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RailsのCRUD管理画面をローコードで10分で作ってみた

2023/10/21に公開

今回の対象読者

ActiveAdminやRailsAdminなどを使って管理画面を作り、負債が溜まり、メンテナンス性が著しく低くなってしまった経験はありませんか?

今回は、以下のような方に向けて、ローコードツールの『Querier(クエリア)』を使って、10分でCRUD操作のできる管理画面を構築する方法を紹介していきます。

  • Ruby on Railsでサービス開発をしている
  • 管理画面のメンテナンス性は犠牲にしたくない
  • とにかく早く管理画面を構築したい

今回作る管理画面

今回は、以下の要件を満たす管理画面を作ってみます。

  1. MySQLからユーザー一覧を取得し、テーブルに表示する
  2. ユーザー名と性別を入力してユーザーデータを挿入する

クエリアとは

クエリア様々なデータベースやAPIと連携し、社内向けの管理画面やツールをローコードで構築できるサービスです。

https://www.querier.io

実際に管理画面を構築する前に、クエリアの編集画面の構成を解説します。

大き分けて、 データフロー というロジックを記述する部分と、 コンポーネント というUIに関わる部分に分かれています。

右ナビゲーションのコンポーネント一覧から、中央のキャンバスにドラッグ・アンド・ドロップでコンポーネントを配置し、左ナビゲーションで各データソースに対するリクエストやロジックを記述していきます。

3分で分かるクエリアの紹介動画もあるので、ご興味ある方はぜひ見てみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=uXgu3kDLKcI

クエリアとMySQLを連携する

早速、クエリアとMySQLを連携する設定をしていきます。

準備が整ったら、クエリアに移動し、左の [データ連携] タブから、データ連携の設定ページに行きます。

[新規作成] > [MySQL] と選択し、MySQLへの接続情報を入力して、保存します。

踏み台サーバーを経由する場合は、こちらから踏み台サーバーを設定し、データ連携画面の [踏み台サーバーを設定する] から紐づけてください。

これで、クエリアとMySQLを連携する初期設定を完了です。

詳細な接続方法はこちらの公式ドキュメントをご覧ください。

新しいページを作成する

データ連携が完了したら、新しいページを作成します。
プロダクトトップ右上の、 [新規作成] > [ページを作成] から、新しいページを作成します。

クエリアでは、フォルダとページという概念があり、ページをフォルダリングして、階層構造で管理できるので、ページが増えてきても管理が煩雑になることはありません。

ユーザー一覧をテーブルに表示する

以下の手順でMySQLからユーザーを取得し、テーブルに表示していきます。

MySQLからデータを取得するデータフローを作成する

  1. 作成したページの [ページを編集] から編集画面に行く

  1. 左ナビゲーションの [新規作成] から、データフローを作成しする
  2. [アクションを選択] パネルで、先程連携したMySQLを選択する
  3. [SQL] で、SELECT * FROM users LIMIT 100 を選択する
  4. [アクションをテスト] ボタンを押し、正しくデータが取得できているか確認する

テーブルを配置し、データフローと紐付ける

  1. 右ナビゲーションの [テーブル] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする

  1. 右ナビゲーションの [データ]{{ dataflow1.data }} と入力する

  1. 右ナビゲーションの [カラム] の設定から、カラム名を変更する
  2. 右ナビゲーションの [カラム] の設定から、カラムタイプを変更する(タイプを Image などにすると自動で画像表示になったりします)

ユーザーの追加機能を実装する

今回は、ユーザー名と性別を使ってユーザーを作成する例を紹介します。

フォーム系コンポーネントを配置する

  1. 右ナビゲーションの [インプット] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
  2. 右ナビゲーションの [ラベル]ユーザー名 と入力する
  3. 右ナビゲーションの [セレクト] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
  4. 右ナビゲーションの [ラベル]性別 と入力する
  5. 右ナビゲーションの [Values]["male", "female"] と入力する
  6. 右ナビゲーションの [Labels]["男性", "女性"] と入力する
  7. 右ナビゲーションの [ボタン] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
  8. 右ナビゲーションの [ラベル]追加する と入力する

MySQLにデータを追加するデータフローを作成する

  1. 作成したページの [編集する] から編集画面に行く
  2. 左ナビゲーションの [新規作成] から、データフローを作成しする
  3. [アクションを選択] パネルで、先程連携したMySQLを選択する
  4. [SQL] に以下のSQLを入力する
INSERT INTO users (`name`, `gender`)
VALUES ('{{ input1.value }}', '{{ select1.value }}')

※クエリアでは、{{ }} という記法を使って、コンポーネントの値を参照することができます。

ボタンとデータフローを紐付ける

ボタンを押下したら、上で作成したデータフローが実行されるようにしたいので、以下の手順で設定していきます。

  1. 配置した [ボタン] を選択する
  2. 右ナビゲーションの [イベントを追加する] をクリックする
  3. [実行するアクション]データフローの実行 にする
  4. [データフロー] で、先程作成した dataflow2 を選択する

ユーザーを作成した後にテーブルをリフレッシュする

  1. [dataflow2] を選択する
  2. [成功時に実行するアクション] から [イベントを追加] をクリック
  3. [実行するアクション]データフローの実行 にする
  4. [データフロー] で、ユーザーデータの取得をする dataflow1 を選択する

これで、ユーザーの追加が成功したら、再度ユーザー一覧を取得し直す設定が完了しました。
同じような要領で更新や削除、ファイルのアップロードなども行えるので、基本的な管理画面の要件は満たす十分な機能を備えています!

ユーザーに関連するデータを取得する

クエリアでは、関連するデータを取得することもできます。今回は、ユーザーに関連する投稿を取得して表示してみましょう。

データフローの [SQL] に以下のSQLを記述することで、テーブルで選択されたユーザーに関連する投稿を取得することも可能です。

SELECT * FROM posts
WHERE user_id = {{ table1.selectedRow.data.id }}
LIMIT 100

権限管理

権限管理をツール側に移譲できるのは、ローコードツールを利用する大きなメリットの一つです。
クエリアでは、様々な権限管理をGUIで操作するだけで完結します。

クエリアでは、各ページに対して、メンバーごとに、「フルアクセス」、「閲覧のみ」、「アクセス不可」の権限を割り振ることができます。

その他にも様々な権限管理をすることができますので、詳しくは公式ドキュメントをご参照ください。

ローコードであれば、とにかく早く、メンテナンス性も担保できる

今回は、ローコードツールとMySQLを使ってCRUD操作のできる管理画面を構築していきました。

Ruby on Railsで管理画面を迅速に作成する際には、ActiveAdmin、RailsAdminなどのGemがよく使用されます。

これらのGemは、短時間で質の高い管理画面を構築できる点で非常に便利ですが、いくつかの課題があります。その中で特に大きな問題が、メンテナンス性の低さです。

これらのGemは基本的な機能は非常に簡単に追加できますが、特定のカスタマイズが必要になった場合、その実装は複雑になる可能性があります。

管理画面というのは、ビジネスの成長に応じて常に形を変えて、最適なオペレーションの手助けをするツールでなければいけません。

そこで私が提案したいのが、ローコードを利用して管理画面を開発するという選択肢です。

開発速度が格段に向上し、保守や拡張も容易になります。特にスタートアップや時間とリソースに制限があるプロジェクトにおいて、このアプローチは非常に有用です。

ぜひ一度試して、その効果を実感してください。

https://www.querier.io

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