IntelliJ IDEA ではじめる TDD
はじめに
あけましておめでとうございます。
寝正月のおともに、Javaでテスト駆動開発をはじめてみました。
IntelliJ IDEA とは
JetBrains社から提供される、Java / Kotlin をいいかんじに扱えるIDE(統合開発環境)です。
IntelliJ IDEA には Community版(無料)とUltimate版(有料)がありますが、筆者は学割でUltimate版を使用しています。機能的な差異はあまりないとおもいますが、ご参考までに。
TDD とは
「テスト駆動開発(Test Driven Development)」のことです。
テストを書き、テスト要件を満たす実装を書くことで、常に要件を整理しながら保守性の高いコードが書けます。
これをJava、もといIntelliJ IDEA でやるときの流れをさっくりとまとめたのがこの記事です。
やってみる
実際にやっていきます。
さて、テストにはいくつか種類があります。ひとまず、ひとつのクラス・関数をテストする ユニットテスト の作成・実行を目標にしてみます。
プロジェクトの作成
テスト用のプロジェクトを作成します。
- ビルドシステム:Gradle
- Gradle DSL: Groovy
- JDK: v23.0.1
DSL(build.gradle
で使う言語)は Kotlin でも問題ないですが、以降の手順は Groovy で書きます。
Kotlin で書く必要がある場合は、適宜読み替えてください。
プロジェクトが問題なく作成されれば OK。
テストを書く
作成されたプロジェクトを見てみます。
src
フォルダの中に main
と test
フォルダがありますね。
お察しの通り、実装は main
に置き、テストを test
に置いていきます。
今回はターン制ゲームを管理する Game
クラスの作成を例に挙げてみます。要件は以下のような感じ。
- ゲームは、現在のターンを示す
turn
パラメータを持つ - インスタンスを作成したとき、ターンは 0 として定義される
-
getTUrn
関数を呼ぶと、現在のターン数が取得できる -
nextTurn
関数を呼ぶと、次のターンに進む
この仕様をもとに、テストが書けそうです。
Game
クラスのテストを書く GameTest
ファイルを作成しましょう。test
フォルダ内の java
フォルダを右クリックし、「新規」から「Javaクラス」を選択して作成します。[1]
問題なく作成できたら、中身を以下のように実装します。
import static org.junit.jupiter.api.Assertions.assertEquals;
import org.junit.jupiter.api.Test;
public class GameTest {
@Test
public void testInitialTurn() {
Game game = new Game();
assertEquals(0, game.getTurn(), "初期化後のターンは0であるか");
}
@Test
public void testNextTurn() {
Game game = new Game();
game.nextTurn();
assertEquals(1, game.getTurn(), "nextTurn()を呼び出すとターンが1増えるか");
}
}
テスト内では、
- 初期化後のターンは0であるか
-
nextTurn
関数を呼び出すとターンは1増えるか
のふたつを確かめています。
さて、実行...といきたいですが、まだ Game
クラスすら作っていないので参照エラーまみれのはずです。
先に、必要なクラスと関数を作っていきましょう。
まずは Game
クラスから。テスト内の Game
クラスの記述にカーソルを置き、「クラス 'Game' の作成」をクリックすることで、かんたんにクラスを作成できます。
このとき、クラスの作成場所は main
フォルダ(青色のほう)にするのをお忘れなく。
同様にして、nextTurn
、getTurn
関数も作成します。
public class Game {
public void nextTurn() {
}
public int getTurn() {
}
}
帰り値の必要な getTurn
関数では、実装していないことを示すためにとりあえず -1
を返しておきます。
public class Game {
public void nextTurn() {
}
public int getTurn() {
+ return -1;
}
}
さて、これで GameTest
を実行できるようになりました。
テストを実行する
実際に動かしてみます。
GameTest
クラスの左側に、緑の再生マークがいくつかあることに気づいたかもしれません。これをクリックすることによって、個別に実行することができたり、クラス全体を一気に実行することができたりします。
実際に GameTest
クラスの実行ボタンをクリックしてみます。
実際にテストが実行され、問題なく失敗したことが確認できます。
まとめてテストを実行する
現在はひとつのみのテストですが、開発においては複数のテストファイルを書くことが想定されます。これらを一気に実行する際は、サイドメニューのフォルダ一覧から緑になっているフォルダ(今回は test\java
を右クリックし、「テストの実行」を選択することで実行できます。
過去に実行したテストを再実行する
上のタブの右側に、実行したテストの名前が表示されていることに気が付いたかもしれません。ここから任意のテストを選ぶことによって、過去に実行したテストをもういちど実行することができます。
参照
Discussion