今回の対象読者
BigQueryにデータがあるけど、データのCRUD操作用の画面(UI)をどのように用意しようか迷ったことはありませんか？
今回は、 とにかく早くBigQueryのデータ操作用画面を作りたい方に向けて、ローコードツールの『Querier（クエリア）』を使って、10分でBigQueryデータのCRUD操作画面を構築する方法を紹介していきます。
今回作るCRUD操作画面
今回は、以下の要件を満たす管理画面を作ってみます。
- BigQueryから野球の試合データを取得し、テーブルに表示する
- ホームチーム名と来場者数を入力してデータを挿入する
クエリアとは
クエリアは様々なデータベースやAPIと連携し、社内向けの管理画面やツールをローコードで構築できるサービスです。
実際に管理画面を構築する前に、クエリアの編集画面の構成を解説します。
大き分けて、 データフロー というロジックを記述する部分と、 コンポーネント というUIに関わる部分に分かれています。
右ナビゲーションのコンポーネント一覧から、中央のキャンバスにドラッグ・アンド・ドロップでコンポーネントを配置し、左ナビゲーションで各データソースに対するリクエストやロジックを記述していきます。
3分で分かるクエリアの紹介動画もあるので、ご興味ある方はぜひ見てみてください。
クエリアとBigQueryを連携する
早速、クエリアとBigQueryを連携する設定をしていきます。
まずは、GCP上から、適切な権限が付与されたサービスアカウントを取得します。
次に、クエリアに移動し、左の [データ連携] タブから、データ連携の設定ページに行きます。
[新規作成] > [BigQuery] と選択し、GCPの [Project ID] と [Credentials JSON] , [Location] を入力して、保存します。
これで、クエリアとBigQueryを連携する初期設定は完了です。
詳細な接続方法はこちらの公式ドキュメントをご覧ください。
新しいページを作成する
データ連携が完了したら、新しいページを作成します。
プロダクトトップ右上の、 [新規作成] > [ページを作成] から、新しいページを作成します。
クエリアでは、フォルダとページという概念があり、ページをフォルダリングして、階層構造で管理できるので、ページが増えてきても管理が煩雑になることはありません。
野球の試合一覧をテーブルに表示する
以下の手順でBigQueryから野球の試合を取得し、テーブルに表示していきます。
BigQueryからデータを取得するデータフローを作成する
- 作成したページの [編集する] から編集画面に行く
- 左ナビゲーションの [新規作成] から、データフローを作成しする
- [アクションを選択] パネルで、先程連携したBigQueryを選択する
- [SQL] で、以下のSQLを入力する
SELECT * FROM `bigquery-public-data.baseball.schedules` LIMIT 100
- [アクションをテスト] ボタンを押し、正しくデータが取得できているか確認する
テーブルを配置し、データフローと紐付ける
- 右ナビゲーションの [テーブル] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
- 右ナビゲーションの [データ] に
{{ dataflow1.data }}と入力する
- 右ナビゲーションの [カラム] の設定から、カラム名を変更する
- 右ナビゲーションの [カラム] の設定から、カラムタイプを変更する（タイプを
Imageなどにすると自動で画像表示になったりします）
試合の追加機能を実装する
今回は、ホームチーム名と来場者数を使って試合を作成する例を紹介します。
フォーム系コンポーネントを配置する
- 右ナビゲーションの [インプット] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
- 右ナビゲーションの [ラベル] に
ホームチーム名と入力する - 右ナビゲーションの [インプット] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
- 右ナビゲーションの [ラベル] に
来場者数と入力する - 右ナビゲーションの [タイプ] を
Numberに変更する - 右ナビゲーションの [ボタン] を中央にドラッグ・アンド・ドロップする
- 右ナビゲーションの [ラベル] に
追加すると入力する
BigQueryにデータを追加するデータフローを作成する
- 作成したページの [編集する] から編集画面に行く
- 左ナビゲーションの [新規作成] から、データフローを作成しする
- [アクションを選択] パネルで、先程連携したBigQueryを選択する
- [SQL] で、以下のSQLを入力する
INSERT INTO `bigquery-public-data.baseball.schedules` (`homeTeamName`, `attendance`)
VALUES ('{{ input1.value }}', '{{ input2.value }}')
※クエリアでは、{{ }} という記法を使って、コンポーネントの値を参照することができます。
ボタンとデータフローを紐付ける
ボタンを押下したら、上で作成したデータフローが実行されるようにしたいので、以下の手順で設定していきます。
- 配置した [ボタン] を選択する
- 右ナビゲーションの [イベントを追加する] をクリックする
-
[実行するアクション] を
データフローの実行にする -
[データフロー] で、先程作成した
dataflow2を選択する
試合を作成した後にテーブルをリフレッシュする
- [dataflow2] を選択する
- [成功時に実行するアクション] から [イベントを追加] をクリック
-
[実行するアクション] を
データフローの実行にする -
[データフロー] で、試合データの取得をする
dataflow1を選択する
これで、試合の追加が成功したら、再度試合一覧を取得し直す設定が完了しました。
同じような要領で更新や削除、ファイルのアップロードなども行えるので、基本的な管理画面の要件は満たす十分な機能を備えています！
権限管理
権限管理をツール側に移譲できるのは、ローコードツールを利用する大きなメリットの一つです。
クエリアでは、様々な権限管理をGUIで操作するだけで完結します。
クエリアでは、各ページに対して、メンバーごとに、「フルアクセス」、「閲覧のみ」、「アクセス不可」の権限を割り振ることができます。
その他にも様々な権限管理をすることができますので、詳しくは公式ドキュメントをご参照ください。
ローコードであれば、CRUD操作UIの画面開発がエンジニア1人で完結する
今回は、ローコードツールとBigQueryを使ってUIを構築していきました。
CRUDができるデータ操作画面の開発は、常にエンジニアのリソースを圧迫し、悩みの種の一つになっていると思います。
ローコードツールを使えば、ツールが提供する整ったUIコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップで配置するだけなので、UIに関して考えることは一切ありません。
SQLを一番理解しているエンジニア一人で管理画面の開発が完結します。
このように、CRUDができるデータ操作画面をローコードで開発する方法は、エンジニアのリソースを削減する有力な手段です。特にスタートアップや時間とリソースに制限があるプロジェクトにおいて、このアプローチは非常に有用です。
ぜひ一度、その効果を体感してみてください。
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