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Excel セル選択のショートカットキーCtrl+AとCtrl+*
これは「Excel Advent Calendar 2025」の14日目です。
この記事では、Excelでセル選択を行うショートカットキーCtrl+AとCtrl+*について使い分けと、細かな挙動まで解説します。
基本的な動作
Ctrl+Aシート全体を選択します。

実行前

Ctrl+A
Ctrl+*変化しません。

Ctrl+*では何も起こらない
データ領域内を選択しているとき
Ctrl+Aデータ領域が選択されます。

実行前

Ctrl+A
さらに、もう一度Ctrl+Aを押すとシート全体が選択されます。

Ctrl+A
Ctrl+*データ領域が選択された上で、アクティブセルが左上に移動します。

実行前

Ctrl+*
データ領域とは
ここでのデータ領域とは、矩形(長方形)状のセル範囲のうち、斜めを含む周囲に値の入ったセルのない最小の範囲を表します。
- 例1
- 基準(C3)
- データ領域(C3:C4)
- 基準(C3)
- 例2
- 基準(A2)
- データ領域(A1:C4)
- 基準(A2)
テーブル内を選択しているとき
-
Ctrl+A- テーブル内のデータの一部を選択しているとき、テーブル内のデータの全体が選択される

実行前

Ctrl+A - テーブル内のデータの全体を選択または選択範囲に見出しが一部でも含まれる場合、テーブル全体が選択される

実行前

Ctrl+A - テーブル内全体が選択されているとき、シート全体が選択される

実行前

Ctrl+A
- テーブル内のデータの一部を選択しているとき、テーブル内のデータの全体が選択される
-
Ctrl+*- テーブルには影響されず、データ領域内を選択しているときと同じ挙動をする

実行前

Ctrl+*
- テーブルには影響されず、データ領域内を選択しているときと同じ挙動をする
スピルした範囲を選択しているとき
-
Ctrl+A- スピルした範囲の一部を選択しているとき
- スピルした範囲の全体が選択される

実行前

Ctrl+A
- スピルした範囲の全体が選択される
- スピルした範囲の全体を選択しているとき
- 上記のデータ領域内を選択しているときと同じように、周りに値の入ったセルがある場合はデータ領域内が選択され、なければシート全体が選択される。
- スピルした範囲の一部を選択しているとき
-
Ctrl+*- テーブルには影響されず、データ領域内を選択しているときと同じ挙動をする

実行前

Ctrl+*
- テーブルには影響されず、データ領域内を選択しているときと同じ挙動をする
Ctrl+AとCtrl+*の使い分け(ここまでのまとめ)
Ctrl+*は単純にデータが繋がっているところを選択するのに対し、Ctrl+Aは直感的に範囲を選択できる。ただ、Ctrl+Aはアクティブセルの位置が変化しないので、Ctrl+A→Ctrl+.等でアクティブセルの位置を左上にするなど、Ctrl+*との使い分けが望ましい。
細かな仕様
テーブルを除く、スピルの有無を問わないデータ領域の周囲の一部のみを選択している場合
-
Ctrl+A- データ領域の周囲のセルの角にアクティブセルでない選択範囲がかぶっている場合、もしくはアクティブセルがデータ領域の周囲の下側、右側にあるときデータ領域の左側、上側を除く周囲の下側、右側のセルに少しでも行、列全体に対してでない変更(例:セルの背景色、コメントの追加、etc)があった場合
- シート全体が選択される
- そうでない場合
- データ領域を実行前のアクティブセルを含む領域まで拡張された範囲が選択される。
- データ領域の周囲のセルの角にアクティブセルでない選択範囲がかぶっている場合、もしくはアクティブセルがデータ領域の周囲の下側、右側にあるときデータ領域の左側、上側を除く周囲の下側、右側のセルに少しでも行、列全体に対してでない変更(例:セルの背景色、コメントの追加、etc)があった場合
-
Ctrl+*- データ領域を実行前のアクティブセルを含む領域まで拡張された範囲が選択される。
選択範囲の幅・高さが1セルでないかつ、上記の「データ領域、テーブル内のデータ、テーブル全体、スピルした範囲、テーブルを除くスピルの有無を問わないデータ領域の周囲の一部のみ」でない場合
-
Ctrl+A- アクティブセルのみを選択して
Ctrl+Aしたときに選択されるセル範囲より下側または右側のセルに元の選択範囲が一部でもかぶっていた場合- シート全体が選択される。
- そうでない場合
- アクティブセルのみを選択して
Ctrl+Aしたときに選択される範囲が選択される。
- アクティブセルのみを選択して
- アクティブセルのみを選択して
-
Ctrl+*- 選択範囲の幅・高さは影響せず、アクティブセルの位置で幅・高さが1の選択範囲で
Ctrl+*を行うのと同じ。
- 選択範囲の幅・高さは影響せず、アクティブセルの位置で幅・高さが1の選択範囲で
選択範囲が複数ある場合
-
Ctrl+A- アクティブセルを含む選択範囲が、テーブル内を選択しているかつテーブル外のセルを選択範囲に含んでいないかつテーブル全体を選択していない場合
- テーブル内を選択しているときの
Ctrl+Aと同じ動作をする。(アクティブセル、ほかの選択範囲は変化しない。)
- テーブル内を選択しているときの
- そうでない場合
- アクティブセルを含む選択範囲が、シート全体の選択に変化する。(アクティブセル、ほかの選択範囲は変化しない。)
- アクティブセルを含む選択範囲が、テーブル内を選択しているかつテーブル外のセルを選択範囲に含んでいないかつテーブル全体を選択していない場合
-
Ctrl+*- 通常の
Ctrl+*と同じ動作をするが、アクティブセルを含まない選択範囲は選択が解除される
- 通常の
まとめ
元々、Ctrl+*がデータ領域の左上を選択するのは便利だが、選択範囲が期待通りにならないことがあったため挙動を知ることを目的として調べてみました。Ctrl+*はデータ領域とアクティブセルを含む矩形範囲を選択するという単純な挙動であるのに対し、Ctrl+Aは初心者でも直感的に使えるようにかなり複雑な挙動で実装されていることがわかった。
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