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Herokuに代わる完全無料のDiscord Botのホスティングサービスまとめ

に公開

Discord Botを無料枠で動かせるサービスを参考記事付きでまとめました。
HerokuやRailwayの有料化に困っている人にどうぞ。
料金体制はよく変わるので念のため、使う前に自分で確認することをおすすめします。

なお、この記事ではPythonのホスティングサービスを紹介しているため、Pythonがホスティングできないサービスは紹介していません。(Deno DeployGenezioEncoreなど)

準備

認証で使うことが多いので、クレジットカードやデビットカードを準備しましょう。
ないなら、バンドルカードkyashなどのプリペイドカードを作りましょう。
1ドル程度入ってないと認証できないことがあります。
また、電話番号も必要なことがあります。

言語

python 3.11

テストコード

https://github.com/radian462/test-bot

こちらの記事のコードをベースに作成させていただきました。
https://qiita.com/Erytheia/items/2f64c06d6d8a4f802390

おすすめ

長時間問題なく起動できるサービスです。

Google Compute Engine

個人的には一番おすすめのサービスです。
無料枠のわりにスペックが良く、運営元がGoogleなので、廃止の心配が低いのも高評価。
欠点として、VPSである以上、CI/CDは自身で構築する必要があります。
設定ミスると普通に課金されるので気を付けて(3敗)

無料枠
リージョン オレゴン: us-west1
アイオワ: us-central1
サウスカロライナ: us-east1
のいずれかの地域
vCPU 0.25~2vCPU(1 個の共有コア)
メモリ 1GB
ディスク 30GB-月の標準永続ディスク

https://zenn.dev/mixi/articles/97a39d8d6d9890

https://qiita.com/amama-nagigi/items/4d09eab14a6f9f88ac3a

https://zenn.dev/midra_lab/articles/fd9db0c558424b

Koyeb

おすすめのサービスの中でも、参考資料の多さは群を抜いている印象です。
2025年3月ごろから60分で眠るようになったみたいです。cron-jobとかUptimeRobotなどで眠らせないようにしましょう。

https://community.koyeb.com/t/deployment-keeps-sleeping/3300

https://community.koyeb.com/t/issue-with-me-deployment/3343

https://www.koyeb.com/docs/reference/instances#free-instances

無料枠
vCPU 0.1
メモリ 512MB
ディスク 2000MB

https://zenn.dev/maguro_alterna/articles/65906deef48e2b

https://zenn.dev/amano_spica/articles/24c5f288cf9595

https://zenn.dev/saitogo/articles/e763dad351594f

https://note.com/rec_877/n/nac157deb7adb

Northflank

無料枠で下のスペックの鯖が2つ使えて便利です。
Planにnf-compute-10とnf-compute-20がありますがどちらでも2つまでは無料なのでnf-compute-20にしましょう。(デフォルトはnf-compute-10)

無料枠
vCPU 0.2 shared
メモリ 512MB

https://zenn.dev/radian462/articles/22ab327b58dda9

https://northflank.com/guides/deploying-a-discord-music-bot-on-northflank

起動確認済み

テストの起動には成功したが、長時間起動の検証はしてないサービスです。

Back4App

無料枠
vCPU 0.25 shared
メモリ 256MB
転送 100GB
月600時間

Choreo

Copilotが搭載されており、日本語は使えないようですが質問ができて便利です。質問に対応するドキュメントのリンクを返したりしてくれます。
なお、注意点としてDeployからScale to Zeroを無効化しないと眠ってしまいます。
無効化した場合、3時間後に眠ってしまうようなので、有効にしてGAScron-job.orgなどで眠らせないようにすれば運用できそうです。(5分で眠るから2分ごとに送れるcron-jobの方がいいかも)なお、HEADだと弾かれるのでGETなどで送りましょう。
また、ビルド時にセキュリティチェックが入り、Dockerfileに以下のコードを追加しないと通りません。

RUN adduser --uid 10001 --disabled-password --gecos '' appuser
USER 10001
無料枠
コンポーネント 5つまで
クレジット 月100$

リソースは自動で割り当てられるっぽい。
試しに建てたコンポーネントだと0.1CPU、350MiBのRAMが割り当てられているみたい。

Discloud

Discordで操作する珍しいタイプのサービスです
すごく面倒臭い。なんか.env読み込めなかったし

無料枠
メモリ 100MB
CPU 0.25vCPU

https://note.com/masahito_scibiz/n/n686158d7dec2

https://qiita.com/ryo_001339/items/bc2e71acb2a3a8ccb80b

https://www.youtube.com/watch?v=AbwQ6SUXjbY

Fly

以前のような無料枠は2024年10月7日に廃止されました。

https://marukot-ch.hatenablog.com/entry/2025/01/03/150137

しかし、以前無料枠を登録していた場合はLegacy Hobbyプランとして以前の無料枠が使えるみたいです。

https://fly.io/docs/about/pricing/#legacy-free-allowances

現在はPay As You Go Planを利用する場合、$5までの請求は免除される仕様になっているみたいです。(ただし超えるとその額がそのまま請求されます。)

https://community.fly.io/t/clarification-on-fly-ios-free-tier-and-billing-policy/20909

しかし、ドキュメントにはそのような記述が見つからず、ソースがコミュニティ頼りだった上に、以前(2024年12月)利用したときに$5を下回っているのにも関わらずそのまま請求されたことで無料枠が廃止されたという認識でしたが、billing@fly.ioに請求書IDを添付して問い合わせたらこのような返事がありました。

Thanks for writing in! Sorry about the trouble here.
Yes, we currently waive invoice amounts below $5. I have processed that refund for you and you should see it returned to the card used within a few business days, however this can take up to two calendar weeks (10 business days), depending on the card issuer.
Please let me know if you have any further questions!
Best,

正直無料枠の確認をするために問い合わせただけで、返金を受けるつもりはなかったのですが丁寧な対応をしてもらいました。
万が一請求が来ても手厚いサポートがあるので、安心だと思いました。
しかし、Flyの無料枠についての情報はかなり錯綜しているので使う前にしっかりと調べることをおすすめします。

あと無料枠にしては珍しく東京リージョンがあります。

https://qiita.com/Erytheia/items/f134f210789842340066

https://zenn.dev/theta_k/scraps/811ec0cc2986b6

無料枠(東京リージョン)
免除 $5まで
CPU 1 shared
メモリ 256MB
価格 $2.54
CPU 1 shared
メモリ 512MB
価格 $4.18

なお、リージョンによって価格は変わります。

Render

15分で寝るので死活監視をする必要がありますが、やり方が悪いのか気づいたら寝てることが多いです
今まで、UptimeRobotでHEADリクエストを送っていましたが、GASでGETリクエストを送るようにしたら眠らなくなりました。なので、Discord Bot用にも使えるんじゃないかと思います。

無料枠
メモリ 512MB
CPU 0.1
月750時間

https://qiita.com/Erytheia/items/2f64c06d6d8a4f802390

https://www.endorphinbath.com/renderdotcom-how-to-deploy-discord-bot/

Solar Hosting

環境変数は.envで読み込む必要がある。
Github連携もできるっぽい?

無料枠
メモリ 356MB
CPU 0.3vCores
ストレージ 1000MB

不便な点があるサービス

個人的に試してみてDiscord Botには向いてないと思ったサービスです。

Cloud Run

1か月ずっとホスティングすると3,600×24×30=2,592,000vCPU秒使うことになり、無料枠には収まりません。
ただAPIの構築などには便利です。

無料枠
メモリ 360,000GB 秒
vCPU 180,000vCPU 秒
リクエスト 200万
ネットワーク 1GB の北米からの下り(外向き)ネットワーク

https://scrapbox.io/0b5vr/Google_Cloud:_Cloud_RunでDiscord_Bot作る

XREA

レンタルサーバーなので仕方ないのですが、様々な制限があります。

  • cd使えない
  • root権限ない
  • aptやbrewは入ってない
  • dockerが入ってない
  • pythonが古い
  • pipも使えない等

無理矢理使うことは可能ですが、推奨しません。

やり方

1.シェルをBashに変更。(ただし、禁止されている行為であることを念頭においてください。)

bash

2.Pythonを最新にする

# ディレクトリを作成
mkdir -p ~/src && cd ~/src

# ソースコードを取得して解凍
curl -O https://www.python.org/ftp/python/3.12.3/Python-3.12.3.tgz
tar xvf Python-3.12.3.tgz

# ビルド
./configure --prefix=$HOME/local/python --enable-optimizations
make -j$(nproc)
make install

# エイリアスを設定
echo 'export PATH="$HOME/local/python/bin:$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
echo 'alias python="$HOME/local/python/bin/python3"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

# バージョン確認
python --version

3.pipをインストール

curl -O https://bootstrap.pypa.io/get-pip.py
python3 get-pip.py --user
cd ~

4.リポジトリをクローンして環境構築

git clone https://github.com/radian462/test-bot.git
cd test-bot
pip install -r requirements.txt
echo "DISCORD_TOKEN=[Botのトークン]" > .env

5.起動

cd ~
nohup ./local/python/bin/python3 test-bot/main.py &

ただし、このやり方は禁止されている行為をすることになるのでやるのはおすすめしません。やる場合は自己責任で。

無料枠
容量 10GB
転送量 5GB/日

https://zenn.dev/unico417/articles/03d90ff34b104f

Zeabur

これでDiscord Botをホスティングしてたら止められました。
下の記事によると7日まで自動で動き、ログインで延長できるらしいです。
日本リージョンと日本語ドキュメントがある点は高評価。

https://zenn.dev/calloc134/articles/c6500f42a54f77

🪦R.I.P.

この記事の執筆中にサ終(or無料枠廃止)に気づいたサービスです。
最新情報の記述と供養のために置いときます。

Heroku

2022年11月28日に無料枠廃止。
Discord Botを動かすサービスで一番最初に出てくるサービスですが、今は有料化されています。

Railway

2023年8月1日に無料枠廃止。
Herokuの代用として挙げられることがありますが、こちらも有料化されています。
廃止アナウンス

Hop

free-for.devのプルリクによると2024年5月にサ終したようです。
おすすめに書こうと思っていたサービスだったので残念。

無料枠
Shared CPU 1x Shared CPU
メモリ 512MB
ストレージ(SSD) 3GB

Cyclic

2024年5月31日にサ終。
資金不足が原因らしいです。
サ終アナウンス

無料枠
メモリ 1024MB
ストレージ 1GB

Adaptable

2024年9月23日に無料枠廃止。その後、2025年3月15日にサ終。
廃止アナウンス
サ終アナウンス

Deta

2024年10月17日にサ終予定しました。
あまり話題にならなかったのが閉鎖の原因みたいです。
どのようなサービスかはわかりませんが現在はdeta.surfを開発しているみたいです。
サ終アナウンス

Lade

2025年6月10日に無料枠廃止

無料枠
メモリ 128MB
CPU 1CPU

廃止を確認できる記事

Glitch

2025年7月8日にサ終。
サ終の理由として、悪用が増えたことで費用が増加したこと、Fly.ioDenoなどの後続プラットフォームが数多く登場したことが挙げられています。
サ終アナウンス

未検証

Amazon EC2

クラウドサービスと言えばのAWSです。
EC2はAlways Freeには入っていないのですが、2025年12月31日までt4g.smallが月750時間使えるみたいです。

https://aws.amazon.com/jp/ec2/faqs/?nc1=h_ls#t4g-instances

TwitterやWayback Machineを見るとこの期限は毎年しれっと伸ばされているみたいです。しかし、今年延長されない可能性もあるので注意されましょう。

https://x.com/fukkatsuso/status/1870683445250457793

https://x.com/kazu23ma/status/1767726943104041004

https://x.com/kdmn/status/1604130091319328770

https://web.archive.org/web/20240305041107/https://aws.amazon.com/jp/ec2/faqs/?nc1=h_ls#t4g-instances

無料枠の知名度が低いのか、参考記事は少な目。スペックが高いから近いうちに検証するかも。
あと最近無料プランの仕様が変わったみたいです。

https://zenn.dev/khirasan/articles/2d13b313f09a07

無料枠(t4g.small)
vCPU 2vCPU
メモリ 2GiB

https://qiita.com/muraguchiReiya/items/440d0610c818770b9fed

Daki

無料枠が開いていないようなので、検証できませんでした。
アカウントの作成にDiscordが必要です

無料枠
メモリ 0.5GiB
CPU 0.5CPU
ストレージ 1GiB

GAE(Google App Engine)

無料枠
メモリ 384MB
CPU 600MHz

を1日28時間

https://qiita.com/alkshmir/items/036aca4123e963002dc5

Oracle Cloud Infrastructure Compute VMs

調べた中では一番スペックのいいマシンを使えますが、自分はエラーで登録できませんでした。
誰かこうしたら出来たっていうのがある人は教えてください。

ArmとAMDのどちらか

Armインスタンス(4つまで)
メモリ 合計24GB
CPU Ampere A1コア
AMDインスタンス(2つまで)
メモリ 1GB
CPU E2.1.Micro

https://qiita.com/Yodokoro/items/5b57b940a7611ced9d2a

https://zenn.dev/sweetsoundstory/books/python-discord-bot/viewer/oracle-cloud

Patr

無料枠を利用するには$10支払う必要があります(クレジットとして返金されます)

無料枠
メモリ 1GB?
CPU 1vCPU?

ソースがredditのため真偽不明
https://www.reddit.com/r/devops/comments/z7n83n/whats_is_a_good_alternative_to_heroku_for_free/

終わりに

いろいろな代替サービスを出しましたが個人的にはサ終の心配が少ないGCE、スペックが比較的高いKoyebとNorthflankをおすすめします。
今後も新しくサービスを見つけたら追加しますし、未検証も今後できるものは検証していきたいと思います。
間違いや古い情報、他のサービスがあったらコメントください。
(railwayの無料枠多少縮小していいから復活しないかな...)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考

https://scrapbox.io/ci7lus/タダの実行環境一覧

https://free-for.dev/#/

その他redditなど

履歴

2025/2/5 ちょっとタイトル変えました。
2025/6/1 Dakiを追加
2025/7/14 Choreoを追加、Flyを無料枠廃止に移動、HerokuとRailwayを無料枠廃止に追加、一部の文章を改稿。
2025/7/14 Ladeを無料枠廃止に移動
2025/7/16 Renderを起動確認済みに移動
2025/7/18 XREAを不便な点があるサービスに移動
2025/7/21 Flyを起動確認済みに再分類、GlitchをR.I.P.に追加、アルファベット順に並び替え
2025/7/24 EC2を追加&Koyebのスリープを記載

GitHubで編集を提案

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