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Kubernetesクラスタを構築する方法
📌 全体の構成イメージ
複数サーバーでKubernetesを構築する場合、以下の役割分担になります。
-
Masterノード (Control plane)（管理役）
- クラスタ全体を統括する役割。
- 通常1台以上（推奨3台で冗長化）。
-
Workerノード（実際にPodを動かす役割）
- アプリやサービスが動く場所。
- 1台以上（通常複数台）。
今回は初心者向けにシンプルな構成として、以下を例とします。
| 役割 | ホスト名 | IPアドレス（例） |
|---|---|---|
| Masterノード | master-node | 192.168.1.10 |
| Workerノード | worker-node-1 | 192.168.1.11 |
| Workerノード | worker-node-2 | 192.168.1.12 |
🚩 Kubernetesクラスタ構築手順（詳細）
✅ Step 1：全サーバー共通の事前準備
🔹 1.1：ホスト名設定（各サーバで実行）
sudo hostnamectl set-hostname <ホスト名>
例：
sudo hostnamectl set-hostname master-node
🔹 1.2：hostsファイル編集（全ノード共通）
/etc/hostsに全ノードのIPとホスト名を追加します。
sudo vi /etc/hosts
以下を追記します。
192.168.1.10 master-node
192.168.1.11 worker-node-1
192.168.1.12 worker-node-2
🔹 1.3：Firewall設定を無効化（推奨設定）
sudo systemctl disable firewalld
sudo systemctl stop firewalld
🔹 1.4：swapを無効化（全ノード）
Kubernetesではswapをオフにする必要があります。
sudo swapoff -a
sudo sed -i '/swap/d' /etc/fstab
✅ Step 2：Dockerおよびkubeadmインストール（全ノード共通）
🔹 2.1：Dockerをインストール
sudo yum install -y docker
sudo systemctl enable docker
sudo systemctl start docker
Dockerがインストールされていることを確認：
sudo docker version
🔹 2.2：kubeadm, kubelet, kubectlをインストール
cat <<EOF | sudo tee /etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
[kubernetes]
name=Kubernetes
baseurl=https://packages.cloud.google.com/yum/repos/kubernetes-el7-\$basearch
enabled=1
gpgcheck=1
repo_gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.cloud.google.com/yum/doc/yum-key.gpg
EOF
sudo yum install -y kubeadm kubelet kubectl
sudo systemctl enable kubelet
✅ Step 3：Masterノードの初期化（Masterノードのみ実行）
Masterノード（192.168.1.10）で、Kubernetesクラスタを初期化します。
sudo kubeadm init --apiserver-advertise-address=192.168.1.10 --pod-network-cidr=10.244.0.0/16
-
apiserver-advertise-address: MasterノードのIPアドレス -
pod-network-cidr: Podが使用するネットワークアドレス範囲（Flannelを使う場合、10.244.0.0/16を推奨）
完了すると、以下のような出力が得られます（必ずコピー！）：
kubeadm join 192.168.1.10:6443 --token XXXXX --discovery-token-ca-cert-hash sha256:XXXXXXXXX
🔹 3.1：kubectlの設定（Masterノード）
一般ユーザーでkubectlを使えるように設定：
mkdir -p $HOME/.kube
sudo cp -i /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/.kube/config
sudo chown $(id -u):$(id -g) $HOME/.kube/config
🔹 3.2：Podネットワークの設定（例：Flannel）
kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/flannel-io/flannel/master/Documentation/kube-flannel.yml
✅ Step 4：Workerノードのクラスタへの参加（Workerノードのみ実行）
Workerノード（192.168.1.11, 192.168.1.12）で、
先ほどコピーしたkubeadm joinコマンドを実行：
sudo kubeadm join 192.168.1.10:6443 --token XXXXX --discovery-token-ca-cert-hash sha256:XXXXXXXXX
※ 上記のtoken情報はMaster初期化後に表示されたものを使用します。
✅ Step 5：クラスタの確認（Masterノード）
Masterノードから以下のコマンドでクラスタ構成を確認します。
kubectl get nodes
結果例：
NAME STATUS ROLES AGE VERSION
master-node Ready control-plane,master 5m v1.28.0
worker-node-1 Ready <none> 3m v1.28.0
worker-node-2 Ready <none> 3m v1.28.0
全ノードがReadyとなれば成功です。
📌（応用編）Masterノードを複数にして冗長化したい場合（高可用性）
高可用性を実現する場合は、kubeadm initの代わりに以下のようなツールを利用します。
- HAProxy + Keepalivedによるロードバランサーを構築
- 3台のMasterを用意し、全てが同じ設定でMasterクラスタを構築
- kubeadmをHA構成で実行（
kubeadm init --control-plane-endpointを使用）
詳細な手順は以下が公式のドキュメントです（やや上級者向け）
🚩 まとめ（初心者向け再確認）
- 各ノードに共通設定を施し、Masterを初期化後、Workerノードが
kubeadm joinで参加。 - 初心者はまずMaster1台、Worker複数台構成から始めて慣れることを推奨。
- 本番環境では必ずMasterを冗長化するようにしましょう。
これが、初心者向けに丁寧にまとめた複数のサーバーでKubernetesクラスタを構築する詳細手順です。
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