Google検索におけるAIの間違いをみつけた 〜宇奈月温泉事件〜
はじめに
2025年5月22日に検索語句「宇奈月温泉事件」でGoogle検索したところ、AIが間違った概要を示しました。
証拠画像として撮ったスクリーンショットの下に検索結果が並びます。最も目立つ位置にAIが概要を見せています。AIによる概要は、検索したときに、Googleが見せたり見せなかったりするものです。今回は見せてきました。Googleは見せた内容の正しさに自信があるのだと思います。
間違い部分
証拠画像のうちでAIが間違った部分はここです。
判決:
一審、二審では、Y社の勝訴となりました。
しかし、大審院(現在の最高裁判所)では、X氏の請求を認め、Y社に引湯管の撤去を命じました。
大審院(現在の最高裁判所)も、X氏の請求を棄却し、Y社に引湯管の撤去を命じませんでした。
肝心な部分で正反対のことを言っています。
次のウィキペディアの記述が正しいです。
第1・2審はXの請求を退けたため、Xは大審院に上告した。
大審院は、「権利ノ濫用」という文言を判決文中で初めて用い、Xの請求(所有権の行使)は権利の濫用にあたるため認められない、として請求を棄却した。
助詞「は」を対比・対照の意味だとAIが勘違いしたのかもしれません。
さいごに
宇奈月温泉事件は、権利濫用について大審院が初めて明確に判断した判決であり、民法上重要な判例の一つです。
その重要な判例で、Google検索のAIが間違いました。
「AI の回答には間違いが含まれている場合があります」という注意書きがありますが、その注意があるにも関わらず、間違いを信じる人が出てくるでしょう。間違いが含まれることがめったにないと思うからです。Google検索のAIで見つけた明らかな間違いは今回が初でした。
こちらの記事で、総務省の調査で、ネットのデマを2人に1人が正しい情報だと信じたことが分かりました。
ネットのデマ拡散が問題になる社会においてなすべき対策は、見つけた間違いを当記事のように記事にするなどして広く知らせることです。AIが当記事を読み込むことにより、AIが間違わなくなる効果も期待できます😊
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