EchoAPI VS Thunder Client:VS Codeで最強のAPIデバッグ拡張はどっち?
VS Code を使っていると、つい気になるのが「どの API デバッグ拡張を選ぶべきか?」という問題。
有名どころでは Thunder Client が長く使われていますが、最近は EchoAPI という選択肢も注目されています。
私自身も両方を実際にインストールして触ってみて、「正直どっちが便利なんだ?」と感じたので、この記事では 機能比較・使い勝手・実際のワークフローでの違い をまとめてみました。
1. 背景:なぜこの2つを比較するのか?
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Thunder Client
VS Codeにおける最初のヒット作となったAPI拡張機能の一つです。コンセプトは明確で、軽量なPostmanの代替を目指しています。主要なAPIデバッグ機能を備えつつ、チームコラボレーションやドキュメント生成などの複雑な機能はあえて省略。シンプルで軽快、すぐに使い始められるため、個人開発者を中心に高い人気を誇っています。
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EchoAPI
その後登場した「オールインワンプレイヤー」。基本的なAPIデバッグ機能に加え、APIドキュメントの生成、テスト自動化、コードスニペット生成、チームコラボレーション、オフライン利用までを包括的にサポート。一言で表すなら、Postman + Swagger + テストフレームワークをVS Code内で代替できる超級拡張機能です。
つまり、本質的には以下のような選択肢となります:
👉 Thunder Client = 「軽量ツール」シンプルで十分
👉 EchoAPI = 「重武装の戦車」機能範囲が広く、チームやプロダクション用途に向いている
2. 機能比較
以下の表で両者の機能を詳細に整理しました:
比較項目 | EchoAPI | Thunder Client |
---|---|---|
プロトコル対応 | HTTP/1.1、HTTP/2、WebSocket、SSE、Socket.IO、GraphQL | HTTP、GraphQL |
デバッグ機能 | リクエストアサーション、全プロトコル対応、結果検証 | 基本的なリクエスト・レスポンスデバッグ |
自動テスト | バッチテスト、ディレクトリ管理、CI/CD 連携 | 基本的なコレクション実行 |
環境/変数 | グローバル変数、環境変数、Cookie、Faker データ生成 | 簡易的な環境変数管理 |
API ドキュメント | 設計、リアルタイム検証、自動生成と共有 | なし |
コード生成 | 複数言語のコード例をリアルタイム生成 | なし |
コラボ機能 | ローカル保存 + クラウド同期、Push & Pull 対応 | チーム対応はあるが制限的 |
オフライン | フル対応、ログイン不要で利用可 | 基本機能はオフライン可、一部はアカウント必須 |
データ入出力 | cURL、Postman、Thunder Client、OpenAPI、EchoAPI に相互対応 | cURL と Postman のみ |
コスト | 完全無料 | 無料制限が多く、有料プラン必須 |
コレクション | 無制限で無料利用可 | 有料プランのみ |
結論として、EchoAPIは機能のカバー範囲において「全方位的に優位」です。一方、Thunder Clientはシンプルさを貫き、軽快さで差別化を図っています。
3. レーダーチャート比較
視覚的に比較すると以下のようになります:
- プロトコル対応、API ドキュメント、コード生成、自動テスト → EchoAPI が圧倒的に優位
- 軽量性、シンプルさ、学習コストの低さ → Thunder Client に軍配
4. 使用体験の比較
⚡ Thunder Client:速い・軽い・スムーズ
- UIスタイル:Postmanに近く、学習コストほぼゼロで即座に使い始められる。
- パフォーマンス:起動が高速で、VS Codeの動作を遅延させない。
- 対象ユーザー:個人開発者、小規模チーム、主にREST APIのデバッグを目的とするユーザー。
🦉 EchoAPI:万能・強力・機能豊富
- UIスタイル:ドキュメント、デバッグ、テスト、コード生成など、多機能なパネルを搭載。
- パフォーマンス:Thunder Clientよりは若干重いが、Postmanよりは軽快に動作。
- 対象ユーザー:中〜大規模チーム、複数プロトコルの扱いやAPIドキュメントの管理が必要な開発者。
実践デモ:ログインAPIのデバッグ
両ツールの違いを直感的に理解するため、典型的なシナリオをデバッグしてみましょう:
ユーザーログイン → ユーザー情報取得
API仕様:
-
POST /api/login
:ユーザー名とパスワードを送信し、token
を応答として返す。 -
GET /api/userinfo
:HeaderにAuthorization: Bearer <token>
を付与してリクエスト。
Thunder Client のデバッグフロー
1. 新しいリクエストを作成し、POST /api/login
を選択、リクエストボディを入力:
{
"username": "test",
"password": "123456"
}
2. Tests スクリプト欄 にアサーションを追加し、ステータスコードが200であることを確認:
3. Visual Script Extractor を使用して token
を抽出し、環境変数 token
に保存。
4. 新しいリクエスト GET /api/userinfo
を作成し、Headerに自動挿入:
Authorization: Bearer {{token}}
5. Tests エリア にアサーションを追加:
👉 Thunder Client は一連のフローをスムーズに完了可能で、アサーションや変数抽出もサポート。ただし機能はシンプルで、スクリプトの表現力には限界があります。
EchoAPI のデバッグフロー
1. 新しいリクエスト POST /api/login
を作成し、リクエストボディを入力。
2. Post-response にアサーションを追加:
3. 内蔵ビジュアル抽出ツール で token
をワンクリック抽出し、環境変数 token
に保存。スクリプト不要。
4. 新しいリクエスト GET /api/userinfo
を追加し、Headerに以下を設定:
Authorization: Bearer {{token}}
5. テストスクリプトでより複雑なアサーションを追加可能:
6. バッチテストコレクション を実行し、ログイン→ユーザー情報取得の一連の流れを自動化。さらに テストレポート(成功率・レスポンス時間・アサーション詳細)を生成。
👉 EchoAPI の体験はより「自動化」されています:
- 変数抽出が直感的(クリック操作のみで可能)。
- アサーションは多岐にわたり、テスト結果をレポートとして可視化。
- 一連のフローを テストセット として保存可能、さらに CI/CD への統合もサポート。
✅ まとめ:
- Thunder Client:フローは実現可能で、個人でのデバッグに適している。スクリプト欄はミニ版Postmanに近い。
- EchoAPI:テストフレームワークとドキュメントツールの融合。保存・再利用・チーム共有の機能が強力。
5. 学習曲線と効率性
- Thunder Client:ほとんど学習不要、インストール後すぐに利用可能。
- EchoAPI:機能が豊富なため初期の習得に少し時間がかかるが、一度習得すればデバッグ・テスト・ドキュメント・協働をシームレスに扱え、効率が大幅に向上。
👉 シンプルに言い換えれば:Thunder Client = 10分で習得、EchoAPI = 30分で習得、一生効率的。
6. 料金モデルの比較
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Thunder Client
- 無料版:開発用途には制約が多い
- Pro版:テストセット・チーム機能を解放
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EchoAPI
- SaaSエディション:デバッグ、ドキュメント、テスト、コード生成など開発必須の機能をほぼ網羅
- プライベートデプロイメント:チーム協力、クラウド同期、プロジェクト管理の強化
💥EchoAPI for VS Code の機能は完全無料。
まとめ:EchoAPIの無料版はThunder Clientの無料版よりも包括的であり、チーム利用の際もEchoAPIの方が提供機能が豊富。
7. 今後の展望
- Thunder Client → 軽量路線を維持し、個人市場を強化
- EchoAPI → Postman + Swagger の代替を狙い、VS Code 内の「API 管理プラットフォーム」へ
結論
どちらの拡張も優秀ですが、実際に使ってみると「向き不向き」がはっきり出ます。
シンプルに API を試したいなら Thunder Client
開発効率やチームでの運用まで考えるなら EchoAPI
というのが、今のところ私の結論です。
もちろん使い方やプロジェクトの規模によって最適解は変わります。この記事が、あなたの VS Code 環境に合う拡張選びの参考になれば幸いです。
もし「私はこう使ってる」「こっちの機能が便利だった」などの意見があれば、ぜひコメントで教えてください 🙌
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