Open9

2025年技術書読書メモ

quesera2quesera2

ドメイン駆動設計をはじめよう

海外の技術書を読むとDDDは前提知識として皆持っているものとなっているところがあるけれど、エヴァンス本を今から読了するのは難しいだろうし(一応読んだけど100%理解できたとは言い難い…)、またイベントソーシングみたいな後で生まれた潮流なんかは当然触れてなかったりするので、さくっとドメイン駆動について学べるこの本はかなり良かった。

日本でマイクロサービスに失敗してモノリシック回帰したみたいな話が多いのは、境界付けられたコンテキストの概念が十分に浸透していないからじゃないの? って思ってたけどこの本を読む限りでは海外でもそういう傾向があるのかな。

quesera2quesera2

GitHub CI/CD実践ガイド

ハンズオンのマニュアルみたいな感じの書き口の本だった。

GitHubActionは公式ドキュメントが結構充実しているのでそれを読めば過去にCI触ったことがあれば公式でも十分なところがありそうだけど、逆にCI/CDについてとっかかりがない人にはわかりやすく読めそう。

複数あるsecretとかの混乱しやすい部分や、細かいテクニックについても書かれていてよかった。

quesera2quesera2

Tidy First?

「ガード節を書こう」みたいな書き出しで、こういう系の本か~って思って読み進めたら、コードの整理整頓を金融の現在価値の概念を組み合わせてきた辺りでいい意味で裏切られた本。面白かった。

  • 個人のための開発テクニック
  • チームのための開発テクニック
  • 事業のための開発テクニック

という3部作になる予定らしい。

quesera2quesera2

なっとく!並行処理プログラミング

原著が図解が多くわかりやすいのもあるんだけど安心のクイープ翻訳で読みやすかった。

ハードウェアアーキテクチャの話から入り、プロセス・スレッドから入り、現在主流になりつつあるコルーチンがどういう原理なのか実装して理解し(ただしPythonのyieldを使っているので、実装は参考程度)、実際的にどうやって問題を並列処理に落とし込むかという話のさわりまでやる感じ。入門~中級くらい。

洋書だとソフトウェアの失敗話として、「トヨタはプログラムのバグでアクセル暴走事故を起こした」という話は本当によくでてくるのですが、訳注で真因はよくわかってないみたいなことが記載されているのがちょっと珍しい。

quesera2quesera2

モバイルアプリアクセシビリティ入門

Composeのsemantics modifierの機能の解像度が上がった気がする。

読み上げを有効にした状態でアプリを使ってみるのが一番というのがずっと言われてるけれど、全然できてない…。

quesera2quesera2

データモデリングでドメインを駆動する――分散/疎結合な基幹系システムに向けて

読み物としては面白いものの思想と文体のクセが強め。視点として面白いものがたくさんあった。

ドメイン駆動絡みの話目的で読んだけど、その部分の分量はそこまででもないので、基幹系システムに一度は触ったことがあるといいのかもしれない。

quesera2quesera2

Looks Good To Me ~みんなのコードレビュー~

包括的なコードレビューに関する書籍、原著者のユーモア表現を極力生かそうとするところに翻訳の苦労が垣間見えた。

  • そもそもコードレビューってどうやって導入するの?
  • 導入したのはいいけれどうまくワークできてない、チームが険悪になった
  • ペアプロやモブプロ、AIと組み合わせる方法

みたいな単独だとものすごく目新しいという情報ではないものの、これらが網羅的にまとまっていることに価値がある本という感じ。

quesera2quesera2

作って学ぶ Figma 入門 ステップ・バイ・ステップで身につくWeb/UIデザインの基本

いままで適当に触ってたけど、スタイルとかバリアントとかの知識がふわっとしてたので1冊読んでみよう~ということで最近のUIに近いらしいこの本を選択。多少UIに差があったけど、気にならない程度。

めちゃくちゃ丁寧なハンズオン形式なので戸惑いことがないのがよい。

メインがスマートフォンサイトを想定していたのが思わぬ誤算でよかったんですけど、逆にレスポンシブWebの章はその分少な目なので、Webメインの人は要注意かも。

quesera2quesera2

実践で学ぶコード改善の極意 5行ルールで強く美しくリファクタリングする

この手の本にしては珍しくTypeScript。

紹介されているプラクティスには結構賛否(とくに普段書いているのが enum や sealed interface が便利な kotlin なので)があったけど、縛りを作って機械的なルールで1メソッドを5行にするとリファクタリングできるという方法論が面白かった。

順番に進めると「えー、こんな風に書き換えるの微妙じゃない?」って思うけど、その後でちゃんと綺麗になっていくのでなかなか気持ちが良い。

TypeScriptってクラス作る派閥が異端なイメージがあったので、interface や class 使うのね、って読んでたけど、関数型・オブジェクト指向のどちらがいいというわけではなく、単にこの本では考え方を教える本なのでオブジェクト指向に統一しているというだけのことらしい。