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ローコードでエンジニアチームの生産性を最大化しよう

2024/05/14に公開

この記事の背景

私は、エンジニア向けのローコード管理画面開発ツールの『クエリア』を作っています。

しかし、エンジニアとローコードツールの間に大きなギャップがあるなと感じています。今回は、ローコードツールはユースケースを間違わなければ、エンジニアこそローコードツールを使うと幸せになるということをお話していきます。

エンジニアから見たローコードツールのイメージ

1. 拡張性が低いから、結局リプレイスしなければいけない

ほとんどのエンジニアはローコードツールに対するイメージとして、拡張性が低いというイメージを持つ方が多いと思います。というのも、私自身もそのようなイメージを持っていました。

また、結局リプレイスしなければいけなくなり、どうせなら最初から自分たちで作ってしまったほうが早いと思うエンジニアも少なくないと思います。

2. ツール固有の学習コストがあるから、使い慣れた開発言語で開発する方が早い

ローコードツールを使う場合、ツール固有の学習コストが発生します。また、その学習コストが大きすぎるローコードツールは世の中に沢山あるのも事実だと思います。

エンジニアは毎日コードを書いているので、新しいツールを学ぶより、日々書き慣れている開発言語で作ってしまった方が楽だと思うエンジニアもいると思います。

使い所を絞ってローコードを有効活用する

ローコードツールは利用するユースケースを間違えなければ、エンジニアの良い相棒になれると考えています。
以下に、具体的な例を示します。

1. APIやSQLの実行

何かの処理を走らせたいときや、ちょっとしたデータを取得する際などに、手動でAPIやSQLを叩きたくなるシチュエーションは少なくないかと思います。

そのような際に、curlでAPIを叩いたり、SSHしてDBに入ったりする方法もありますが、ローコードで簡単なツールを作ってしまうことも1つの解決策だと思います。

APIやSQLを叩くだけなので、高度なUIは一切必要なく、ローコードとの相性もマッチします。

2. 社内向け管理画面

特に、社内向けの管理画面や様々なツールに関しては、高度なUIや動きが求められることは少なく、業務課題の解決が最優先事項として置かれることがほとんどです。

社内向けの管理画面開発の部分にだけローコードを活用することで、今まで社内向けに使われていたエンジニアリソースを他の場所に利用することができます。

3. バグ調査

バグの報告があり、原因の調査をする際に、毎回同じ作業を行っていませんか?

UserIDからユーザー情報を取得し、そのデータを用いてアプリケーションのDBやSentryやDatadogなどを追ってバグの調査を行うことも多いと思います。

毎回同じような操作を行っているのであれば、その操作をツール化することで、バグ調査を効率化することが可能になります。

以前元Metaのエンジニアのエピソードが少し話題になりましたが、この中でバグ調査の社内ツールに関して言及されています。

彼は自分自身が感じたバグ調査に関する課題を、社内ツールを開発して解決し、その社内ツールが組織内でスケールして、全体の労働時間の削減に貢献したというものです。また、このような活動がMeta社から評価され、追加のボーナスや株を付与されたそうです。

チームではバグレポートから関連した情報を抽出するのに時間がかかっていた。
それを解決するために彼はAndroidエンジニアにも関わらず、社内ツールを開発し、それが多くのチームの労働時間削減に貢献した。

https://twitter.com/sakamoto_582/status/1646435095174328320

クエリアは社内ツールに特化したエンジニアのためのローコードツールです

1. 社内ツールに特化した設計

確かに、ローコードツールの拡張性の限界は存在すると思います。しかし、ユースケースを絞ることで一定の解決はできるとも考えています。

私達が開発しているクエリアは、社内向けの管理画面やツールに特化してローコードツールを開発しているため、そもそも複雑なUIやロジックがそこまで必要のないユースケースでの利用を想定しています。

しかし、拡張性を犠牲にしているわけではなく、JavaScriptを記述できるようにするなど、最大限拡張性を担保できるように設計をしています。

2. エンジニアが既に持っている知識を流用できる設計

クエリアは、ローコードツールとしての固有の学習コストを極力排除し、エンジニアが共通してい理解している概念で開発できるように設計しています。

具体的には、ほぼすべての箇所でJavaScriptを記述できる設計になっているため、例えば、あるボタンを無効化する条件を設定する際なども、 {{ emailInput.value === "" }} などJavaScriptベースで直感的に記述できるようになっています。

さいごに

クエリアは5/30(木) 19:00〜 『及川卓也さん・田中洋一郎さんと学ぶ!開発組織の生産性を高めるローコード活用術』 というオンラインイベントを開始します。

開発組織の生産性の向上にご興味ある方は以下のリンクよりお申し込みをお願いいたします!

https://querier.connpass.com/event/317955/

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