByTitleContaining(search);
    }
}

ツール:

  • IntelliJ IDEA Ultimate(Spring Boot開発に最適)

5. APIテスト(まずは手動)

Postman.png

自動化前に、まずは手動でAPIを確認します。

手順:

  • IntelliJでアプリ起動
  • PostmanやHTTP Clientでリクエスト送信
  • レスポンス・エラーを確認し、コードを修正

テスト例:

  • 登録 → 成功確認
  • ログイン → JWTが返るか
  • 書籍検索 → 結果確認
  • 書評投稿 → DBに登録されているか確認

6. APIデプロイ

ローカルで動作しているAPIを、本番環境にデプロイします。JAR化はその第一歩です。

JARパッケージ作成:

mvn clean package

生成されるファイル:

target/book-review-api-1.0.0.jar

実行方法:

java -jar target/book-review-api-1.0.0.jar

デプロイ方法・ツール例:

  1. クラウドプロバイダ

    • AWS EC2 / Lightsail:サーバー管理、SSHでアクセスしJAR実行
    • Heroku:GitでコードをプッシュしてHerokuがデプロイを管理
    • Google Cloud / Azure:AWS同様、既存環境との連携が簡単
  2. コンテナ化

    • Docker:APIと依存関係をまとめてパッケージ化し、どこでも実行可能

      FROM openjdk:17-jdk-alpine
      COPY target/book-review-api-1.0.0.jar app.jar
      ENTRYPOINT ["java","-jar","/app.jar"]
      
    • 実行例:

      docker build -t book-review-api .
      docker run -p 8080:8080 book-review-api
      
  3. プロセスマネージャ(常駐アプリ用)

    • systemd(Linux)や PM2(Node環境)でAPIを常時稼働させ、障害時には自動再起動
  4. リバースプロキシ / ロードバランサ

    • Nginx / Traefik:HTTPトラフィックをルーティングし、スケール対応

これでAPIは、ローカルから本番運用可能なスケーラブルAPIに進化します。

振り返り

  1. 計画&設計 — 要件整理、技術選定
  2. DB設計 — ERD作成
  3. API設計 — エンドポイント・ペイロード定義
  4. コーディング — Spring Bootで実装
  5. テスト — Postmanで確認
  6. デプロイ — JARを公開

EchoAPIでAPI開発を簡素化:全工程を一元管理

API開発には、複数ツールの連携が求められましたが、EchoAPIを使えば、全てのプロセスを一つのプラットフォームで効率化できます。計画からデプロイまで、API開発ライフサイクル全体を管理できます。

1. 要件分析&設計

Google Docsやホワイトボードを行き来する代わりに、EchoAPI上でMarkdownドキュメントを直接作成。要件定義からチームとのコラボレーションまで、全てが一箇所で完結します。

Solution Design.jpg

メリット:

  • チーム全体でドキュメント集中管理
  • バージョン管理と共同編集が簡単
  • 要件とAPI設計のリンクが明確

2. API設計&モック生成

エンドポイント設計を視覚的に行い、設計から自動でモックAPIを生成。すぐにテスト可能です。

API Design.jpg

さらに、整理されたAPIドキュメントが生成され、チームや外部開発者への共有も簡単に。

Mock.jpg

3. コード生成&IDE統合

EchoAPIはIntelliJ IDEAと統合され、API定義を自動生成。編集や拡張もIDE内で完結できます。

IDEA.jpg

リアルタイム同期が可能で、チーム共有や自動テストが簡単で、デプロイ前に確認できます。

automated tests.jpg

開発者のメリット:

  • 計画・設計・テスト・ドキュメントを一括管理
  • 複数ツール間の切り替えを削減
  • 開発スピードアップ&品質向上
  • コラボレーションとAPI保守の簡便化

まとめ:API開発の効率化

API 開発は最初こそハードルが高く見えますが、実際に手を動かしてみると「思ったよりシンプル」だと感じられるはずです。
今回紹介したステップはあくまで基本の流れですが、一度体験しておけば応用範囲は一気に広がります。小さなアイデアでも API にして公開すれば、誰かの役に立つプロダクトになるかもしれません。
この記事が「API を作ってみたい」と思っている方の一歩目の助けになれば嬉しいです。もし別のやり方やおすすめのツールがあれば、ぜひコメントでシェアしてください 🙌

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