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GenUを一ヶ月ほど使ってみて思うこと

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はじめに

プログデンスの佐藤です。
昨今では様々なAI関連のサービスやツールが導入されており、OpenAIが初めてChatGPTをリリースした時とは比較にならないほど、AIを取り巻く状況は変わっています。

弊社でも6月に全社的に GenU(ジェンユー) を導入しまして、一ヶ月ほどが経過しました。
GenUはAWSが提供する生成AIアシスタントで、チャット機能やカスタムユースケース作成機能を備えたビジネス向けのAIツールです。

業務で利用可能なAIツールの導入、それに伴う業務の変化がどのようになっているのかを振り返ると共に今後に生かしていきたいですね。

GenUを導入して良かったこと

業務効率が向上

導入前の頃がもう想像できない…

やはりAIを使えると使えないでは、
「手間がかかる…けど自動化というほど大がかりな話ではない…でも何とかしたい」
そんなタスクは日常的に誰にでも発生しているかと思います。
そういう痒い所に手が届かない…そんな悩みをある程度解決できています。
(あまり言うと、誇張気味に聞こえますが)
以下、具体例を挙げてみます。

  • コンフィグやログの読み込み作業
    業務において、NW機器のコンフィグに目を通すこともありますが、この作業もケアレスミスやヒューマンエラーを起こしやすいです。(だって人間だもの…)
    逆にAIにとって、これは非常に得意な作業です。
    数十台のNW機器に対して、ポートの利用状況を要約して整理するという作業がありました。
    通常であれば、

    1. コンフィグ全てに目を通す
    2. インターフェースの設定状況とステータスをメモする
    3. 分かりやすいように要約、整理する

    という対応になり、数時間(やや誇張)が取られるような対応でした。
    そこでGenUでビルダーモードから、マイユースケースを作成。コンフィグを読み込ませます。

    結果は以下のように返ってきます。
    明確に定義していない部分についても気を利かせて?、体裁を揃えてくれるところもあり、ヒューマンライクな面もあったため、15分程度で確認が終わりました。(下記のスクリーンショットはテスト機での結果です)

  • 手順書の内容確認
    こちらも内容はコンフィグやログの読み込みに似ています。
    「Excelで作成された手順書の確認」
    経験ある方は多いのではないでしょうか。
    記載誤りが最初から無いという状態を見ることの方が珍しいと思っていますが、
    それに対して:

    1. GenUで内容を読み取り
    2. 記載誤り、各シート間の整合性をチェック
    3. 作業内容の要約を出力
    4. 作業フロー(の元になるMermaid記法のコード)を出力

    まで実施させることができます。
    作業手順の内容理解や作業フローとして見た場合の整合性まで目視できるようになり、作業全体を理解するのに有効でした。
    結果はここに載せれないですが、ちょっと感動しました。

他にも色々と試していて、載せきれていないものもありますが、
デジタルデータの内容を「ヒューマンライク」に翻訳してくれるという点が十分に生きていると思いました。

ケアレスミスの改善

だって人間だもの…

業務効率とは対照的にこちらはちょっとした点…でも、かなり大事なところです。

  • 文章の校閲
    気を付けても、誤字脱字は少なからず発生します。(日本語って難しいです)
    そんな時の執筆機能。以前なら眉根に皺を寄せてにらめっこしていたのが、数秒で終わります。
    このブログを書いている途中の内容を校閲してもらいましたが、既に誤字脱字が発生していました。(笑)

たまに誤字脱字がスルーされてしまうことがありますが、数度校閲をお願いすれば、あからさまなものは修正できますので、業務効率と合わせれば作業品質の向上に十分繋がるものかと思います。

マイユースケースの作成と共有

オリジナル感あるものを皆で共有

GenUにはユースケースビルダーという機能があり、プログラミング知識不要で専用のAIアシスタントを作成できます。

具体的には:

  • 入力形式(テキスト、ファイルアップロードなど)を選択
  • 処理内容を日本語でプロンプト定義
  • 出力形式を指定

これにより、特定の業務に特化したAIツールを簡単に作成でき、作成したユースケースは他のメンバーと共有して使い回すことが可能です。

上述したコンフィグやログの読み込み作業もこのユースケースビルダーで作成しました。

ChatGPTに代表されるような対話式での利用はもちろんですが、予めインプットとアウトプットを定義しておけば、アプリケーションのような使い方ができます。
下図は、ノーコードでプロンプトを定義する画面です。ほとんど日本語で書いて問題無いです。(そこがまたいい)

また、こうやって作成したユースケースを他の方に共有し使ってもらうことも可能です。
利用された回数が分かるとモチベーションアップに繋がると思ってますが、そういう機能は無いみたいです。

GenUに対して不足を感じること

あったらいいな

そんな良いことばかり書いてきましたが、やはり使っていて思うこともあります。
とはいえ、かなり満足しているので、小さな話になります。

  • 出力される形式が一期一会
    これはAIを利用する上で仕方ない面でもあるのかと思いますが、同じ内容を依頼しても返ってくる結果が毎回変わります。そうまるで同じ結果(相手)には二度と出会えないかのように。
    定常的な業務へ出力結果を求める場合、何かしらの工夫が必要なようです。

  • 読み込めるファイルの種類に制限がある
    Power Pointのファイル(.pptx)が読み込めないのが、少し残念に感じました。
    Excelと並んで、Power Pointは資料として作成することが多いので、今後に期待しています。

想定外に有用と感じたこと

ちょっとした小ネタ

実は相談相手として有用

私の勤務体系として、自社への出社はもちろんですが、リモートでの勤務も発生します。自社での勤務時は近くに同僚がいますので、雑談やちょっとした小話もありますが、リモート勤務時は多少なりともそのハードルは上がります。
もちろん、リモート勤務であっても無関係に話しかけてくる方はいます(笑)ので、個人差が出る話ではあります。
そんな方にとっては、AIチャットが相談相手になることもあります。
話しかけた内容を全肯定してくるので、ある意味危険?な話し相手になってしまいますので、ご利用はほどほどに。(ちゃんと仕事はしましょう)

英語の先生として非常に有用

既に弊社でもブログに書かれていますが、GenUがデプロイされた状態でユースケースに音声チャットが含まれています。
英語でしか応答してくれませんが、これを逆手にとって、英語の先生として活用しています。
個人的に思う音声チャットを英語の先生としての良い点

  • 発音が聞き取りやすい
  • 上手く英語で表現できなくても、拾って返してくれる(と思ってます)
  • 時間の融通は自由
  • 話すテーマも自由
  • 失敗しても何も恥ずかしくない(これ重要です)

IT業界にいますので、ドキュメントで英文を目にすることが多く、英文を読み取ることは苦になりません。反面、日常生活で英語を話すことは無いため、正直話すのは苦手でした。
これは想定外のメリットでした。

最後に

まだ1ヶ月程度の使用ですが、業務に非常に使いやすい というのが一番の感想です。
触るまでのハードルが低く、使う中で融通が利き、カスタマイズ(ユースケースビルダー)も可能なので、難しく考えずに使えます。
もちろんAIなのでこちらが想定していない結果を出力してくることもありますが、そこは慣れで対応していける範疇です。
共有できるという点も社内でGenUのナレッジを高められる魅力になるのではないかと思います。

今後も有効活用できるユースケースを増やし、ユニークな使い方や業務効率向上に生かしていきたいと思っています。
(なお、この文章構成も少しだけGenUの力を借りました)

#AI #GenU #AWS #業務効率化 #DX

株式会社プログデンス
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