🙋‍♀️

【入社3ヶ月目】新人エンジニアが考える質問・意思表示しやすいテキストコミュニケーション

2024/12/26に公開

この記事はPREVENTアドベントカレンダー22日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/10319

はじめに

こんにちは!PREVENTで働いているバックエンドエンジニアのとぴ(@topi_log)と申します!
私の前職はWeb系のエンジニアではなく、PREVENTへの入社で初めてバックエンドエンジニアとして働き始めました。それに加え、フルリモートでの働き方も初めてです。
そんな私は現在のチーム内でのテキストコミュニケーションが「非常にやりやすい」と考えています。もっと詳しくいうと「質問しやすい環境」だと感じています。
なぜそう感じたのかを掘り下げてみました。

執筆の流れ

  1. 特定期間でのSlackのチームチャンネルへの投稿を分析
  2. どんなレスポンスが返事しやすかったか
  3. 投稿で意識していたこと
  4. 投稿しやすい空気感の他の要因

前提

  • 弊社はハイブリット可能なフルリモ主軸の企業です
  • フレックスな労働環境なことから始業時間・終業時間は個人差があります
  • チームはフロント3名、バック2→3名(12月)、業務委託2名
  • 今回分析するチャンネルは、雑談系の投稿がされていないチャンネルです(雑談チャンネルは別途ある)

上記の流れで執筆しております。

1. 特定期間でのSlackのチームチャンネルへの投稿を分析

入社した10月1日〜12月13日のおよそ2ヶ月半の投稿を分析していきます。
目視での確認なので正確性は欠けているかもしれませんが、正確な分析よりおおまかな傾向が分かれば良いので良しとします。

分析対象

分析対象は以下の投稿です。

  • 質問
  • ミーティング依頼
  • 作業依頼
  • 共有・報告

上記の投稿を、本記事では「特定投稿」と表記しています。

また以下の投稿は含みません。

  • 「承知しました!」「ありがとうございます!」などのレスポンスのみ
  • 質問の返答に対する「〜〜ということで承知しました!」といった返事が不要な確認
  • チームチャンネル外のすべての投稿

投稿件数の推移

だいたい1週間ほどで区切ったグラフがこちらです。

月毎に換算しやすいよう厳密な1週間ではない週もあります。
初日から徐々に増えたかと思えば途中谷があり、そこからさらに増加しています。
特に12月の9〜13日においては過去最大数の投稿をしているのがわかります。

10月前半

入社したてで探り探りの状態です。
内訳は後ほどにするとして、まだまだ投稿に対する慣れがない状態だった気がします。

10月後半

チーム内のやりとりからどんな質問の仕方が空気に合っているかわかり始めてた頃です。
そのためこの頃になると、投稿に対する緊張感はだいぶなくなっていました。

11月初週

開発部が管理しているドキュメントが整備されていないところがあり、その整備をやり始めた時期です。
特に指示されたわけではなく、かといって定常タスクがあるわけでもなかったため仕様理解を兼ねて名乗り出ました。
その関係でいろいろ投稿していたような気がします。

11月中旬〜下旬

この谷間の時期はどんな期間だったかを振り返るとプロジェクトにアサインされた直後の時期です。
11月頭にプロジェクトに立候補しアサインされました。そのプロジェクトは「解決したいこと」だけが抽象的に提示されているだけで、要件定義はこれからやっていくという上流工程の最初の部分から始める状態でした。
そのプロジェクトを進めるために必要なのがヒアリング作業などの情報収集だったのですが、ヒアリング対象が別の部署の方々であったため、チームチャンネルではない別のチャンネルでやりとりをしていました。そのため、自分としては結構投稿していた気がするも、実はチームでの投稿は減っていたことがわかります。
(本当はそこまで含めたかったのですが、2ヶ月半の投稿を全て洗い出すのが大変なので割愛しています)

12月

バックエンドの先輩が受け持っているプロジェクトの実装を担当することになり、先輩に対し質問を送りまくった結果の投稿数な気がします。
内訳は後ほどやるのでここでは書きませんが、2ヶ月他のメンバーの投稿を見たり空気感を感じて、どんな投稿がそれに合うのかかなり分かってきました。それもあって投稿に対するハードルも下がり、気軽に投稿できるようになった結果の件数だと思われます。

投稿の内訳

では実際どんな投稿をしたの?という内訳を見ていきましょう。

基本的に質問の割合が多いです。自分で予想外だったのは共有・報告数の多さです。
そこで自分の投稿を振り返ってみると、ドキュメントで整備したもの共有・報告していただけでなく、いただいたissueに関する中間報告もしているときがありました。
例えばライブラリ調査では「ここまでできました!次はこれを調査します」と画像付きで送ったり、技術検証でも「この動作はできました!次はこの動作できるか試してみます」と経過報告したりしていました。
私が中間報告していた目的は「やっていること・やろうとしていることが求められていることとずれていないか」の確認も兼ねています。頑張ってやったことが実は求められていることと違った時ほど悲しいことはありません。悲しみを生まないためにも、ハッピーでいられるよう検証系では特に中間報告を心がけていました。
これが共有・報告数の投稿の多さにつながったのだと思います。

さらに具体的な投稿タイプ

内訳からさらに詳細に投稿を見ていきましょう。
投稿内容を分類分けしてみました。月毎に見てみるとこちらのグラフになります。

入社した月は環境構築が多かったのですが、環境構築に関する投稿は意外にも少ないです。
その月に受けているタスクやプロジェクトによって大きく変わるものなため、ここからわかるのは「その月に何を主にしていたか」です。

  • 10月は入社してまず仕様理解が必要だったため仕様関係が多い
    • リリース作業を行ったため、リリース関係も多い
  • 11月は触ったことのないVue.jsやNuxt.jsのタスクもいただいたのもあり実装関係が多い
    • ドキュメント整備も行っていたのでそれ関係が多い
  • 12月はプロジェクトのタスクだけでなく割り込みも対応できるようになったので、タスク関係が多い
    • ドキュメントの整備もやっていたので11月に続き多い
    • リリース作業がまだ不慣れなのでそれ関係が多い

私の投稿に関して言えば、「こう言う実装したいのですがどうすればいいですか?」といった質問はおそらくなく、実装されているコードに関する質問はあっても実装方法に関する質問はなかったような気がします。つまり「やり方がわからない」ということは今のところ発生していない状態です。

入社前にRailsやReact, Next.jsを勉強していたものの、Vue.js, Nuxt.jsでのタスクに関してはほぼ初心者で、「わからん」と言いながらも調べつつやっていました。特に最近はAIが便利なので、AIにサンプルコードを出してもらってそれを参考にすることが多かったような気がします。
「わからないときはわからないと言うぞ〜!」と意気込んで入社したものの、「分かりません!」と言う機会は今の所なかったです。かといってわかるところだけ受けているわけではなく、自主的に「やってみます〜」と挙手することもありました。

ここまでのまとめ

  • チャンネルの空気を掴むまで思ったより時間がかかった
  • 空気感を掴んでからは投稿しやすく、投稿数が増えている
  • どんなタスクを与えられているか、請け負っているかで投稿数が変わる
  • 質問のしやすさが投稿数に大きく影響する→質問のしやすさが重要になる
  • 質問タイプはその時受けているタスクの状況で変わる→経過とともに変化があるものではなさそう

2. どんなレスポンスが返事しやすかったか

上記の分析のために洗い出していく中で、先輩たちメンバーのレスポンスにも注目しました。
自分の投稿に対し、どんなレスポンスがあるかで投稿に対する心理的安全性やハードルはかなり変わってきます。
極端な例で言うと、投稿に対し強い言い方で否定されると萎縮して投稿しづらくなりますし、あるいはどう返事すればいいかわからないようなレスポンスだと、こちらが投稿するときの負担が増えます。
弊チームにおけるレスポンスの傾向としては

  • 結論→理由や考え→あれば質問返しや確認など、と言う流れでのレスポンス投稿
  • 「!」や🙇‍♂️といった絵文字が適宜散りばめられている(多用しすぎていない)
  • 基本敬語。でも固すぎない
  • 共有や報告に対してレスポンスすることがない場合はスタンプのリアクションのみ
  • 意見や考えに対して否定がない、否定から入らない

が多いように感じます。
質問に対し、まずその質問に答え、理由を後から記載されているので読みやすく頭に入ってきやすいです。
そして「!」や絵文字が入っていることで冷たい印象もなく、安心して読める空気感があります。

例えば、親しい友人から「なんで?」というテキストは「ただの疑問」に感じますが、あまり親しくない友人からの「なんで?」というテキストは「怒りの感情が強く感じる問い詰め」に感じるということです。
絵文字コミュニケーションガイド やむさん

入社して間もない頃は、まだメンバーのことをわかっているわけではないので上記の引用で言う「あまり親しくない友人」の立ち位置になります。コミュニケーションを重ねていくにつれ、「親しい友人」の立ち位置になっていくとは思いますが、人間最初に受けた印象を引きづりがちです。「直接話すといいんだけどテキストだとな〜」と思ってしまう時点で、テキストベースにおける心理的安全性があるとは言い難いでしょう。
最近は「マルハラ」なんて言葉も生まれているので、絵文字などのアクションは読み手として感情がわかりやすく、投稿へのハードルが下がります。

そして意見や考えに対する否定がないことで、自分の発言は受け入れられていると感じるようになります。発言へのハードルが下がるだけでなく積極性が生まれ、「どうしたらよいか」をより考えやすくなります。

レスポンスもまた円滑なテキストコミュニケーション築く大事なファクターです。
タイトルにある「質問・意思表示しやすいテキストコミュニケーション」のほとんどがこちらの内容な気もしていますが、今後この環境を続けるためには自分の投稿にも気をつけなければなりません。
ということで次項です。

3. 投稿で意識していたこと

私が投稿で意識していたのは下記のポイントです。

  • 長すぎないようにする
    • 長くなりすぎたらNotionにまとめてリンクを共有
  • 複数聞きたいことがあったら番号をつけて質問する
    • 状況次第では番号ない時もあるけど基本番号をつける
  • 前置きがないときはどのタイプの投稿か記載する
  • 適宜スタンプか「!」を使う
  • 仕様など分からないことは悩んでいても分からないのでさっさと聞く
  • 「時間があるときに返事が来るだろう」と業務時間内であれば投稿のタイミングをあまり気にしない
    • ただし急ぎのタスクをしている先輩に投げるときは配慮する

例えばこんな投稿です。

@先輩へメンション
【ご相談】
⚪︎⚪︎の▲▲の件についてご意見伺いたいです。
××を3パターン考えたのですがメリデリあるのでどれがいいか悩んでいる状況です。
Slackだと長いのでNotionにまとめてあります↓
内容:https://www.notion.so/~~~
お時間ある時によろしくお願いします🙇‍♀️

Railsアプリの実装方法についての相談です。
初めはSlackに直書きしようとしたのですが、あまりにも長くなってしまったためNotionに内容を書きました。
今回は喫緊の相談ではなかったので「お時間ある時に」の文言をつけていますが、「急ぎではないけど長くはまってられない」ような普通の内容には単純に「よろしくお願いします」のみ記載します。

これは「前置きがないときはどのタイプの投稿か記載する」に該当する投稿です。
自分が今何をしているかの共有がない状態では上記のように書き、別の投稿などで何をしているかわかるような内容が書かれている場合はそのまま質問したり、開発部へのお問い合わせに関する質問などではリンクを貼って「これについてなのですが」と切り出したりします。

要するに伝わりやすいか、読みやすいかを中心に意識するようにしています。

また、割とあるあるだと思うのは「質問のタイミングがわからない」「質問していい程度なのかわからない」と言うのがあると思います。
前職のゲーム業界でプログラマーしていた時は、フル出社のなかで上司の作業風景をチラチラ見ては「今だ!!」と声をかけたり、あるいはSlackでうんうん唸りながら文章を作って投げていたことがあります。
今振り返ると、「自分の技術不足ゆえの質問」なのか「技術力関係なく発生する質問」なのかの区別がついていなかった結果に生まれた悩みでした。
未だに技術力は伸び代しかない私ですが、行き着いた先は「悩んで分かるならよし、わからんならサクッと聞く」です。
例えば「Xのタイムラインはどの順番で表示されるのか」が分からなかったとき、コードを見て分かればそれでよし、わからなければ「せんぱーい!!」と聞きます。そのときついでに「どこでその順番決めてますか?」と実装箇所を聞いてしまえばいいのです。
先輩からしても「1時間悩んでたの!?聞いてくれればいいのに」と思うに違いありません(弊チームの場合)

4. 投稿しやすい空気感の他の要因

投稿の分析をすることで投稿しやすさの経緯や投稿タイプを具体化し、
レスポンスを分析することでなぜ投稿しやすいかを考え、
投稿で意識していたことから、弊チームではどんな投稿の記述が多いか
これらがわかってきましたね。
それでは最後に、これ以外に投稿しやすいと思った理由を列挙していきます。

  • 毎日誰かしら投稿している
  • リーダーが積極的に投稿(質問)している
  • 誰に聞けばいいかがわかりやすい

上記の3つが投稿しやすいその他の要因だと考えています。

毎日誰かしら投稿している

例えば学校の教室で友人に声をかけたいとします。
教室がシーンとしている状態と、みんな雑談してガヤガヤしている状態だと、声のかけやすさは後者ですよね。
テキストでも同じように、活発にチャンネルが動いていることで「これ質問していいのか?」という疑問が払拭されます。
とてつもなく活発に動いているわけではないものの、他の方の質問の粒度も小さいものもあるため「これくらいの気軽さで聞いていいんだな」と指針になります。

リーダーが積極的に投稿(質問)している

チャンネルで一番投稿しているのはおそらくチームリーダーな気がします。
正直私は「リーダーは何でも知ってるから質問される側なんだろう」と思っていました。
しかし実際はチーム内でも担当領域が分かれていることもあり、リーダーが他のメンバーに質問や確認を投げている様子もよく見かけます。
入社前のチャンネルの投稿をあまり追わずとも直近で投稿してたため、チャンネルの空気感を掴みやすかったです。
「リーダーがこの粒度で聞いているから私もこの粒度で聞いていいんだな!」と自信に繋がりました。

誰に聞けばいいか分かりやすい。

リーダーがフロント側の方なので、フロント関係はリーダーに、バック・インフラはバックエンドの先輩に、会社のことや業務のことはリーダーにと「とりあえずこの方に聞けば良さそう」というのが明確だったため、質問がとても投げやすかったです。
あとは小さなタスクを振ってくださった場合は、その振ってくださった先輩に聞けばいいので「これについて誰に聞いたらいいか分からず聞けない」状況は発生していません。
弊チームの場合は人数が少ないのもあるかもしれませんが、人数が多い場合に誰に聞けばいいかわからないときは困るだろうなぁとふんわり思います。
このあたりは特に「誰が何を担当しているのか」を新人の私でも把握できていたところもあると思うので、新人と言えど先輩方が何をしているかをざっくり知っておくことは大事だなと感じています。

まとめ

それではまとめです。
質問・意思表示しやすいテキストコミュニケーションを実現するために、自分ができることとチームでできることをまとめてみました。

自分ができること

  • チャンネル内でメンバーの投稿を見て、チームではどのような投稿をされているのか空気感を掴む
    ⇨自分もそれになるべく倣うようにする。
  • まずどんな内容か(質問なのか共有なのかなど)を伝えた後に、必要に応じて意図や経緯を書く
    ⇨文章量が折りたたまないと見れないくらい長くなりそうなときは別媒体にまとめて聞く
  • ほかメンバーの投稿に肯定的でいること
    ⇨否定から入らない、否定が必要なときはまず相手の話を聞く
  • メンバーの役割・立ち位置・作業内容をざっくりでもいいので把握しておく
    ⇨自分が質問・確認などするときに誰に対して行えばいいか分かるため

チームでできること

  • 自分が何をしているのか(担当しているタスクやプロジェクトなど)を周知する
    ⇨メンバー間で共有すると他のメンバーが聞きやすい
  • 投稿のハードルを下げるためチャンネルはアクティブに動かす
    ⇨前の投稿から数ヶ月誰も投稿していない…みたいな空気感は投稿のハードルを上げてしまう恐れがある
  • ネガティブに捉えられない言い方や表現をする
    ⇨怒ってないかどうかは意外と伝わりづらいので、事務的すぎると萎縮させてしまうかも

おわりに

かつて「質問・意思表示できなすぎて病む」経験をしたため、現職での自分の投稿やメンバーの投稿を分析することで同じ轍を踏まないようにできそうです。
弊チームの「質問・意思表示のしやすさ」が続いていくよう、私自身も空気作りを頑張っていこうと思います。
ご拝読いただきありがとうございました!

Discussion