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[Android]Androidシステムの完全な構造解説:ハードウェアからアプリまで

2024/02/12に公開

Androidの内部構造: 各レイヤーの役割と連携を理解する

  • ハードウェア: 物理的なデバイスのコンポーネント(CPU、メモリ、センサーなど)
  • Linuxカーネル: 低レベルの操作(メモリ管理、プロセス管理など)を担当する基盤となるOS
  • C/C++コアシステム層: ネイティブライブラリやAndroidランタイム(ART)など、システムの核心部分です
  • Java API Framework: Javaで書かれたAPI群で、アプリケーション層とシステムの下層との橋渡しをします。
  • アプリケーション層(Kotlin/Java): KotlinやJavaを使用してアプリが開発される層です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Android_(オペレーティングシステム)

ハードウェア

  • プロセッサ(CPU): スマートフォンの「脳」とも言える部分で、全ての計算処理を担います。高性能なCPUは、より速いアプリの実行とスムーズなマルチタスキングを可能にします。
  • グラフィックス処理ユニット(GPU): 画面表示やビデオ再生、ゲームなどのグラフィックス処理を担当します。強力なGPUは高解像度の画面と複雑なグラフィックスの処理能力を提供します。
  • RAM(ランダムアクセスメモリ): アプリケーションやオペレーティングシステムが直接アクセスする一時記憶領域です。RAMが多いほど、より多くのアプリを同時に実行でき、システムの反応速度が向上します。
  • ストレージ: 写真、動画、アプリ、その他のデータを保存するためのメモリ。内蔵ストレージの容量は、データをどれだけ保存できるかを決定します。
  • バッテリー: スマートフォンの電源を供給します。バッテリー容量が大きいほど、長時間の使用が可能になります。
  • ディスプレイ: ユーザーとのインターフェースとなる部分。サイズ、解像度、画面技術(例:LCD、OLED)などが異なります。
  • カメラ: 写真やビデオを撮影するためのコンポーネント。解像度、レンズの種類、追加機能(光学ズーム、広角レンズなど)によって異なります。
  • センサー: GPS、加速度計、ジャイロスコープ、近接センサー、光センサーなど、様々な環境情報を検出し、デバイスの機能との連携を可能にします。
  • 通信モジュール: Wi-Fi、Bluetooth、携帯電話ネットワーク(4G、5Gなど)への接続を担当します。
  • オーディオコンポーネント: スピーカーとマイクロフォン。音声通話、音楽再生、音声認識機能などに使用されます。

Linuxカーネル

Linuxカーネルの主な機能には以下のようなものがあります。

  • プロセス管理: カーネルはシステム上で実行されるすべてのプロセス(アプリケーションやバックグラウンドサービス)を管理します。プロセスの作成、実行、停止、およびリソースの割り当てなどを行います。
  • メモリ管理: カーネルは物理メモリ(RAM)の割り当てと管理を担います。これにはメモリの割り当て、ページング、仮想メモリの管理などが含まれます。
  • デバイスドライバー: カーネルはハードウェアデバイス(ディスプレイ、ハードディスク、USBデバイスなど)との通信を司るデバイスドライバーを統合します。これにより、ハードウェアとOS間の互換性と通信が確保されます。
  • ファイルシステム: カーネルはファイルシステムの管理を行い、データの保存、読み出し、検索、保護などの機能を提供します。
  • ネットワーク機能: カーネルはネットワーク接続の管理も行い、データの送受信、ネットワーク設定、セキュリティポリシーの適用などを担います。
  • セキュリティとアクセス制御: カーネルはシステムのセキュリティを維持し、ユーザーのアクセス権限を管理します。これにより、不正アクセスやデータの損失を防ぎます。
  • システムコールとAPI: カーネルはアプリケーションがシステムリソースにアクセスするためのインターフェース(システムコール)を提供します。

C/C++コアシステム層

  • ネイティブライブラリとAPI: C/C++層には、システムの基本的な機能を提供する多くのネイティブライブラリが含まれています。これには、グラフィックス、データベース、Webブラウジング、メディア再生などのためのライブラリが含まれます。これらのライブラリは、アプリケーション開発者がより高度なシステム機能にアクセスできるようにするAPIを提供します。
  • Androidランタイム(ART): Android 5.0(Lollipop)以降、Androidランタイム(ART)は、アプリケーションが実行される環境を提供します。これは主にC++で書かれており、Javaアプリケーションをコンパイルし、最適化して実行します。
  • ハードウェア抽象化層(HAL): HALは、Androidフレームワークとハードウェアの間の仲介役を果たします。これにより、異なるハードウェアコンポーネントが統一されたインターフェースを通じてAndroidシステムに接続できるようになります。たとえば、カメラ、Bluetooth、Wi-Fiなどのハードウェア機能にアプリケーションからアクセスする際に、HALが使用されます。
  • システムサービスとデーモン: これらはバックグラウンドで実行され、システムの管理とメンテナンスを行います。例えば、メモリ管理、プロセス管理、パワーマネジメントなどがこれに含まれます。
  • セキュリティとパーミッション管理: Androidのセキュリティモデルは、この層で大部分が処理されます。アプリケーションのパーミッション管理、暗号化、セキュアなデータ交換などがここで行われます。

Java API Framework

  • アプリケーション開発のためのAPI提供: Java API Frameworkは、アプリケーション開発者が使うことができる様々なAPIを提供します。これには、UI(ユーザーインターフェース)コンポーネント、データベースアクセス、ファイルシステムアクセス、ネットワーク通信などが含まれます。
  • システムサービスの管理: このフレームワークは、Androidシステムの各種サービス(例:通知サービス、ウィンドウマネージャ、バックグラウンドタスク管理など)を管理します。
  • デバイスハードウェアの制御: Java API Frameworkは、カメラ、GPS、センサーなどのデバイスハードウェアへのアクセスを提供するAPIも含んでいます。
  • セキュリティとパーミッション: アプリケーションが必要とするパーミッションの管理や、セキュリティポリシーの適用を行います。
  • ユーザーインターフェースのフレームワーク: AndroidアプリのUIを構築するための豊富なビュー(View)とウィジェット(Widget)が提供されています。
  • データストレージと共有: SharedPreferences、SQLiteデータベース、コンテンツプロバイダーなど、データの保存と共有のためのAPIが含まれています。

アプリケーション層

  • ユーザーインターフェイスの提供: アプリケーション層は、スマートフォンやタブレットの画面上でユーザーが直接対話するインターフェイスを提供します。これには、ボタン、テキスト入力フィールド、画像、ビデオプレイヤーなど、ユーザーが見たり触れたりするすべての要素が含まれます。
  • アプリケーションのビジネスロジック: 各アプリケーションは独自のビジネスロジックを持っており、これによってアプリの主要な機能が実現されます。例えば、メールアプリはメッセージの送受信を管理し、ゲームアプリはゲームプレイのロジックを処理します。
  • データ処理: アプリケーションは、ユーザーからの入力データの処理、データの保存と取得(内部ストレージ、データベース、リモートサーバーなど)、データの表示と更新などを行います。
  • ネットワーク通信: 多くのアプリケーションはインターネットを介してデータを交換します。この層は、Web APIの呼び出し、データのダウンロードやアップロードなどのネットワーク通信を管理します。
  • インタラクティブな機能: アプリは、タッチスクリーン操作、センサー(加速度計、GPSなど)のデータ、カメラとマイクを使用した機能など、インタラクティブな体験を提供します。
  • サードパーティサービスとの統合: 多くのアプリは、ソーシャルメディアの統合、広告サービス、分析ツールなど、サードパーティのサービスやAPIと統合されています。

アプリケーションレイヤーにプログラムを作る

https://zenn.dev/arsaga/articles/dca2a954379e7a

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