プログラマーを退職する時に思うこと
退職まで残り1週間となったので、今しか感じない気持ちを残しておこうと思う。
今の会社に入社したのは2年9か月前のこと。
それまでもプログラマーとして数か月程度働いたことはあったけど
がっつりコーディングする経験が出来ずにいた。
零細ベンチャーで開発案件が無くなったり
子会社SESでDB保守ばっかりやらされたりと
どうしても経験を積みたかったコーディング仕事が出来なくて
何度も転職してようやくたどり着いた今の会社でした。
その会社も3年足らずで退職することに。
そして今度はプログラマーとしてではなく
コンサルタントを目指してSE仕事を行う会社に転職する。
SIerなので開発ゼロではないが、
少なくともガッツリ1日中コーディングするなんてことは
もうなくなるだろうと思う。
私がプログラマーキャリアを終了する理由
どうしてプログラマー仕事を辞めようかと思ったのかというと色々ある。
- 今後は生成AIでコーディング作業は代替できると確信した
- 現職で開発仕事よりもマネジメント仕事が増えすぎて、あまり良い開発経験が積めなくなった
 (新人とか2年目とかの残念なコードレビューばかりで学ぶことが無くなった)
- シンプルにもっと年収を爆上げするにはコーディング力よりもドメイン知識獲得や
 クラウドでのシステム全体の設計経験を積むべきと思った(いわゆる上流へのシフトが必要)
- いろんなことに手広く対応しなければならず、技術的専門性が身につかない恐怖があった
 クラウド、セキュリティ、インフラ、WEB開発、データ活用・・・
 私はこの先この会社を続けても「何者」にもなれないと感じた。
 ゼネラリストもいいが、それはあくまで1本なにかに強みがあるべきと思う。
- AI分野の技術取得が全くできない(案件がない)ことにも市場価値が取り残されていく恐怖があった
- 顧客が固定で技術的広がりがない(クラウドはAWS一本)
あとは新人や2年目のお世話係ばかりで負担が増えているにもかかわらず
リーダーにもなれず、それどころかSEにも昇格できず年功序列の評価体制に
モチベーションが激減してしまったことも要因に絡んでの退職という感じでした。
(自己犠牲で1年間会社に貢献したのにランクアップなし、昇給が1.5万円程度だったとき転職を決意した)
迷いや後悔はないのか
あれだけ開発経験にこだわって転職してきたのに
プログラマーを辞めることに葛藤がなかったのかといえば嘘になる。
むしろ、何か月も考えたし、実際転職活動ではプログラマー採用の会社にも応募した。
最終面接まで行った別のある会社でも、最後の面接日まで迷っていた。
本当に、プログラミング辞めていいのか。。。
その会社ではコーディングテストもあり、API制作課題にも取り組んで1週間かけて提出した。
あまり開発経験のないPythonだったがコーディングテストも通過した。
この経験を通して1つ分かったことは、私は独学できるということ。
新しい言語だろうが、新しいフレームワークだろうが、新しい技術分野だろうが関係なく
自分で情報をキャッチアップすることろから、手を動かしてスキルを習得して
アウトプットを出すところまで、自己完結できるのだ。
それは正に今の会社でしっかりと開発スキルを獲得したからだと思う。
そう、結局仕事でプログラミングできなくなっても
個人でプログラミングしようと思えばいくらでも出来ると気づいた。
OSSのコミッターになってもいいし、個人開発でサービス開発をしてもいいし、
コーディングコンテスト的なサイト(paizaとか)で力試しも出来る。
完全にプログラミングが出来なくなる訳ではないし、
自分で高めようと思えばいくらでもGitにコードを上げればいい。
書くこと自体よりもコーディングのアーキテクチャを学んで
AIにコードを書かせながら品質を高めることの方がよっぽど価値があると気づいた。
だから決意できた。
職業としてのプログラマーは、辞めても良いと。
結局入社辞退してしまったが、大事なことに気づかせてくれたくれたA社には感謝しかない。
次の会社を選んだポイント
- データエンジニアとして専門性を身に付けたいと思った
- マルチクラウドを使い分けられるデータ活用コンサルタントを目指したいと思った
- 年収が今より60万円以上アップする
- 面接してくれたマネージャー陣に嫌な感じの人が一人もいなかった
- 女性管理職がいる実績がある
- 年功序列ではない。出来る人にはポジションが与えられそう
- 猛烈にぜひ来てくださいとオファーいただけた。私への期待値が高いのが有難い。
退職間際の今の気持ち
引継ぎ業務もあと2、3個ほどで完全に現職タスクは消化する。
1つ1つ業務が終わり手を離れる瞬間に、感じたことのないほどの達成感を覚えている。
これほどまでに清々しさを感じられるのは、今日まで妥協せず
1つ1つ丁寧に丁寧に仕事してきた自負があるからだと思います。
やっつけ仕事で適当にこなしてきていたら、何の思い入れもなかったはず。
現職の人たちとはドライにやってきた方だと思う。
不用意に距離を詰めず、日常会話は最低限に。
けれども何かあれば親切に、親身に対応してきたつもりだ。
職場の人間関係なんてそれくらいがいいと思うので後悔はない。
(ごめんなさい。正直誰にもなんの思い入れもない。。。)
新人たちに至っては初めから100%テイカーだと分かっていたので
きっとこのままお礼の一言も言われないだろうが、別にいい。
私が裁量ある高給ポジションなら、彼らに何か言葉を残したかもしれないが
ただの平社員なのでそこまでする義理がないと思う。(むしろ、おせっかいになるから止めよう)
まとめると
- 職場の人について思うこと(寂しさ的な)は微塵もない
- 自分が成し遂げてきた仕事に、誇りと満足度ですごく幸せを感じている
  →解放される喜びではなく、やりきった充実感という喜び
- 3年弱で辞めることにはなったが、今の会社で貢献できたことが確かにあって
  それを自分で認められている
こんな感じかな。
最後に
今日を含め後5日で退職する。
様々な経験を、信じられないくらい大量にさせてくれた会社・上司には感謝している。
嫌な思いもたくさん経験したからこそ、今自分が向かうべき未来はどこなのか
ちゃんと考え直すことができた。
人は耐えられないほど嫌なことを経験すると
それが原動力となり良い方向に進んでいけるものだと確信している
そして、やり遂げた経験と成長した実感が次に進む勇気を与えてくれた。
場所が変わっても、技術が変わっても、仕事が変わっても
私は0から吸収してアウトプットを出せる人間なんだと「自信が付いた」
次の職場では、更なる高みを目指して、もっと努力を重ねていく。
ありがとうございました。

Discussion